管理栄養士が【炭水化物とたんぱく質】の朝食メニューを勧めたい理由とは?

 管理栄養士が【炭水化物とたんぱく質】の朝食メニューを勧めたい理由とは?
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藤倉詩織
藤倉詩織
2023-10-22

1日を元気に過ごすために大切な朝食。そんな朝食でとくに摂りたい栄養素が、炭水化物とたんぱく質です。炭水化物とたんぱく質は、体内時計をリセットするのに役立つ栄養素として知られています。そこで今回は、朝食で炭水化物とたんぱく質を摂りたい理由について、管理栄養士がくわしく解説します。

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リセットが肝心な体内時計

私たちの体には体内時計とよばれる仕組みが備わっています。体内時計とは、睡眠のタイミングや体温、血圧、ホルモンの分泌量などを調整する機能のことです。体内時計は、一般的に24.5時間の周期ではたらいています。

24.5時間という体内時計の周期は、1日24時間の地球のリズムよりもやや長いため、1日に1回リセットすることが大切です。体内時計をリセットできずにいると、少しずつ後ろにズレてしまい、生活習慣の乱れや、体調不良の原因につながるおそれがあるためです。

体内時計をリセットするのに効果的なのが、「光を浴びること」と「朝食を摂ること」です。光と朝食が刺激となり、体内時計のズレを調整してくれます。今回は、とくに「朝食」に注目し、体内時計をリセットするのに役立つ栄養素を紹介します。

朝食で炭水化物とたんぱく質を摂ろう!

気持ちよく1日のスタートを切るには、体と脳のエネルギーとなる朝食を抜かないことが大切です。さらに体内時計のズレをなおすために、食事内容も意識してみましょう。

体内時計をリセットするのにおすすめなのは、「炭水化物」と「たんぱく質」を組み合わせた朝食メニューです。

・炭水化物(主食)…ごはん、パン、麺、いもなど

・たんぱく質(主菜)…魚、肉、卵、大豆製品、乳製品など

忙しかったり、食欲がわかなかったりして、パパッと済ませてしまいがちな朝食。しかし、ごはんやパンなどの炭水化物(主食)だけで済ますよりも、魚や肉、卵などのたんぱく質(主菜)を一緒に摂るほうが、体内時計を動かす効果が高いといわれています。

体内時計を効率的に整えるためにも、朝食には「炭水化物」と「たんぱく質」を意識して取り入れてみましょう。

体内時計を整える!おすすめ朝食メニュー

朝食で摂りたい栄養素
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体内時計のリセットに効果的な朝食にするには、ごはんやパンなどの「主食」と、焼き魚やソーセージ、ハム、卵焼きなどの「主菜」の2つを中心にするのがポイントです。忙しい日には、納豆ごはんや卵かけごはん、トーストと牛乳、ヨーグルトや牛乳をかけたシリアルなど、簡単に用意できるメニューもよいですね。

コンビニやスーパーなどで購入する場合は、ツナマヨおにぎりやたまごサンドなどを選ぶと、手軽に2つの栄養素を摂ることができます。

さらに体内時計を整えることを意識するのであれば、主菜に魚を取り入れてみてください。魚に含まれる油(EPA・DHA)も、炭水化物と一緒に摂ると、体内時計のズレを戻してくれるといわれています。

たとえば、ごはんに焼き魚や魚のホイル焼きを添えたり、パンとツナを合わせてサンドイッチやトーストにしたりするのもおすすめです。

炭水化物とたんぱく質を補える朝食で体内時計をしっかりとリセットし、1日を気持ちよくスタートさせましょう!

 

【参考文献】

・古谷彰子,2017年「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」ディスカヴァー携書

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AUTHOR

藤倉詩織

藤倉詩織

管理栄養士。【予防医療】にかかわりたいという思いから、大学卒業後は健診センターに就職。メタボリックシンドロームや生活習慣病の方への栄養指導・特定保健指導を経験し、現在はフリーランスの管理栄養士・ライターとして活動中。



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