あなたはスムージーにどんな効果を求めている?管理栄養士が教える、曜日別スムージーカレンダー
食トレ時に必ず聞かれるのが「スムージーって、体にいいんですか?」という質問です。その回答は、スムージーにする食材によっても、また、あなたがどのような効能を望んでいるかによっても異なります。実際、果物だって、野菜だって、たくさんの種類がありますし、あなたがどのようになりたいかによっても、そのスムージーがいいか悪いかは全く異なるのです。あなたは、普段どんなスムージーを作りますか? また、スムージーにどんな効果を求めますか? 詳しくは本文をご覧ください。
代謝アップには毎日のコンディションを最大限に引き出せる環境づくりが重要です。そうすることで、毎日がもっとアクティブになり、自然と活動量も増えます。ストレスも減り、ダイエットの面においてもいい循環が生まれるでしょう。
食トレはこれらのサポートを大得意としています。ここでは、曜日ごとの悩みを解消するコンディショニングスムージーを紹介します。
月曜日の〝即席!豆乳ヨーグルト〟で体内時計をリセット
豆乳に酢を加えると、乳中のタンパク質が固まって、ゆるめのヨーグルトのようになります。忙しい朝の時間でも、手軽にタンパク質補給しやすい豆乳。朝のタンパク質摂取には、体内時計をリセットをする働きがあります。そのほか、エネルギー代謝の活性化や血糖値の安定、基礎代謝の改善、筋肉量の維持、満腹感の持続などの効果も期待できます。また、酢にはミネラルの吸収率をアップさせる働きがあります。具体的には、豆乳や牛乳に豊富なカルシウムや鉄を、体内に吸収しやすい形にしてくれるのです。
材料
・無調整豆乳:200ml
・ホワイトバルサミコ酢:大さじ2
作り方
グラスに豆乳とバルサミコ酢を入れ、よく混ぜます。スプーンでかき混ぜているうちに、豆乳が少しずつ固まります。ミキサーも不要で簡単に作れますし、ホワイトバルサミコの甘さで、そのままおいしく食べられるので、失敗もしづらいです。
火曜日の〝ちょい足しアマニオイル〟で集中力アップ
アマニオイルに豊富に含まれるα-リノレン酸は、脳に多く含まれるDHAの前駆体で、DHAは脳の機能に重要な役割を果たしています。また脳の炎症を抑えたり、神経細胞間の情報伝達を円滑にすることで、集中力や記憶力を高める効果が期待されています。
材料
・スムージー:200ml
・アマニオイル:小さじ1
作り方
アマニオイルは非常に酸化しやすいため、冷暗所で保存し、開封後は早めに使い切るようにしましょう。スムージーの仕上げにアマニオイルを垂らし、速やかに飲むことで、良質な脂肪酸が摂取できます。
水曜日の〝バナナスムージー〟で良質な睡眠を育む
スムージー作りに砂糖は加えたくないですよね。青汁など、クセのある野菜をミキサーにかけるとき、甘くて濃厚なバナナを加えると、飲みやすくなります。しかし、バナナの魅力はそれだけではありません。 バナナに含まれるトリプトファンとビタミンB6は、セロトニンという神経伝達物質の生成を促し、それがメラトニンという睡眠ホルモンに変換されます。
木曜日の〝麹甘酒スムージー〟で持久力アップ
スムージーに砂糖やシロップは加えたくないものです。特にダイエット中であれば、これらは血糖値を急上昇させ、肥満の原因となる可能性があります。 バナナはスムージーに自然な甘みをもたらしてくれるのでおすすめです。同様に、甘みをプラスしたい場合は、麹甘酒がおすすめです。麹甘酒には糖質代謝に欠かせないビタミンB1が豊富に含まれており、持久力アップへの効果が期待できます。ヨーグルトと組み合わせることで、ダブル発酵食品となり、腸内環境改善も期待できます。豆乳や牛乳ともよく合います。
金曜日の〝トマトスムージー〟で人間関係を円滑に
トマトスムージーは甘く仕上げず、ほんの少しの塩とオリーブオイルを加えて、スッキリといただきましょう。トマトに豊富なβカロテンやビタミンC、リコピン、ポリフェノールなどの抗酸化物質による疲労回復効果が期待できます。オリーブオイルとの相乗効果でトマトの抗酸化力はアップします。
また、トマトのゼリー状の部分には、ストレス軽減効果が期待できるGABAが豊富に含まれています。スムージーを作る際は、トマトの皮や種も一緒にミキサーにかけることで、これらの栄養素を余すことなく摂取できます。
土曜日の〝旬の果物を使ったスムージー〟でむくみスッキリ
週末をむくみ顔で過ごすのは避けたいですよね。特に前夜に飲みすぎた方は要注意です! 土曜日の朝は、旬の梨を使ったスムージーがおすすめです。梨に豊富に含まれるカリウムは、体内の余分なナトリウムを排出することで、むくみの解消を助けます。梨がない場合は、一年を通して手に入りやすいリンゴやキウイ、バナナなどでも代用できます。
また、旬の柿には、カリウムに加えて豊富なビタミンCが含まれており、むくみ解消だけでなく、疲労回復にも効果が期待できます。やわらかくなりすぎてしまった柿も、ミキサーにかければ、手軽に美味しくいただけます。イチゴなどのベリー類や、みかんなどの柑橘類も、ビタミンCが豊富なので、同様にむくみ解消や疲労回復に役立ちます。
日曜日の〝整腸スムージーで〟リラックス
毎週末のルーティンとして、日曜日は腸内環境を整える食事を心がけましょう。イチジクや桃などの果物には、ペクチンという水溶性食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境を整え、心身のリラックス効果が期待できます。食物繊維は、腸内環境を整え、善玉菌を増やすことで、腸内フローラを健やかに保ちます。腸内環境が改善されると、セロトニンの生成が促され、心の安定にも繋がります。ヨーグルトのような発酵食品を取り入れることで、さらに腸内環境の改善が期待できます。ただし、旬の果物を積極的に取り入れることが理想です。缶詰の果物は糖分が多く含まれているため、腸内環境改善という観点からはおすすめできません。
このスムージーカレンダーは、あくまでも一例です。 自分の体調や気分に合わせて、お好みの具材でアレンジしてください。
AUTHOR
石松佑梨
サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く