オブラートを使うと効果が弱まる薬がある?意外と知らないオブラートの正しい使い方|薬剤師が解説

 オブラートを使うと効果が弱まる薬がある?意外と知らないオブラートの正しい使い方|薬剤師が解説
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飲みにくい粉薬などを服用するときに使用するオブラートやカプセル。粉薬を飲むのが苦手な方にとって、とても便利なものですよね。粉薬を服用するときだけでなく、錠剤がのどに引っかかった感じがして飲み込みづらい場合にも使えます。しかし、オブラートを使っても効果は変わらないのか、オブラートを使ってみたけどなかなかうまく飲めないという相談を受けることも多いです。この記事では、オブラートを使用したときの薬の効果とオブラートの正しい使い方について解説します。

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オブラートは2種類ある

オブラートには、大きく分けて丸型・袋型オブラートとゼリータイプのオブラートがあります。

丸型・袋型オブラートはデンプンから作られた半透明の薄い膜で、水に溶けやすい性質を持っています。

丸型オブラートと袋型オブラートの性質はまったく同じですが、丸型オブラートは自分で薬を包まなくてはならないため、オブラートを初めて使う人や丸型を使ってみたけどうまく包めなかった人は袋型の方が使いやすいでしょう。

ゼリータイプのオブラートは寒天から作られています。果物のフレーバーや甘みが付いている商品もあります。丸型・袋型オブラートに比べると割高ですが、においや味をマスキングしやすいので、お子様や粉薬のにおいや味が苦手な方におすすめです。

オブラート
ゼリータイプのオブラートは寒天から作られている。photo by Adobe Stock

オブラートを使うと効果が弱まる薬もある

ほとんどの薬では、オブラートを使っても効果や吸収に影響はありませんが、苦味健胃剤に分類される胃薬では効果が弱まってしまいます。

苦味健胃剤とは、ゲンチアナやセンブリなどの苦味を感じる成分が含まれている胃薬で、代表的なものは以下のとおりです。

・S・M配合散

・つくしA・M配合散

・FK配合散

・太田胃散

・大正胃腸薬バランサー

苦味健胃剤は、苦み成分が舌の味覚神経を刺激して唾液や胃酸の分泌を促すことで消化を助けます。

苦味健胃剤はその独特な苦味や香りを感じることで効果を発揮する薬であるため、オブラートで苦味をマスキングしてしまうと十分に効果が発揮されません。

オブラートの正しい使い方

飲みにくい粉薬を飲むときに便利なオブラートですが、正しく使わなければ口の中に張り付いてしまったり、うまく飲み込めなかったりします。

ここからはオブラートの正しい使い方について解説します。

丸型・袋型オブラートの使い方

①コップの中に水を入れておく

②薬をオブラートに包む

薬の量が多すぎると包みにくいため、量が多い場合は複数回に分けて包みましょう。うまく包めないときは袋型オブラートを使うのがおすすめです。

③薬を包んだオブラートを水につけて服用する

薬を包んだオブラートを水につけると、オブラートがゼリー状になり、スルッとのどを通りやすくなります。飲みづらい場合は、コップの水と一緒に流し込んでも構いません。オブラートを水につけずに服用すると、オブラートが口の中に張り付いてしまうので注意しましょう。

ゼリータイプのオブラートの使い方

ゼリータイプのオブラートは、果物のフレーバーや甘みがついていて、薬を飲むのが苦手なお子様におすすめです。

開封後は冷蔵庫で保管し、1週間以内に使い切ってください。

①小皿にゼリータイプのオブラートを適量出す

ゼリーの量が多すぎると全部飲み切れないことがあるため、薬の量にあった量を使用しましょう。

②ゼリーの上に薬をのせる

③薬の上に再度ゼリーを重ねて薬をはさみ込む

④ゼリーと一緒に薬を飲み込む

普通のゼリーを食べるときのように口をもぐもぐとして動かしてしまうと、ゼリーにはさみ込んだ薬が出てきて粉薬の味を感じてしまいます。口に入れたゼリーを丸飲みするイメージで、ごくんと飲み込みましょう。

オブラートを活用して上手に粉薬を服用しよう

この記事では、オブラートを使用したときの薬の効果とオブラートの正しい使い方について解説しました。

ほとんどの薬では、オブラートを使用しても薬の効果は変わりませんが、一部の胃腸薬では効果が弱まってしまうため注意しましょう。粉薬を飲むのが苦手な方、お子さんがなかなか薬を飲んでくれなくて困っている方はぜひオブラートを活用してみてください。

参照サイト:

龍角散「らくらく服薬ゼリー」
愛知県薬剤師会「粉薬の上手なのみ方」

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AUTHOR

おくだりか 薬剤師

おくだりか

九州大学薬学部を卒業後、調剤薬局にて経験を積む。出産後、仕事と子育ての両立のために慢性期病院に転職。不妊治療をきっかけに漢方に興味をもち、東洋医学にもとづいた身体と心の整え方を学ぶ。薬剤師としての経験や東洋医学の知識を活かして、薬剤師として働きながらライターとしても活動している。



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