トマトの皮にカビが…カビ部分以外は食べても大丈夫?管理栄養士が回答
「購入したトマトの一つにカビが生えていた」「保存していたトマトの皮にカビが……」といった経験がある方もいらっしゃるでしょう。このようなカビが生えたトマトはまだ食べられるのでしょうか。この記事では、トマトの皮に生えたカビのリスクや安全に食べるための知識を分かりやすく解説します。
トマトの皮にカビ!まだ食べられる?
トマトの皮にカビが生えていた場合、食べないほうが安全です。
表面にカビが生えているだけなら洗い落とせば食べられると思われがちですが、カビがつくり出す毒素は洗ったり加熱したりしても減らせません。摂取してしまうことで食中毒やアレルギーを引き起こす可能性もあります。
もちろん洗ったり、カビの生えている部分を大きく取り除いたりすれば食べられるケースもありますが、安全性を考えれば避けたほうが安心でしょう。
特に抵抗力の弱い小さい子どもや高齢の方などは注意が必要です。
「もったいない」と思う気持ちは分かりますが、健康のためには思い切って処分しましょう。
傷んだトマトの特徴
カビが生えているだけではなく、触った感じが全体的にブヨブヨとしていたり嫌な臭いがしたりしているのは傷んでいる証拠です。
皮にシワがよっていたりヘタが枯れていたりしているだけでは食べられるケースもありますが、上記のような特徴がある場合は食べるのを控えましょう。
おいしいトマトを安全に食べるためのポイント
新鮮なものを選び適切に保存することで、トマトをおいしく味わいましょう。
新鮮なものを選ぶ
トマトは鮮度のよいものを選び、購入後できるだけ早く食べるようにしましょう。
新鮮なトマトの特徴は、以下のとおりです。
●色ムラがない
●ツヤ・ハリがある
●きれいな丸型
●ヘタが緑色
●ひび割れがない
また、皮に白い斑点が浮き出ていないものを選ぶこともポイントの一つです。トマトの白い斑点は細菌やウイルスによる病気の可能性があります。
鮮度のよくないトマトや病気の可能性のあるトマトを選んでしまうと、カビが生えるリスクも高まります。新鮮なトマトの特徴をしっかりと見極めて選んでみてくださいね。
適切に保存する
気温が高くならない時期は常温保存も可能ですが、夏場は冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。パックのまま、もしくはヘタを下にしてキッチンペーパーなどに包んでから冷蔵庫に入れます。
1週間程度で食べきれない場合は、冷凍保存も可能です。丸ごとジッパー付き冷凍用保存袋に入れて、冷凍します。生食向きではありませんが、自然解凍する過程できれいに皮が剥けるためスープやカレーなどに活用するとよいでしょう。
まとめ
カビが生えたトマトはよく洗ったり取り除いたりすれば食べられるケースもあるものの、健康を害する恐れもあるため、食べるのは控えたほうが賢明です。
新鮮なトマトを選ぶこと、適切な保存方法を心がけることを意識して、トマトを安全に美味しく食べてください。
【参考文献】
農林水産省|おいしさをもっと長持ちさせる夏野菜&果物の保存術
農経新聞社|改訂10版 野菜と果物の品目ガイド|トマト
AUTHOR
鈴木亜子
管理栄養士/ライター。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、ウェルネス関連の記事執筆および監修に携わる。
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