【じゃがいも】冷蔵する?しない?水にさらす?さらさない?管理栄養士が気になる疑問に回答!
じゃがいもは年中手に入り保存もきく栄養価の高い根菜として知られています。 フランスでは「畑のりんご」とも呼ばれているほどビタミンCが豊富でりんごの9倍にもなります。そのうえ、でんぷんがビタミンCを包み込んでいるため、加熱に弱いビタミンCのダメージを抑えているという点がじゃがいもの特徴です。じゃがいもを扱う際の気になる疑問にお答えします。
じゃがいもは冷蔵する?しない?
じゃがいもは涼しくて通気性の良い暗い場所での保存が最適。20℃以上になると発芽、腐敗しやすくなります。逆に4℃以下になるとでんぷん質が変質して、糖の濃度が高くなり、揚げたり炒めたりしたときにアクリルアミドという有害物質のできる量が増えることが指摘されています。そのため、冷蔵庫へは入れずに、新聞紙に包んだり紙袋にいれたりして冷暗所で保管がおすすめ。冷蔵保存したじゃがいもは、アクリルアミドもできにくい煮物や蒸し物などの水を使った調理法にしましょう。甘味も増しているので、おいしくいただけますよ。
じゃがいものには毒がある?身近な食材で保存性アップ!
じゃがいもは、光に当たると発芽したり皮が緑色に変色したりして、「ソラニン」や「チャコニン」という毒素を生成してしまいます。ソラニンやチャコニンは、多く摂取するとめまいや吐き気、嘔吐、腹痛や下痢などを引き起こす食中毒につながることがあるため、不安がある場合は厚めに皮をむいて芽の部分をえぐりとるなど、しっかりと取り除いて使うようにしましょう。
保存性をアップするためにおすすめなのがりんご。皮つきのまるごとりんごを一緒に入れておくと、りんごから発生するエチレンガスが発芽を抑える働きをします。
じゃがいもは水にさらす?さらさない?
じゃがいもに含まれている栄養成分には水溶性のものも多いため、栄養の観点からみると水にさらすのは最小限にしたいもの。
粘りがなく煮崩れしやすい「男爵」は、でんぷん質が残るように皮つきのまま水から丸ごとゆでたり蒸したりするのがおすすめです。マッシュポテトやコロッケがほくほくに仕上がります。
ビシソワーズなどのポタージュに使用するときには、とろみをつけたいので水さらしはしないようにしましょう。
一方、煮物に使うときには、変色防止とあく止めのために水にさらすことが多いです。
冷凍保存はできる?
ゆでてそのまま冷凍するとスカスカとしたスポンジ状の食感になってしまいますが、つぶしてマッシュポテトにすれば冷凍できます。保存袋に入れて空気を抜いて保存しましょう。
じゃがいもはいろんな料理に使えて保存性も高いからこそ、ただしく扱いたいもの。
じゃがいもはビタミンCをはじめとして栄養価も高く、主食にもなるすぐれもの。糖質の代謝に必要なビタミンB1やカリウムが摂れるのもうれしいですね。
参照:
「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
「野菜まるごと大図鑑(主婦の友社)」
「からだのための食材大全(NHK出版)」
「野菜まるごと事典(成美堂出版)」
「からだにやさしい旬の食材 野菜の本(講談社)」
ライター/大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト・腸内ケアフードアドバイザー。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。
Instagram:@tsukiko_shoku_mind
AUTHOR
NS Labo(栄養サポート研究所)
全国の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やダイエット、美容関連の 商品開発や監修、講演やコラム執筆、メディア出演などウェルネス分野を中心に幅広く事 業を行っている。 また、2020年に「ウェルネスライフコーチ協会」を立ち上げコミュニティを通して健康貢 献活動を行っている。
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