【キャベツの芯…捨てないで!】葉より栄養価が多い?芯の意外な魅力と美味しい食べ方を栄養士が解説
スープや炒め物、サラダなど色々な料理に合って使い勝手のよいキャベツ。値段も安価で手に入りやすく、常備している野菜の一つではないでしょうか。そんなキャベツですが、芯まで使っていますか?実は、芯には葉より栄養が多く含まれています。かたくて食べにくそうな芯ですが工夫すればおいしく料理できます。キャベツの芯の意外な栄養と使い方について管理栄養士が解説します。
キャベツの栄養とは
キャベツはビタミンCが多いことが知られており、その抗酸化作用により美肌づくりや動脈硬化などの病気の予防に役立ちます。他にはカリウム、カルシウム、ビタミンU、食物繊維なども豊富で、高血圧予防や骨づくり、胃の粘膜を保護、腸内環境を整えるなどの働きが期待されています。また食品から摂らないといけない必須アミノ酸も多く含まれています。甘味やうま味が多く食べやすい野菜です。
芯は葉に比べて栄養が多い
キャベツのビタミンCは葉に比べて芯の方が1.2~1.5倍ほど多く含まれていることがわかっています。さらに、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどミネラルの量も葉に比べ多いと報告されています。このように栄養豊富な芯を捨てずに利用する価値は大きいです。
キャベツのかたくて青い外葉も捨ててしまうことがあると思いますが、外葉にも芯と同じように栄養が多く含まれています。捨てていた芯や外葉をできるだけ利用すれば無駄なく栄養が摂れます。
芯は葉に比べて甘味成分が多い
芯には葉に比べ甘味成分も多いことがわかっています。アミノ酸のアラニンは約3倍、糖質のスクロースは約9倍多く含まれています。加熱することでより甘さが出ておいしさも増えるのでスープなど煮物や炒め物への利用がおすすめです。
芯まで使えば節約に
キャベツの芯は全体の10~15%ほどあります。キャベツ1個は約1kgあるので100~150gほど使える野菜が増えます。人参小1本分、玉ねぎ1/2個分ほどの野菜が増えるということで節約にも。ゴミも減って一石二鳥ですね。
芯の調理のポイント
芯には食物繊維も多くかたいのでスライスやそぎ切りにしてから調理すると食べやすくなります。生のままだと青臭さが強いため、油で炒めたり、スープにして煮込むなど加熱しての利用がおすすめです。甘さも引き立っておいしく食べやすくなります。
食べやすい大きさに切ってスープや煮物へ加えたり、千切りにして金平や野菜炒めに加えたりと幅広く使えます。甘さがあるのでみじん切りにしてぎょうざの具に利用したり、ハンバーグへ玉ねぎの代わりに混ぜ込んでも合いますよ。
まとめ
今までキャベツを芯まで使う機会は少なかったのではないでしょうか。芯まで料理に使えば効率よく栄養が摂れて、ゴミも減り、節約にもなる、とメリットはたくさんあります。ぜひこれからはキャベツの芯も食材として使ってみましょう。
【参考文献】
・文部科学省:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
・独立行政法人 農畜産業振興機構:キャベツの栄養
・農業・食品産業技術総合研究機構:キャベツの芯を生まれ変わらせ新素材に!
・工藤美奈子ほか, 「未利用資源『キャベツの芯の成分』とそのギョウザのたねへの応用」, 日本家政学会誌, 2021年, 72巻 10号 p664-672
・北村八洋ほか, 「コメ、キャベツ、タマネギおよびニンジンにおける部位別のミネラル含量」, 日本土壌肥料学雑誌, 2015年, 86巻2号 p114-119
ライター/木町ゆうこ
管理栄養士として病院や自治体で様々な病気や年代の方の栄養管理を経験。現在はフリーランスで栄養相談やコラム執筆などの活動をしている。
AUTHOR
NS Labo(栄養サポート研究所)
全国の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やダイエット、美容関連の 商品開発や監修、講演やコラム執筆、メディア出演などウェルネス分野を中心に幅広く事 業を行っている。 また、2020年に「ウェルネスライフコーチ協会」を立ち上げコミュニティを通して健康貢 献活動を行っている。
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