冷凍焼けってなに?冷凍焼けした食材は食べられない?管理栄養士が回答

 冷凍焼けってなに?冷凍焼けした食材は食べられない?管理栄養士が回答
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冷凍した食品を取り出して解凍したら、一部分だけ白いままだったことはありませんか?これは、「冷凍焼け」という冷凍庫の中で起こる食品が劣化してしまう現象です。この記事では、冷凍焼けがどのようなメカニズムで起きるのか、さらに冷凍焼けを予防する保存方法をご紹介します。

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冷凍焼けってどのような状態?どうやって起こる?

「冷凍焼け」とは、冷凍庫の中で食品を長期間保存することで、食品が乾燥や酸化を繰り返して表面に霜が張り付いた状態のことを言います。

業務用の冷凍庫では温度が一定に保たれていますが、家庭用の冷凍庫は頻繁に開け閉めされることで温度が変わりやすい状態です。冷凍庫の温度が上がった時に食品の一部が溶け、その水分が飛んだ隙間に空気が入って乾燥が進み、食品が少しずつ酸化して劣化する現象を冷凍焼けといいます。

冷凍焼けした食品は乾燥や酸化が進んでいるので、パサパサした食感になったり独特のにおいがついたり味が変わったように感じることもあります。

冷凍焼けしても「食べられる」。だけど…

冷凍焼けした食品でも、解凍や料理をしてそのまま食べることができます。

ただし、味や風味が落ちていることが多いのでシンプルな調理法だと「おいしくない…」と感じることも。そのため、しっかりした味の照り焼きや煮汁で水分を補うような煮込み料理にすると、パサつきやにおいが気になりにくいのでおすすめです。

冷凍やけを予防する保存方法を解説!

できるだけ空気に触れさせない

食品を冷凍する時は、空気に触れさせないようにラップなどでぴっちりと包んで保存するか、下味をつけるなど調味料でコーティングしてから冷凍庫に入れましょう。そうすることで食品の乾燥が進みにくくなり、おいしく冷凍焼けを予防できますよ。

冷凍庫の温度をできるだけ上げない

冷凍庫の温度変化は頻繁な開け閉めによって起こります。温度変化を起こさないためには、なるべく素早く出し入れを行ったり、詰めすぎに気をつけながら冷凍庫をある程度いっぱいにしておくことも有効です。

急速冷凍させる

食品をゆっくり凍らせてしまうと、食品の中に大きな氷の粒ができやすく冷凍焼けの原因となる場合があります。冷凍庫の急速冷凍モードを使ったり、熱伝導のよいアルミ製のバットにのせて冷凍すると素早く食品の温度を下げることができますよ。

まとめ

今回は、冷凍焼けのメカニズムや冷凍焼けを予防する保存方法について解説しました。冷凍焼けは食品を長期間冷凍することで起こります。冷凍焼けしたものは解凍してそのまま使うことができますが、味や風味が落ちていることが多いので、濃い味つけや水分を補う煮込み料理に使うのがおすすめです。冷凍庫を過信しすぎずに、買った食材はなるべく早く食べきるのもひとつの対策です。

参考サイト:

一般社団法人 日本冷凍食品協会

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AUTHOR

管理栄養士 野口久美子

野口久美子

管理栄養士/調理師。大学卒業後、保育園栄養士と食品開発の仕事を経てフリーに転身。現在は子育てをしながらライターとしてレシピ紹介や栄養に関する分野でコラムを執筆している。



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