レモンの表面についた「白い粉」の正体とは?口に入れても大丈夫?管理栄養士の回答は

 レモンの表面についた「白い粉」の正体とは?口に入れても大丈夫?管理栄養士の回答は
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鈴木亜子
鈴木亜子
2024-07-27

レモンの表面についている「白い粉」が気になったことはありませんか?よく洗ってから使用するとはいえ、農薬なのかカビなのか、それとも未知の物質なのかと疑問に感じたことがあるという方も多いかもしれません。この記事では、レモンの白い粉の正体と安心して食べるための情報をお伝えしていきます。

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レモンについた白い粉の正体

レモンについている白い粉は、品質保持のために使用される薬剤やレモンから分泌される物質などです。その正体について詳しくみていきましょう。

レモンそのものが持つ成分

レモンをはじめ、果物の表面には「クチクラ層」と呼ばれるワックスのような層があります。乾燥や紫外線、病気などから守る役割を持っており、収穫後の洗浄によって分離して白い粉のように残ることがあります。

レモンそのものに含まれる成分であるため、口にしても問題ありません。

品質保持のためのワックス

レモンに塗られたワックスが、白い粉のように見えることがあります。皮膜剤や光沢剤とも呼ばれるワックスは、レモンの乾燥を防いだり鮮度を保ったりする目的で使用される食品添加物です。

本来レモンはクチクラ層、つまり自身の持つワックスで水分を保持していますが、収穫後の洗浄によってこの層がはがれることがあります。この状態のままにしておくとレモンの水分が失われてしなびてしまうため、ワックスでコーティングするのです。

果物に使用されるワックスは法律に基づく食品添加物であり、食べても体に害はありません。

要注意!白い粉はカビの場合もある

レモンについた白い粉のようなものが、カビであるケースも否定できません。しかし、カビであった場合は他の特徴もあわせて発生します。

例えば、カビの生えた部分の果皮の変色、指で押すとブヨブヨしているといったような状態です。

白い粉に加え、このような状態が見られる場合は傷んでしまっているため、食べないようにしましょう。

レモンを安心して食べるには?

カビたり傷んだりしたレモンはもちろん食べられませんが、皮ごと食べることも多いレモンを安全に食べるには、十分にこすり洗いすることが大切です。

レモンそのもののワックス成分や品質保持のためのワックスは、食べても健康に害は及ぼしませんが、しっかりと洗うことで雑菌の除去にも役立ちます。

また、輸入レモンに多く使用されているのが防カビ剤です。防カビ剤は主に皮に付いているため、よく洗うことで30〜70%程度除去できると言われています。

防カビ剤は使用基準が定められているうえ、安全性を確認し消費者の手元に届けられていますが、不安な場合はよりしっかりと洗う、もしくは皮をむいて使うとよいでしょう。

まとめ

レモンの表面についた白い粉のような物質は、品質を保つために塗られた食品添加物としてのワックスもしくはレモンそのものが持つ成分、この2つであるといえます。

どちらも食べても問題ありませんが、気になる場合は水で洗って落としましょう。カビである場合は、あわせて皮の変色や軟化といった特徴もみられます。

皮のワックスや防カビ剤が気になる場合は、皮をむいて使うのがおすすめですが、レモンの皮はさまざまな食べ方で楽しめます。完全にとは言えないまでも、よく洗うことでもある程度は除去できるため、しっかりこすり洗いして皮まで有効活用しましょう。

【参考文献】

国立研究開発法人 科学技術振興機構|科学技術振興機構報 第184号|植物のミクロの呼吸孔、気孔の形成と分布パターンを支配する遺伝子を発見

毎日くだもの200グラム推進全国協議会委員| 果物ではじめる健康生活 毎日くだもの200グラム!|くだものQ&A|Q6 くだものの皮についているべとべとや白い粉は何ですか。農薬ではないのでしょうか。

東京都保健医療局 東京都市場衛生検査所|相談事例3 (みかんに白い斑点)

東京都保健医療局|輸入のレモンやグレープフルーツに防かび剤が大量に使われていると聞きましたが、体に悪い影響はないのでしょうか?【食品安全FAQ】

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鈴木亜子

鈴木亜子

管理栄養士/ライター。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、ウェルネス関連の記事執筆および監修に携わる。



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