市販薬の買い方・使い方、やりがちなNG行為とは?薬剤師が教える、薬を買うとき&使うときの心得

 市販薬の買い方・使い方、やりがちなNG行為とは?薬剤師が教える、薬を買うとき&使うときの心得
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自分のイメージや間違った認識で、薬を使用していませんか? 市販薬が病院で処方される薬と違う点は、自己責任で用いること。だからこそ、薬の専門家である薬剤師に自分の状況をしっかり伝え、使い方をきちんと聞いておくことが大切です。この記事では、薬の正しい選び方・使い方を解説します。

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薬を買うときの心得とは?

市販薬を購入するとき、「わざわざ説明を聞かなくても……」「いちいち添付文書(説明書)を読まなくても……」と思っても、そこには重大な勘違いがあるかもしれません。

例えば、風邪薬を選ぶ場合、症状、過去の病歴、アレルギーの有無、また妊娠中や授乳中、日常的に車を運転する、などの生活状況によって、適切な薬は異なります。自己判断で安易に選ぶと効き目が強すぎたり、必要のない成分を知らずに服用し、副作用を招く恐れもあります。

薬剤師と積極的にコミュニケーションを取り、薬のことをよく理解しておくことは、薬を安全に使用し、自分の体を守ることにもつながります。

薬

①薬剤師に伝えること

・ 薬を使用する人の現在の症状(いつから、どんな症状か)

・ 年齢と性別

・ 病歴

・ 生活状況(妊娠、授乳中、病院に通院中、車を運転する機会が多いなど)

・ アレルギーの有無、副作用の経験

・ ほかに服用している薬やサプリメントの有無

②薬剤師から聞いておくこと

・ 正しいのみ方、扱い方

・ 薬の名前、含まれる成分

・ 効能・効果

・ 起こりやすい副作用の症状

・ 服用期間の目安

・ 開封後の保管方法、使用期限

③用法・容量を守る

内服薬は服用後、腸で吸収され、血液の循環によって体内を巡り、具合の悪い部位で効果を発揮するように設計されています。用法・用量が定められているのは、薬が有効に作用する血中濃度を一定に保つためです。

多めにのむと薬の血中濃度が上がり過ぎて危険ですし、副作用を気にして少なめにのんでも本来の効果は得られません。とくに子供の場合、体格がよくても、薬を代謝する機能が未発達であるため、年齢別の用量を必ず守ってください。

また、正しい薬の飲み方、使い方のポイントは、添付文書を熟読し、用法・用量を守ることに尽きるともいえます。その理由は次の3つです。

・ 薬の効果を効率良く得るため

・ 副作用を少なくするため

・ 薬の効果を持続するため 

ましてや、薬の正しい使い方を守らずに、「発熱がある」「風邪をひいた」などの症状があるにも関わらず、仕事を休めないからといった理由で、「薬を2倍の量をのんだら早く治るかも……」などと自分勝手に服用量を増やすようなことは、絶対にしてはいけません。

また、薬の服用時間は、「食後」(食事後30分以内)に服用する、「食前」(食事の30分前)に服用する、「食間」(食事後2時間)に服用するなど、薬の種類によって服用のタイミングが異なります。薬が有効に働くには、食事の時間が影響するので服用時間を必ず守りましょう。

※なお、「食間」というのは、食事と食事の間の時間帯のことで、食事中にのむという意味ではないので注意してください。

薬
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薬の正しい使い方

 「薬の使用期限を勘違いしない」……使用期限はあくまで“未開封”の場合。

一般的に、薬は未開封で3年程度保管できるように製造されています。ただし、表示されている使用期限はあくまでも“未開封”の場合です。瓶や缶などに入った薬の場合、薬の劣化を防ぐために、開封後半年を目安に使い切るようにしてください。

また、目薬に関しては、点眼時に容器の先がまつげやまぶたなどに触れ、中身が汚染している可能性があるため、開封後1カ月以内に使い切ってください。

一度開封した薬は、使用期限内であっても、使い切る目安を過ぎている場合は使用できません。なお、保管する際は、高温多湿を避け、直射日光が当たらない場所で保管してください。

※ちなみに、目薬の容量は約15mlで、添付文書には1回1滴(両目で2滴)を1日5~6回差すこと、などと記載されています。目薬1滴は0.05mlなので、両目で0.1mlを1日5回差すとすると、1日あたり0.5ml、1カ月使うとちょうど15mlになります。

「市販薬の服用日数」……のみ始めて3日ほどを目安に。

市販薬は、病気の初期症状を感じたときに服用するのが原則で、つらい症状を一時的に抑えることを目的として使用します。

服用日数は、3日以上服用しても症状がよくならない場合、違う病気の可能性もあるため、服用を中止し、薬剤師に相談もしくは医療機関を受診してください。

また、市販薬は処方薬とは異なり、症状が軽減したら自己判断でのむのをやめても構いません。

「薬をのみ忘れた場合は?」……のみ忘れても、薬はまとめて飲んではいけません。

薬をのみ忘れたからといって、2回分を一緒にのむようなことをすると、体内(血中)の薬の量が多くなり、副作用が起こりやすくなります。

薬をのみ忘れたときは、次の服用まで時間があいていれば、気づいた時点でのめば良いでしょう。ただし、次の時間が迫っている場合は、1回抜かして次からのむようにしてください。

また、薬を服用する間隔は、1日3回の場合、4時間以上時間をあけてのみます。1日2回の薬では6時間、1日1回の薬は、8時間以上あけてのみましょう。

まとめ

薬は使用期限、服用量、服用期間などを守って正しく使うことで安全かつ確実な効果が得られます。薬剤師などとコミュニケーションを取り、薬の正しい使い方や注意事項などを確認して購入することが大事です。また、薬をのみ始めて何らかの不調が起こったら、決して放置せず、薬剤師もしくは医師に相談してください。

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AUTHOR

小笠原まさひろ 薬剤師

小笠原まさひろ

東京薬科大学大学院 博士課程修了(薬剤師・薬学博士) 理化学研究所、城西大学薬学部、大手製薬会社、朝日カルチャーセンターなどで勤務した後、医療分野専門の「医療ライター」として活動。ライター歴9年。病気や疾患の解説、予防・治療法、健康の維持増進、医薬品(医療用・OTC、栄養、漢方(中医学)、薬機法関連、先端医療など幅広く記事を執筆。専門的な内容でも一般の人に分かりやすく、役に立つ医療情報を生活者目線で提供することをモットーにしており、“いつもあなたの健康のそばにいる” そんな薬剤師でありたいと考えている。



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