親指・手首が痛む…もしかして「ドケルバン病」かも?なりやすい人の特徴&対処法は|医師が解説

 親指・手首が痛む…もしかして「ドケルバン病」かも?なりやすい人の特徴&対処法は|医師が解説
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甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2024-04-18

ドケルバン病について知っていますか?

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ドケルバン病とはどのような病気か

ドケルバン病は、手首の親指側の腱鞘炎(けんしょうえん)の一種であり、腱鞘内の腱が圧迫されることで引き起こされます。

ドケルバン病は手首の親指側の腱鞘炎であり、反復的な運動や手首の負担が主な原因です。

ドケルバン病や手根管症候群は、産後に多く起こる問題であり、主に妊娠の影響でホルモンのバランスが崩れて、腱鞘炎になりやすい上に出生児の世話で手をよく使うために症状が出やすいと考えられています。

ドケルバン病の代表的な症状には、手首の親指側での痛み・腫れ・握力の低下・親指の動きの制限がありますし、ドケルバン病は手首の親指側の腱鞘炎の一種であり、手首の親指の動きや握力に制限が現れます。

主に腱鞘内の腱が圧迫されることで症状が生じ、手首の親指側での痛み・腫れ・炎症が特徴的であると認識されています。

ドケルバン病では手首の親指側に痛みが現れて、特に手首の動かし方や圧力をかけた際に症状が増強することがあります。

ドケルバン病になりやすい人とは

ドケルバン病の主な原因は、手首の親指側の腱鞘における炎症であり、具体的には、パソコン作業やスマホの長時間の使用です。

反復的に手首や親指を使用する活動や動作が繰り返されることによって、腱に負担がかかる以外にも、手首に過剰な負担がかかることもドケルバン病の原因です。

重い物を持ち上げる作業や強く握る動作などの要因により、手首の親指側の腱鞘が炎症を起こし、腱鞘内の腱が圧迫されることによって痛みや腫れが生じ、ドケルバン病の症状が現れるのです。

さらに、ドケルバン病は、妊娠出産期の女性や更年期の女性に多く見られます。

この病気の病態は母指の過度な使用による負荷が原因とされているので、腱鞘が厚くなったり腱の表面が損傷したりして、さらに炎症が刺激される悪循環が生じると考えられています。

特に手背第1コンパートメント内には、2つの腱を分けて通る隔壁が存在し、このために狭窄が起こりやすくなっています。

ドケルバン病は、反復的な手首や親指の使用、高負荷の手首動作を行う、普段の姿勢や手の使い方に問題がある人に発症しやすいと考えられます。

ドケルバン病は、女性に多く見られる傾向もあり、特に妊娠や授乳期間中の女性はホルモンの変化によって腱鞘炎の発症リスクが増加する可能性があります。

ドケルバン病は、妊娠出産期の女性や更年期の女性に多く見られますし、この病気の病態は母指の過度な使用による負荷が原因とされているので、腱鞘が厚くなったり腱の表面が損傷したりして、さらに炎症が刺激される悪循環が生じると考えられています。

ドケルバン病の主な発症原因は、手首の親指側の腱鞘における炎症であり、パソコン作業やスマホの長時間の使用によって症状が悪化する傾向があります。

反復的に手首や親指を使用する活動や動作が繰り返されることによって、腱や手首に過剰な負担がかかることもドケルバン病の発症原因となります。

重い物を持ち上げる作業や強く握る動作などによって、手首の親指側の腱鞘が炎症を起こし、腱鞘内の腱が圧迫される状態が生じます。

ドケルバン病の治療予防策は?

ドケルバン病による症状の改善や予防のためには、適切な休息や手の負担を軽減する対策が重要であり、専門の医師の診断と適切な治療を受けることも大切です。

早めの治療によって症状の進行を防ぎ、手の機能を回復させることが期待できますので、自分の手の健康を守るために、迅速な行動を心がけましょう。

ドケルバン病の予防と注意点は、手の負荷を軽減し、適切な姿勢や手の使い方に気を付けることから始まります。

特にセルフケアの実施が重要で、手首や親指のストレッチや筋力トレーニングを行うことで手の筋肉を強化し、負担を軽減できますし、長時間の作業や繰り返しの動作を行った後は、適度な休息をとりましょう。

最初に行われる治療法としては、保存的治療であり、手首や親指を安静にし、負荷や動作を制限することが重要です。

患部の安静化のために、添え木やサポート具を使用する場合もありますし、炎症を軽減するために湿布や消炎鎮痛剤の投薬治療が行われることもあるでしょう。

ステロイド注射療法とは、炎症や腫れが強い場合に局所麻酔とともにステロイド薬を注射する治療内容であり、患部の痛みや腫れが強く、保存的治療で改善が見られない場合に行います。

局所麻酔を使用しながら、炎症が起こっている腱鞘にステロイドの注射を行うことで、炎症・腫れ・痛みが軽減されることが期待されます。

まとめ

これまで、ドケルバン病とはどのような病気か、ドケルバン病になりやすい人の特徴や治療予防策などを中心に解説してきました。

ドケルバン病は手や指に現れる症状であり、この病気では、手首の母指側にある腱鞘(手背第一コンパートメント)とそこを通る腱に炎症が起こります。

炎症によって腱の動きが滑らかでなくなり、手首の母指側が痛みや腫れを引き起こして、特に母指を広げたり動かしたりすると強い疼痛症状が現れます。

ドケルバン病では、短母指伸筋腱(母指の第2関節を伸ばす腱)と長母指外転筋腱(母指を広げる腱)が関与して、これらの腱が手首の背側にある腱鞘を通る際に炎症が生じると考えられています。

ドケルバン病による症状は手首の母指側に痛みや腫れが現れることが特徴なので、もし手や指に上記のような症状がある場合は、すぐに手の外科専門医などに相談しましょう。

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甲斐沼 孟

甲斐沼 孟

大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部を卒業後、大阪急性期総合医療センターや大阪労災病院、国立病院機構大阪医療センターなどで消化器外科医・心臓血管外科医として修練を積み、その後国家公務員共済組合連合会大手前病院救急科医長として地域医療に尽力。2023年4月より上場企業 産業医として勤務。これまでに数々の医学論文執筆や医療記事監修など多角的な視点で医療活動を積極的に実践している。



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