【らっきょう】食べすぎるとどうなる?食べすぎのリスクと1日の目安量|管理栄養士が解説
カレーの付け合わせやおつまみにぴったりな「らっきょう」。パクパクと箸が進みやすいらっきょうですが、食べすぎはお腹の不調を招いたり、塩分の摂りすぎにつながったりすることをご存知でしょうか?今回は、らっきょうの食べすぎによるリスクについて解説します。
らっきょうにはどんな成分が含まれる?
らっきょうのクセのある風味や食感が好きという方もいらっしゃるのではないでしょうか。らっきょう特有の強い香りと辛みのもとは「アリシン」と呼ばれる成分です。アリシンは、にんにくや玉ねぎ、にらなどの香りの成分でもあります。
らっきょうにはアリシンのほか、腸内環境を整える効果が期待できる「食物繊維」も豊富に含まれています。
アリシンの摂りすぎには要注意!
らっきょうに含まれるアリシンは、食欲増進に役立つといわれています。また、アリシンにはビタミンB1の吸収を助け、体内のエネルギー代謝をスムーズするはたらきもあります。
しかし、アリシンは刺激が強い成分であるため、大量に摂ると胃腸に負担がかかりすぎるというデメリットも。場合によっては、腹痛や下痢、吐き気などを引き起こすこともあります。とくに胃腸の弱い方は、らっきょうの食べすぎには注意しましょう。
また、アリシンは体内で分解されるときに独特なにおいが発生するため、口臭の原因になることがあります。らっきょうを食べすぎれば、その分アリシンの摂取量も増えるため、口臭につながりやすくなります。食後は歯みがきやうがいをしたり、マウスウォッシュを活用したりするとよいでしょう。
塩分の摂りすぎにつながることも
らっきょうはおもに甘酢漬けや塩漬けなど、漬物に加工して食べられます。一般的に、漬物には塩分が多く含まれています。レシピにもよりますが、甘酢漬けに含まれる塩分の量は100g(小さいもので20粒ほど、大きいもので10粒ほど)あたり約1.9gです。
塩分摂取量(食塩相当量)の目標量は、健康な成人男性で1日あたり7.5g未満、成人女性で1日あたり6.5g未満とされています。らっきょうの漬物以外の料理にも塩分は含まれているため、らっきょうの漬物をたくさん食べすぎると、食事全体の塩分量が多くなり、1日の塩分摂取量の目標量を大きく超えてしまう可能性があります。
1日3~5粒程度がおすすめ
胃腸への負担や塩分の摂取量を考えると、毎日のようにらっきょうを食べるという方は、1日3~5粒ぐらいまでを目安にするとよいでしょう。今回紹介したように、一度にたくさん食べると腹痛や吐き気などの症状が出るおそれもあるため、らっきょうは箸休めとして少量ずつ楽しむのがおすすめです。
【参考文献】
・中村宜督,2022年「食品でひく機能性成分の事典」女子栄養大学出版部
・文部科学省,日本食品標準成分表2020年版(八訂)
・厚生労働省,日本人の食事摂取基準(2020年版)
AUTHOR
藤倉詩織
管理栄養士。【予防医療】にかかわりたいという思いから、大学卒業後は健診センターに就職。メタボリックシンドロームや生活習慣病の方への栄養指導・特定保健指導を経験し、現在はフリーランスの管理栄養士・ライターとして活動中。
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