管理栄養士がすすめたい〈栄養豊富な冬野菜TOP3〉含まれている栄養素のはたらきもご紹介

 管理栄養士がすすめたい〈栄養豊富な冬野菜TOP3〉含まれている栄養素のはたらきもご紹介
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旬の野菜はお得なことがたくさんあるのはご存知でしょうか。旬の時期になると市場に多く出回るため、安価になりやすい特徴があります。さらに他の時期に比べると、味がおいしく栄養が豊富に含まれています。 そこで、今回の記事では冬に旬の野菜のなかでも、特に栄養豊富な野菜TOP3をご紹介します。また、それぞれの野菜に豊富に含まれている栄養素のはたらきについても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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冬が旬の野菜にはどんなものがある?

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野菜にはさまざまな種類があり、冬が旬である野菜は根菜類や葉物野菜が多い傾向にあります。冬野菜は、かぶ、れんこん、大根、長ネギ、春菊、白菜、ほうれん草、水菜、小松菜などが挙げられます[1]。では、冬野菜のなかでもどの野菜が栄養豊富なのでしょうか。

栄養豊富な冬野菜TOP3

冬野菜のなかでも、特に栄養豊富とされる野菜をランキングでご紹介します。なお、ここでご紹介する栄養豊富な野菜は、食品表示基準にのっとり100g当たりの含有量が豊富である栄養素の種類が多いもの、かつスーパーで手に入れやすく一般的によく食べられているものです[2]。また、ランクインした野菜について、それぞれの選んだ理由や特徴、含まれる栄養素について解説します。

3位 小松菜

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小松菜は冬野菜のなかでも豊富に含まれている栄養素の種類が5つと多いことから、3位に選びました。小松菜に豊富に含まれている栄養素は鉄、ビタミンA、ビタミンK、葉酸、ビタミンCです[2,3]。それぞれの栄養素のはたらきについて紹介します。

・鉄

鉄はミネラルの一種で、赤血球に含まれるヘモグロビンの構成成分となります。不足すると貧血を引き起こすため、月経により鉄不足となりやすい女性が摂りたい栄養素です[4]。

・ビタミンA

ビタミンAは水に溶けにくく、脂に溶けやすい性質を持つ「脂溶性ビタミン」の一種です。皮膚や粘膜の健康に役立つ栄養素で、不足すると皮膚の乾燥につながるといわれています。そのため、乾燥しやすい冬に摂取したい栄養素です[4]。

・ビタミンK

ビタミンKも脂溶性ビタミンの一種です。カルシウムの代謝に関わるため、骨の健康を維持するのに必要な栄養素です。また血液の凝固にも関わります[4]。

・葉酸

葉酸は、水に溶けやすく脂に溶けにくい性質を持つ「水溶性ビタミン」の一種です。細胞の増殖に関わり、胎児の生育にも役立つとされます。そのため、妊娠を予定している女性や妊娠初期の女性は積極的に摂りたい栄養素です[4]。

・ビタミンC

ビタミンCも水溶性ビタミンの一種です。老化や免疫機能の低下の原因となる「活性酸素」のはたらきを抑える抗酸化作用を持つビタミンで、皮膚や粘膜の健康を維持するのに役立ちます。また、皮膚のもととなるコラーゲンを作ったり鉄の吸収率を高めたりするはたらきもあります[4]。

ここまでは豊富に含まれている栄養素を1つずつ解説しましたが、この後は上記の栄養素と被らない栄養素のみ解説していきます。

2位 水菜

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水菜は小松菜と同じく豊富に含まれている栄養素が5つあります。水菜に豊富に含まれている栄養素は、カルシウム、鉄、ビタミンK、葉酸、ビタミンCです。多くの野菜にはビタミンが豊富に含まれていますが、特に女性が積極的に摂りたい鉄やカルシウム、カリウムを多く含んでいることから、2位に選びました。カルシウムは骨や歯を作るのに欠かせないミネラルです。不足すると骨が脆くなり骨折しやすくなる「骨粗鬆症」のリスクが高くなるため、積極的に摂りたい栄養素です[2,4-6]。

1位 ほうれん草

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ほうれん草は冬野菜のなかでも豊富に含まれている栄養素が6つあることから、1位に選びました。ほうれん草に豊富に含まれている栄養素は、鉄、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、ビタミンCです。ほうれん草は年中通して収穫されていますが、特に旬の時期の冬に収穫されるほうれん草はビタミンCの含有量が多いとされています。ビタミンEは脂溶性ビタミンの一種です。また、ビタミンCと同じく抗酸化作用を持つビタミンの一種で、体内の脂質の酸化を防ぐはたらきがあります[2,4,7,8]。

旬の野菜を取り入れ、効率良く栄養素を摂取しよう

ほとんどの野菜は年中手に入れられますが、旬の野菜はそうではない野菜と比べて栄養素が多く含まれています。そのため、その時期の旬の野菜を食べることは、栄養素を効率良く摂取するのに役立つといえます。しかし、今回ご紹介した野菜はヒトの体に必要な栄養素を全て含んでいるわけではありません。また、野菜によって含まれる栄養素は異なるため、さまざまな野菜を取り入れることが重要なのです。

今回の記事を参考に、栄養豊富な冬野菜を食生活に取り入れてみてくださいね。

【参考文献】(すべて2024年1月9日閲覧)

[1]厚生労働省, e-ヘルスネット|旬を取り入れた食生活(秋・冬)

[2] 消費者庁, 栄養成分表示及び栄養強調表示とは, P6-7

[3] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年, 野菜類/こまつな/葉/生

[4] 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2020年版)

[5] 厚生労働省, 令和元年国民健康・栄養調査報告|第1部 栄養素等摂取状況調査の結果, P72-73

[6] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年, 野菜類/みずな/葉/生

[7] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年, 野菜類/ほうれんそう/葉/通年平均/生

[8] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年, 野菜類/ほうれんそう/葉/冬採り/生

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一ノ木菜摘

一ノ木菜摘

管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。



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