出世しやすい人に共通する6つの特徴とは|臨床心理士が解説

 出世しやすい人に共通する6つの特徴とは|臨床心理士が解説
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佐藤セイ
佐藤セイ
2023-06-13

「出世を目指す」と聞くと、他者を押しのけたり陥れたりしてのし上がっていくイメージがあるかもしれません。しかし、本当に出世しやすい人は自分を成長させつつ、他者を大切にできるという特徴があります。今回は出世しやすい人に共通する6つの特徴について解説します。

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出世しやすい人の6つの特徴

出世

出世しやすい人には、

・自分の能力を理解している

・自分を管理できる

・常に成長・変化できる

・仕事に対する熱意がある

・ポジティブに物事を捉える

・自分も他者も大事にできる

という6つの特徴があります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

自分の能力を理解している

上司が普段のあなたの姿をしっかり見て、適正に評価してくれるのが理想ではありますが、実際はなかなかそうはいかないもの。出世を目指すなら、自分から能力をアピールしなければならないこともあります。

しかし、アピールするためには「そもそも自分がどんな能力を持っているか」を知っておくことが不可欠。

・自然と上達したこと

・どれだけ大変でも楽しめること

・時間があっという間に過ぎること

・周りの人から褒められること

・周りの人から感謝されること

これらに当てはまるコトやモノがないか考えてみましょう。

自分を管理できる

自分で自分をうまく管理する力を養うのも、出世への近道。

仕事における自己管理といえば、体調や時間などがイメージされやすいですが、実は自分の心を整えるのも大切なこと。

厚生労働省の調査によれば、2020年11月1日から2021年10月31日の1年間で、強い不安やストレスを感じている労働者は53.3%と、半数以上にのぼりました。

また、メンタルヘルスの不調により、仕事を1ヶ月以上休職した人は0.5%、退職した人は0.2%となっています。1000人いれば2〜5人は仕事を続けることが難しくなっているのです。(*1)

出世のためには長く働き続けていく必要があります。自分の心の健康にも意識を向けていきましょう。

常に成長・変化できる

出世は喜ばしいことのように思えますが、これまで慣れ親しんできた仕事から離れ、新たな仕事に関する知識や技術を次々に身につけなければいけないストレスフルなイベントでもあります。

新しいことをどんどん吸収できる人でないと、出世しても苦しい思いをすることになりかねません。何事も楽しみながら学び、変化できる人は出世しやすいと言えます。

仕事に対する熱意がある

仕事に対する熱意を持っていることも、出世しやすい人の特徴です。

2022年に発表された論文では、年収が695万円を上回る人たちは、年収330万円の人たちに比べて、高い信念や熱意を持つことがわかっています。(*2)

困難なことに出会っても、情熱をもって諦めることなく進んでいけるため、出世への道が拓けるのです。

ポジティブに物事を捉える

出世しやすい人は、ポジティブに物事を捉える傾向があります。

そのため、上司から叱責されても「次に活かそう」と前向きに考えられますし、難しい仕事でも「自分ならできる」と諦めずに取り組めます。

また、常にポジティブな側面を見つける視点は、職場の上司や同僚の良い面を見つけて関係性を深めたり、任された仕事への面白さを見いだしてモチベーションを高めたりと、働きやすい・働きがいのある環境づくりにも役立ちます。

自分も他者も大事にできる

2020年の研究では、自分の心や身体を大事に思う「自尊感情」の高さと受け取っている賃金の高さに関連があることがわかっています。「出世したいから」「評価されたいから」自己犠牲的に働くのではなく、自分を大切にした働き方が大切です。(*3)

また、年収が高い人ほど、リーダーシップやコミュニケーション能力など、他者との付き合い方にも長けていることが明らかになっています。(*2)

自分も他者も大事に出来る人ほど、出世できる可能性が高まるのです。

まとめ

出世しやすい人は、「今」の自分はもちろん、「未来」や「他者」にまで目を向けた、広い視野を持つことが求められます。

簡単ではありませんが、まずは今の自分を見つめ、不足している部分を今よりちょっぴりでも伸ばすところから始めてみてください。

参考文献

*1 厚生労働省(2022.7.5)令和3年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況

*2 高橋誠・森本哲介(2022.3)性格特性的強みと年収、職務満足度、ワーク・エンゲージメントとの関連―キャリア教育で育成すべき能力とは何か― 人間と環境 16 pp23-35.

*3 安井健悟・佐野晋平・久米功一・鶴光太郎(2020.4)認知能力及び非認知能力が賃金に与える影響について 独立行政法人経済産業所

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佐藤セイ

佐藤セイ

公認心理師・臨床心理士。小学生の頃は「学校の先生」と「小説家」になりたかったが、中学校でスクールカウンセラーと出会い、心の世界にも興味を持つ。大学・大学院では心理学を学びながら教員免許も取得。現在はスクールカウンセラーと大学非常勤講師として働きつつ、ライター業にも勤しむ。気がつけば心理の仕事も、教える仕事も、文章を書く仕事もでき、かつての夢がおおよそ叶ったため、新たな挑戦として歯列矯正を始めた。



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