〈メロン〉気がついたらメロンの皮にカビが…中身は食べても大丈夫?管理栄養士が回答
食べるのを楽しみにしていたメロン、気がついたらカビが生えていたということも少なくありません。メロンの外皮にカビが生えていた場合、中の果肉は食べても問題ないのでしょうか。この記事では、皮にカビが生えたメロンは食べても大丈夫なのかについて解説します。加えて適切な保存方法や食べられないメロンの特徴なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
メロンにカビはよくあること?
メロンは収穫後に一定期間保管して美味しく完熟させる「追熟」が必要な果物です。この追熟期間中に、メロンにカビが生えてしまうことがあります。
白や黒、青、緑、赤などカビの色はさまざまですが、どれも毒性を保つ可能性が高いため、メロンにカビが生えてしまったら、一旦食べるのをストップしましょう。
皮にカビがあっても果肉は食べられる?
メロンの皮にカビが生えていた場合、洗ったり取り除いたりすれば中の果肉は食べられるのでしょうか。
カビは水分と酸素、栄養源と適度な温度を必要とする微生物です。根のように「菌糸」を伸ばし「胞子」を分散させて繁殖するため、よく洗ったうえでカビの生えた部分を深くカットすれば食べられるという考え方もあります。しかし、外皮のカビが十分に除去しきれなかった場合、カットした際に果肉にカビが付着する可能性も否定できません。
また種類によっては毒素を発生させるカビもあります。カビそのものは取り除けても、カビの毒素は目に見えないため、外皮といえどカビの生えたメロンは廃棄したほうが安全です。
なお、カビ毒は一般的な加熱では完全に除去できないことも、カビの基礎知識として理解しておくとよいでしょう。
メロンの適切な保存方法
メロンにカビを生えさせないための適切な保存方法について、追熟中と完熟後に分けて解説します。
追熟中の保存のポイント
追熟中のメロンは常温で保存します。風通しがよく直射日光が当たらない場所、かつ目が届く場所がベストです。熟しすぎて食べ頃を逃したり、傷んで食べられなくなったりしないよう、毎日確認できる場所に保存しておきましょう。
手に入った時の状態にもよりますが、一般的に3日〜1週間程度で完熟します。
完熟後の保存のポイント
食べ頃のメロンは冷蔵庫の野菜室で保存し、2〜3日で食べ切りましょう。カットしたメロンは、切り口をラップでぴっちりと包むことで鮮度を保持できます。
数日で食べきれない場合は、皮をむいて冷凍保存しましょう。食べやすい大きさにカットしたメロンをラップで包んでから、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。そのままはもちろん、フローズンスイーツへのアレンジも簡単ですよ。
こんなメロンは要注意!傷んだメロンの見分け方
カビ以外の傷んだメロンの特徴は以下のとおりです。
●外皮がブヨブヨしている
●異臭がする
●果肉が変色している
●果肉がドロドロしている
●変な味がする
明らかに傷んでいるメロンは、当然ながら食べずに廃棄しましょう。傷んでいるかどうか判断がつかない場合も、食べない選択をしたほうが安全です。食べてから傷んでいるとわかったときは、すぐに食べるのをやめましょう。傷んだメロンを食べると腹痛や下痢などの症状を引き起こす恐れがあります。症状がひどい場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
まとめ
メロンの皮にカビが生えている場合、中の果肉は食べられる可能性もあります。しかし、安全を優先した場合、食べないほうがよいでしょう。小さい子どもや高齢者、妊娠中の方などはなおさら注意が必要です。予期せずカビが生えてしまうケースもありますが、手に入ったメロンは状態によって適切に保存し、美味しく味わってくださいね。
【参考文献】
AUTHOR
鈴木亜子
管理栄養士/ライター。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、ウェルネス関連の記事執筆および監修に携わる。
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