待った!そのダイエット逆効果かも?専門家が教える「糖質制限」のウソ・ホント
糖質制限をすれば痩せられるはウソ?ホント?ダイエットにまつわる、よくある誤解を専門家が解説します。
糖質制限ダイエットで痩せられる
→ウソ
ホントは…糖質制限の方法を間違えて解釈すると、痩せるどころか太る!体内のエネルギーが不足し、筋肉を分解。見た目はスリムだが隠れ肥満になる。外見が太っていなくても、脂肪体重が重ければ肥満に。
炭水化物=太る
→ウソ
ホントは…ごはんには糖質だけでなく、食物繊維も豊富に含まれている。そのため、ごはんなどの穀類を減らして炭水化物の量を制限すると、食物繊維の摂取量が大幅に減少。日頃から食物繊維が足りていない日本人はダイエットや健康への悪影響が起こってしまう。穀類を減らして炭水化物の総量を減らすと、食物繊維量が減り、タンパク質・脂質過多になり体脂肪が蓄積、生活習慣病の原因にもなる。
野菜を食べても食物繊維はほとんど摂れない!
実は野菜の食物繊維は意外と少ない。比較対象となるレタスは、100g中わずか 1.1g、一方で押し麦は 9.5g、もち麦は 12.5gと10倍近く差がある。食物繊維=野菜と思いがちだが、穀類の方が食物繊維は多い。ごはんを減らして代わりに野菜を摂っても、食物繊維の推奨値には及ばない。
ごはんを減らすと、肌がキレイになる
→ウソ
ホントは…食物繊維の摂取量が大幅に減ると悪玉菌が出す毒素が増え、腸内環境が悪化する。悪玉菌の毒素は全身に回り、肌に影響し吹き出物や肌荒れの原因になる。
ごはんの代わりに肉を食べると痩せる
→ウソ
糖質制限だからとごはんを控えて、お肉をたくさん食べると脂質やタンパク質の過剰摂取により、結局カロリーオーバーとなり、太る。また、悪玉菌が増え腸内環境が悪化して、便秘や下痢など体に悪影響を及ぼす。
冷やごはんはダイエットに良い
→ホント
実は…ご飯は冷えることで「レジスタントスターチ」という物質が生まれる。この物質は消化されずに大腸まで届いて、腸内をキレイにする働きがある。脂肪の蓄積予防に繋がったり、便秘解消などでダイエットに効果的。温度感は、手で触れて熱を感じないくらいの温度以下なら OK。このレジスタントスターチは、時間をかけて冷めていく間に増えるので、冷凍より冷蔵保存が良い。電子レンジで温め直すとレジスタントスターチ量は少し減るが、炊きたてご飯よりは多く含まれている。冷やご飯に温かい汁物をかけた場合、レジスタントスターチ量はほとんど変わらないので、お茶漬けや雑炊にして食べるのもオススメ!
冷やごはんじゃなくても、ごはんにもち麦や大麦をプラスでも OK!
もち麦や大麦は、ただの食物繊維ではなく「発酵性食物繊維」。発酵性食物繊維は、善玉菌のエサとなって発酵し、増殖をサポートしてくれる。さらに善玉菌に短鎖脂肪酸を作らせることで、腸内を悪玉菌が増えにくい弱酸性に保ってくれる。
正しい糖質制限は、甘いものを避けて穀物を積極的に
糖質は糖の数が少ないほど血糖値の上昇が早く、多いほどゆるやか。砂糖の主成分である、ショ糖は消化吸収が早く、血糖値の上昇が急激。血糖値の急激な上昇が中性脂肪の蓄積に。一方、ごはんなど穀類に含まれるでんぷんは多糖類、さらに穀類は食物繊維を含むため消化吸収がゆるやか。糖質制限は、糖質ではなく糖類を制限すること、穀類は積極的に摂りましょう。
教えてくれたのは…
岸村康代(きしむらやすよ)先生
管理栄養士 / 野菜ソムリエ上級プロ。一般社団法人大人のダイエット研究所 代表理事。大妻女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業後、商品開発や病院での指導を経て独立。
青江誠一郎(あおえせいいちろう)先生
大妻女子大学家政学部食物学科食物学専攻教授農学博士(千葉大学)。日本食物繊維学会理事長。2010年、大麦の食物繊維とメタボリックシンドローム予防に関する研究で同学会賞を受賞。食物繊維のスペシャリストとして、わかりやすい解説が好評、多くのマスコミ等で活躍。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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