知っておいて損はない〈カビ対策〉夏場、食品を買ってきたらすべき【5つのこと】は?管理栄養士が解説
ジメジメと蒸し暑い日が続く夏。気温の上昇とともに気になるのが、食中毒やカビなどの衛生問題ですよね。特に気を付けたいのが、毎日口にする「食品」へのカビ対策です。この記事では、食品を買ってきたらどのような対応をすればカビの発生を防げるのか、すぐに実践できる方法をご紹介します。
カビが発生しやすい環境とは
カビの発生は「温度」「水分」「酸素」「養分」に左右されます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
温度
カビは0〜40℃と幅広い温度で生育可能ですが、最も繁殖しやすいのは20〜30℃程度です。冷蔵庫内の適正温度は約2~6℃であることを考えれば、冷蔵保存はカビの繁殖を抑えるのに有効であるといえます。
水分
食品中にカビが利用できる水分(自由水)が多ければ多いほどカビが生えやすくなります。塩漬けや砂糖漬けした食品がカビにくいのは、食品中の水分が食塩や砂糖と結合し、カビが利用できない結合水となるためです。
酸素
生育に酸素を必要としない微生物は存在しますが、カビは酸素がないと生育できません。購入した食品をなるべく空気を抜いた状態で保存すれば、カビの発生を抑えられます。
養分
カビは食品に限らず、紙やプラスチック、鉱物などさまざまな物質を栄養源としています。食品ではパンや餅、菓子類など糖分を多く含んだ食品が栄養源となりやすい傾向にあります。
カビ対策の基本!食品を購入したらすべきこと
カビが発生しやすい条件を踏まえ、購入した食品を正しく保管する方法について解説します。
すぐに冷蔵庫へ入れる
冷蔵保存が必要な食品は、持ち帰ったらすぐに冷蔵庫へ入れましょう。必要に応じて冷凍保存すれば、冷蔵よりも長期間鮮度を保てます。
湿度の高い場所に保管しない
いも類や根菜類など常温保存が適したものは、湿気がこもりにくく風通しの良い場所(冷暗所)で保管しましょう。ただし気温、湿度が非常に高くなる夏場は、新聞紙などで包んでから冷蔵保存がおすすめです。
できるだけ空気に触れないようにする
購入した食品を小分けにして保存したい場合は、なるべく空気に触れないようにすることが重要です。ジッパー付きの保存袋に空気を抜くように入れる、ラップでぴっちりと包んでから保存袋に入れるなどするとカビが生えにくくなります。
水分はふき取る
野菜などの表面に水滴がついたまま保存すると、カビが生えやすくなります。しっかりと水気を拭き取ってから冷蔵庫へ入れましょう。
早めに食べ切る
夏場は食品が傷みやすい時期です。適切に保存したとはいえ、なるべく早めに食べ切ったほうが安全です。特に賞味期限や消費期限の表示が義務付けられていない野菜などは、購入したら早めに食べることを意識しましょう。
まとめ
日本の夏は高温多湿。この時期は食品が傷みやすく食中毒のリスクも高まります。購入した食品は放置せず、適切な場所と方法で保存しましょう。
カビを発生させないためには生育条件を可能な限り排除することも重要ですが、早めに食べ切ることもポイントです。正しい知識を身につけて、安全な食生活を送りましょう。
【参考文献】
AUTHOR
鈴木亜子
管理栄養士/ライター。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、ウェルネス関連の記事執筆および監修に携わる。
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