社長に向いている人に共通する5つの特徴
上司から強く叱責されたり、理不尽な指示に従わなければならなかったり…そんなときに「社長になって自分のペースで働きたいなぁ」と感じる人は珍しくありません。でも、実際に社長になる人はほんの一握り。社長になれる人となれない人の差はいったいどこにあるのでしょうか。今回は社長に向いている人に共通する5つの特徴をご紹介します。
社長に向いている人に共通する5つの特徴
社長に向いている人には、
・責任能力がある
・発信力がある
・成長力がある
・人間的な魅力がある・自己評価が高い
という5つの特徴があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
責任能力のある人
社長は会社のトップですから、会社としての最終的な意思決定を行う必要があります。そのため、社長になる人には「責任能力」が欠かせません。
責任能力とは、単に決定するだけではなく、うまくいってもいかなくても結果を背負う覚悟があること。うまくいっている時には偉そうにしているのに、失敗したら逃げるような人では社長になれません。うまくいかない時に率先して行動できる人こそ、社長に適しているのです。(*1)
発信力のある人
社長になる人の特徴としては、「発信力」があるという点も挙げられます。
多くの人の心を動かすようなゴールを示せることに加え、そのゴールに辿り着くまでの具体的な方策についても説明できます。
社員の「何のためにやっているんだろう?」「これからどうなってしまうんだろう?」という不安や疑問を払拭するために、魅力的かつ論理的に説明する力を持っているのが社長になれる人です。(*2)
成長力のある人
現状に満足せず、常に成長し続ける「成長力」を持っていることも、社長に向いている人の大きな特徴です。
自分の考えに固執せず、視野を広く持ち、時代や環境に合わせて自分を変革していきます。
2020年に発表された研究(*3)によれば、若い社長ほど、売上や収益を伸ばし、企業を成長させる傾向が示されています。これは若い方が変化に抵抗がなく、新しいチャレンジができるからだと考えられます。
もし、年齢を重ねていても、いつまでもエネルギッシュに自分を変えることができれば、社長への適性は十分にあります。
人間的な魅力のある人
「この人についていきたい!」「この人なら信じられる」と思えるような「人間的な魅力」を持っていることも、社長に向いている人の特徴です。
・周囲の人に寄り添い、思いやる「愛情」
・企業や顧客にとっての最善を選べる「倫理観」
・周囲に愛情と倫理観を伝えられる「コミュニケーション能力」
これら3つの要素が人間的魅力を生みだします。(*2)
自己評価が高い人
社長に向いている人には「自己評価が高い」という特徴もあります。
社長になると、経営方針に加え、「どこから資金を調達するか」「新たな事業を行うか」「投資をするか」など、様々な決定をしなければなりません。しかし、自己評価が低いと自分の判断に自信が持てないため、いつまでも煮え切らない態度になってしまいます。その結果、業務を停滞させてしまったり、指示をコロコロ変えて現場を混乱させてしまったりするのです。
経営者としての自己評価が高い社長ほど、企業を成長させるという研究結果もあります。(*3)
まとめ
今回は社長に向いている人の5つの特徴をご紹介しました。
「社長になりたいけれど、1つしか当てはまらなかった」など、がっかりしている人もいるかもしれませんが、今すべてを満たしている必要はありません。「社長になりたい」と強く思うなら、伸ばせそうな能力から1つずつ育んでいきましょう。
参考文献
*1 大沢武志(1995)「現代経営者の課題」―経営者に求められる能力・素質を中心にー 産業・組織心理学研究 9(1) pp13-21.
*2 中村久人(2010)リーダーシップ論の展開とリーダーシップ開発論 経営力創成研究 6 pp57-71.
*3 権赫旭(2020)社長属性と企業パフォーマンス 日本大学経済学部産業経営研究所『産業経営プロジェクト報告書』 43(1) pp31-41.
AUTHOR
佐藤セイ
公認心理師・臨床心理士。小学生の頃は「学校の先生」と「小説家」になりたかったが、中学校でスクールカウンセラーと出会い、心の世界にも興味を持つ。大学・大学院では心理学を学びながら教員免許も取得。現在はスクールカウンセラーと大学非常勤講師として働きつつ、ライター業にも勤しむ。気がつけば心理の仕事も、教える仕事も、文章を書く仕事もでき、かつての夢がおおよそ叶ったため、新たな挑戦として歯列矯正を始めた。
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