【膝が痛い人に試してほしい】歩く前にちょっと意識するだけ!膝の痛みを緩和する簡単な方法
いつもと同じように動いているのに急に体の一部が痛むとか、違和感をずっと感じているいるけれどそんなものだと無理に納得させて過ごしていることってありますよね。そのような体の「負」は、「私の体はこういうものだ」という思い込みが過剰な力みとなり、習慣として身についた結果かもしれません。効率的な体の使い方で身体機能を取り戻すことを探究しているアレクサンダーテクニークの実践者が、思い込みと過剰な力みについて解剖学的な視点を交えて考察し、思考から体の使い方を変える方法を提案します。26回目のテーマは「歩くときに膝が痛い」です。
膝痛になるのは「歩くとは脚の仕事」という思い込み
さて歩くについて、「とにかく脚を動かそう」など、脚の仕事というような思考に捕らわれていないでしょうか?
脚を動かさなければ進めないのは確かですが、脚に執着して上半身が忘れられたせいで、膝に負担がかかることがあります。
上半身を過剰に力ませて固め、脚だけで歩いてしまう
脚という体の下の方に位置する部分にばかり意識が集中していると、頭で脊椎を押し下げ、まず首を詰まらせます。首が詰まるとそのバランスをとるために、次に肩甲骨を寄せて背中を固めます。背中が硬くなっていれば、脇も締まって、腕の動きまで制限してしまうものです。
このように上半身は頭の押し下げから始まる過剰な力みで動きにくくなるのに対し、脚はそれをカバーして動かさなければなりません。脚の関節の中で大きく可動域が広いのは股関節ですが、股関節は脊椎の一部である骨盤の関節であり、上半身が力んだ場合、同じように力む傾向にあります。そして最終的に、膝で受け止めることになってしまうわけです。
上半身を歩きに参加させる方法
では上半身に意識を戻して、歩くことに参加させるにはどうしたらいいのでしょうか?
無闇に前屈などをしても効果的とはいえません。そこで次のことを歩く前に実践してみてください。
1. 頭と脊椎をイメージする
私たちの体の構造において、脊椎はゆるいカーブを描き、頭はその脊椎の先で自由に動いてバランスをとるようにできています。その様子をイメージしてみましょう。イメージによって頭で脊椎を押し下げるのをやめることができます。
2.「肘が腕をリードする」と思いながらエア雲梯
次に腕を上げて、「肘がリードして腕全体を動かしている」と思いながら、公園の遊具の雲梯にぶら下がって渡るようなつもりで、腕を前へ後ろへと左右交互にに動かします。肘が腕全体をリードするという思考によって、腕や背中の過剰な力みが緩和します。またこの運動は腕や背中を自由にするだけではなく、脊椎の捻じりの運動にもなります。脊椎が捻じれるという可能性が股関節を動かし、脚の運びをサポートしてくれるでしょう。
歩く前の準備として試してみてください。また歩いている途中で膝に痛みを感じたら、雲梯をしている自分を頭に思い描いてみるといいと思います。
別の記事でも歩くや走るという動作と膝痛をテーマとして取り上げていますので、あわせて参考にしてみてください。
【歩行時の膝の痛みに悩む人へ】意識するだけでOK「膝の負担を軽くする歩き方」
【知るだけで変わる】ランニングで膝が痛い「ランナー膝」にならない走り方のための思考術
AUTHOR
ホタカミア
ライター、グラフィックデザイナーとして会社と自宅の往復に追われる中、ヨガと出会う。また、30代後半から膠原病であるシェーングレン症候群と咳喘息に悩まされ、病と共に生きる術を模索するようになる。現在は、効率的な身体の使い方を探求するアレクサンダーテクニークを学びながら、その考えに基づいたヨガや生き方についての情報を発信中。解剖学にはまり、解剖学学習帳「解動学ノート」の企画・制作も行う。
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