「人望が厚い人」の共通点とは?臨床心理士が教える【人望が厚い人になるコツ】

 「人望が厚い人」の共通点とは?臨床心理士が教える【人望が厚い人になるコツ】
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佐藤セイ
佐藤セイ
2024-03-08

「人望が厚い人をイメージしてください」と言われたら、どんな人が浮かびますか?「優しい」「頼りになる」「知的」など、色々な「人望が厚い人」のパターンが浮かんでくるかもしれません。「人望」には多くの要素が含まれており、結局「人望が厚い人」とはどういう人なのかわかりづらいのです。そこで今回は「人望とは何か」を整理しつつ、人望が厚い人が持つ共通点を解説します。

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「人望が厚い」とは?

「人望が厚い」とは、周囲の人たちから尊敬や信頼を集め、高い評価を得ている状態を指します。

そして、人々から尊敬・信頼・評価を集めるためには、

「人柄」で惹き付ける

「能力」で尊敬される

という2つの方法があります。

人望が厚い人の共通点【人柄】

まずは、人望が厚い人に共通する3つの「人柄」を見ていきましょう。

誠実である

いつでも、誰でも、どんなモノ・コトも、尊重して向き合うのが「誠実さ」です。

・休日に家族と出かける約束をしたが、疲れていたので約束を破った。

・仕事でミスをしたが黙って、別の人に責任を押し付けた。

・低価格の商品しか購入しない客に雑な接客をした。

など、自分の都合で傷つけたり、態度を変えたりする場合、誠実とは言えません。

人望の厚い人はどんな場面でも、誠実であろうと努めています。

責任感がある

「責任感」とは、与えられた仕事を最後までやり遂げることを指します。

人望が厚い人の場合は、自分の仕事に対する責任感だけでなく、部下や後輩など自分以外の仕事に関しても「最終的な責任はとる」という覚悟を持っています。また、部下や後輩が仕事をやり遂げるために必要なサポートや見守りも行います。

いつでもポジティブ

常にポジティブで居られるのも、人望の厚い人の特徴です。もちろん、能天気なだけではありません。

私たちはピンチに見舞われると、「もうダメだ」とネガティブな気持ちに飲み込まれ、身動きできなくなる傾向があります。しかし、人望が厚い人は「自分ならやれる」「なんとかなる」と希望を失わず、今できることを考え、実行していきます。

そんな障害を物ともせず前に進んでいく姿を見て、多くの人が「ついていきたい」と思うのです。

人望が厚い人の共通点【能力】

次に人望が厚い人の「能力」に関する共通点を見ていきましょう。

仕事ができる

「仕事ができる」というのは、単に任された仕事を任された通りに完了するのではなく、「求められる以上の成果」を挙げられることを指します。

例えば、

・求められる以上のクオリティ

・予定よりも速く仕事が完了する

・他者の仕事も率先して手伝う

など、自分の仕事に何か「+α」があると、評価や人望につながります。

仕事の割り振りがうまい

多くの人をまとめる役割についたときに、誰に何の仕事を割り振るか決めるのがうまいことも、人望が厚い人の特徴です。

例えば、1人1人の得意不得意を把握し、もっとも成果を発揮できるように任せる仕事を考えます。また、みんなのモチベーションを高めるための目標設定や声かけを行ったり、ときには自ら率先して行動したりと、チーム全体に目を配りながら、うまく機能するように働きかけます。

指示が具体的

人望が厚い人の共通点としては、指示が具体的でわかりやすいことも挙げられます。また、質問に対しても、丁寧に回答するため、困惑や不安を与えません。

もちろん、本人の成長のために必要だと思えば回答しなかったり、曖昧な言葉で指示したりすることもありますが、そのような指示をする目的などは伝えるため、不満感や不信感を抱かせることが少なく、人望の厚さにつながります。

人望が厚い人になるために必要な「余裕」

私たちは余裕がなくなるほど、他者を尊重する気持ちを失い、責任から逃げ出したくなり、ピンチに右往左往してしまうなど、人望からはほど遠い状態に陥ってしまいがちです。

また、能力面でも、余裕を失えば仕事が雑になったり、何も考えずに仕事を割り振ったり、曖昧な指示で理解するよう強いたりするかもしれません。

逆に言えば、人望が厚い人になるためには、余裕が必要なのです。特に、次の2つの余裕を大切にしましょう。

心の余裕

心の余裕は「何もしない時間」や「やりたいことをする時間」が生み出します。「やりたくないこと」「やらなくてもいいこと」をできるだけ減らしましょう。

また、「やりたくないけれどやらなければいけないこと」は、手をつけずにいると、「やらなきゃいけないのに…」というストレスを心に与え続けて余裕を削ってしまいます。

まずは5〜10分くらいでできる要素に分解して少しずつ進めてみましょう。やり始めると意外とサクサク終わることも少なくありません。

身体の余裕

睡眠不足・疲労・病気・ケガなどの身体的な不調も、余裕を失わせます。例えば、歯やお腹が痛むときに、他者の話を冷静に聴いたり、仕事をどう割り振るかじっくり考えたりすることは難しいでしょう。

不調がある場合は、治療や休息でケアしておきましょう。

その他の余裕

心や身体以外にも

・お金

・仕事量

・人間関係

などの余裕があると、人望を得やすい状態につながります。

自分の心にどんな負荷がかかっているか、どうすれば余裕を取り戻せるか、ぜひ考えてみてください。

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佐藤セイ

佐藤セイ

公認心理師・臨床心理士。小学生の頃は「学校の先生」と「小説家」になりたかったが、中学校でスクールカウンセラーと出会い、心の世界にも興味を持つ。大学・大学院では心理学を学びながら教員免許も取得。現在はスクールカウンセラーと大学非常勤講師として働きつつ、ライター業にも勤しむ。気がつけば心理の仕事も、教える仕事も、文章を書く仕事もでき、かつての夢がおおよそ叶ったため、新たな挑戦として歯列矯正を始めた。



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