【調理時間たった3分の栄養ご飯】サバの味噌煮缶で作る冷や汁風ぶっかけ|管理栄養士のずるいそうめん
夏においしい、冷たいそうめん。とはいえ、そうめんばかり食べていては糖質過多になってしまいます。ここでは「そうめんをおいしく食べたい!」という願いと、「そうめんを食べても太りたくない!」という両方の願いを叶えるべく「ずるいそうめん」について考えてみます。
そうめんを「太りにくく」する3つの食材
夏のそうめんには3つの弱点があります。1つ目が、どうしても糖質過剰になりやすいことです。また過剰な糖質を燃焼させるためにビタミンB1の必要量が増えて不足し、上手にエネルギー代謝が行えません。
2つ目は、糖質単体の食事になりやすいことです。これによって本来、身体が必要とするタンパク質やビタミン、ミネラルが不足します。これも代謝を下げる原因となるでしょう。
3つ目は身体を冷やしすぎることです。そもそも小麦は身体を冷やす性質の食品ですが、さらに冷たい麺は胃腸に冷えを生じます。胃腸が冷えると、消化吸収機能が落ち、さらに必要なものを体内に取り入れづらくなるのです。また暑い時期の冷えは、自律神経バランスを乱れさせ、夏バテを進行させます。夏特有の不眠も自律神経バランスの乱れからくるものです。睡眠不足はホルモンバランスを崩し、過食につながることも。
つまり「太らないそうめん」には、これら3つの弱点を補うことが求められます。
そうめんに不足する「タンパク質、ビタミン、ミネラル」を補うサバ味噌煮缶
タンパク質、脂質、鉄、ビタミンB1・B2が豊富なサバ。身体を作るタンパク質は、筋肉や髪の毛、肌などだけでなく、血液やホルモン、酵素の材料でもあります。そのため、タンパク質が不足している状態で痩せられるはずがないのです。
サバの脂質には、良質なオメガ3系脂肪酸を多く含みます。体内で合成できないため、食品から摂取する必要があるオメガ3系脂肪酸は、柔軟性のある細胞膜を作り、新陳代謝を高めるものです。
血液の材料である鉄は、全身に酸素や栄養を届けます。その酸素や栄養を使って、細胞内ではエネルギーが作り出されているのです。鉄は体内への吸収率が悪いミネラルですが、タンパク質とともに摂取することで吸収されやすくなります。鉄もタンパク質も同時に摂れるサバは、優秀な鉄補給食材といえるでしょう。
ビタミンB群は、食べたものをエネルギーに変えるときに欠かせません。中でもビタミンB1は糖質代謝に深く関わっており、糖質過多傾向にある人は不足しがちです。とくに麺類や甘いもの、アイス、ジュースばかり食べたり飲んだりしている人は、意識したいもの!
このように栄養満点なサバですが、生の魚から調理するとなかなか大変。そんなときにサバ缶は大変便利です。水煮缶や味噌煮缶のほか、最近ではカレー煮もあるそうです!上手に食卓に取り入れていきましょう。
そうめんに不足する「ミネラル」を補うきゅうり
きゅうりは、そのほとんどが水分なので低カロリー。ダイエット料理のかさ増しには最適です。豊富なカリウムは水分を排出し、むくみを取り除く働きがあります。水分代謝をよくし、身体にこもった熱を取り除いてくれるのです。
また、きゅうりの苦味成分ククルビタシンには、強い抗酸化作用や消化促進作用があることもわかっています。きゅうりの軽い苦味は、夏場の酸化ストレスや食欲不振にもおすすめできるものです。
そうめんの「冷やす作用」を和らげる薬味
暑いからといって冷たいものばかり食べていると、自律神経バランスは乱れ、胃腸冷えで消化吸収機能も低下します。これが、夏の代謝低下につながっていくのです。
そうめんといえば薬味が欠かせませんが、薬味はそうめんをおいしくするだけでなく「身体を冷やす」という、そうめんの欠点を解消してくれるものでもあるのです。ショウガ、ミョウガ、青しそ、ネギなどには、血行を良くして身体を温める働きがあります。
そうめんには薬味!
これは大変、理にかなった組み合わせなのです。またゴマには、そうめんに不足する食物繊維も豊富に含まれています。強い抗酸化作用を持つため、夏の疲労回復にも最適です。
ずるい「冷や汁風ぶっかけ」そうめん(作り方)
冷や汁は宮崎県の郷土料理です。焼いたアジをほぐして、ごま、味噌と共にすり鉢ですってだしでといて冷やし、きゅうりや薬味といただきます。本格的に作ると手がかかる料理ですが、サバの味噌煮缶を使えば簡単に作ることができるのです。
材料
そうめん1束、サバの味噌煮1缶、きゅうり1/2本、ショウガ少々、青しそ1枚、ミョウガ1個、すりごま少々、めんつゆ
作り方
そうめんをゆで、流水で冷やして、しっかり水気を切って器に盛り付ける。麺の上に、サバの味噌煮を汁ごとかけてサバを軽くほぐし、小口切りにしたきゅうりと薬味をのせてめんつゆをかける。
とても簡単なのに、すごくおいしく作れるので、料理が苦手な人にもおすすめ。ぜひ、この夏お試しください。
AUTHOR
石松佑梨
サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。
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