無自覚に不機嫌をまき散らしていない?不満の平和的な発散方法(「不機嫌ハラスメント」診断付き)

 無自覚に不機嫌をまき散らしていない?不満の平和的な発散方法(「不機嫌ハラスメント」診断付き)
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職場で・家庭で・学校で…あなたは不機嫌をまき散らしていない?「フキハラ(=不機嫌ハラスメント)」被害について考察!最新の脳波研究でわかったメカニズムと対策について、『フキハラの正体 なぜ、あの人の不機嫌に振り回されるのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より抜粋してお届けします。

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実は、まわりが迷惑しているかも…… あなたは、不機嫌ハラスメント「加害者」になっていませんか?

次の項目で当てはまるものにチェックを入れてください。

□思い通りにならないと不機嫌になる
□どちらかというと気分屋である
□自分が中心でないと満足できない
□構ってくれないと残念な気持ちになる
□後悔するほど怒ることがある
□不機嫌な自分のせいで、場の空気が悪くなったことがある
□気遣いが足りないなと思うことが多い
□誰も自分のことをわかってくれないと思うことがある
□家庭では完全オフモードになりたい
□イライラするとまわりが萎縮する
□職場の雰囲気はあまりよくないと思う
□会議が盛り上がらない
□パートナーがいつもイライラしている
□人のうわさ話や悪口をよく言う
□愚痴が多い
□自分は内弁慶かもしれない
□パートナーには言わなくても伝わる

一つでも当てはまったら、不機嫌ハラスメント「加害者」になっている可能性があります。

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不満をぶちまけるのは「不機嫌ハラスメント」の一種

さしたる悪気もなく起こってしまう「フキハラ(※1)」は、知らず知らずのうちに誰もが加害者にもなりえます。そんな「無自覚な加害者」にならないよう、イライラした気分を抱えているときは、極力他人から距離を置くほうがよいでしょう。また、嫌なことがあると、その不満を誰かに聞いてもらいたいと私たちはつい考えてしまいますが、自分の「不機嫌ノーラ(2)」が相手に想像以上のストレスを与える可能性は常に気に留めておくべきです。そういう意味では「イライラしているときはそれが治まるまで一人で過ごす」というのは、大人として守るべきマナーなのかもしれません。そもそも「嫌なことを誰かに聞いてもらうとスッキリする」というのも、かなり疑わしいということを示すデータもあります。

※1:「不機嫌ハラスメント」の略。不機嫌な態度をとることで、相手に不快な思いをさせたり、過剰に気を遣わせたり、精神的な苦痛を与えること。本人が意図している/いないに関わらず起こりうる。
※2:脳が伝える「不機嫌」な感情の電気信号「不機嫌な脳のオーラ」の略。

データ18に示したのは、第2章でも紹介したカンカンに怒っている人の感情を示す脳波です。

データ
『フキハラの正体 なぜ、あの人の不機嫌に振り回されるのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より

実はこの測定の間、被験者は自分に降りかかった嫌なことを事細かに私に話して聞かせていました。それはまさに「怒りをぶちまける」という表現がぴったりの状況で、データを取らせていただいた手前あまり大きな声では言えませんが、私はきっと相当の「不機嫌ノーラ」を浴びていたことでしょう。それはともかく、この結果から改めて読み取っていただきたいのは、「嫌なことを誰かに聞いてもらっている」にもかかわらず、「ストレス度」を示す脳波がどんどん強くなっていることです。この方はたまたま、ぶちまけるたびに怒りが再燃するタイプだった可能性はありますが、これを見る限り、「嫌なことを誰かに聞いてもらうとスッキリする」とは必ずしも言い切れないのではないでしょうか。それを証明するデータはまだ取れてはいないのですが、「不満を話すことでストレス度が下がる」という、データ18とは逆のケースも実際にはありそうな気はします。なぜなら不満を溜め込むより、大きな声を出すなどして発散するほうが、ストレスが下がることは一般的によく知られているからです。

ただし、気持ちの整理がつかないうちは確実に「不機嫌ノーラ」を発するので、そばで話を聞いてもらう相手に強いストレスを抱かせる可能性は高いです。そう考えると、「誰かに不満を聞いてもらう」という方法は、かなり自分本位のやり方だと言えそうです。愚痴に付き合ってもらったのなら、その後で一緒に美味しいものを食べるとか、楽しいことをするなど、少しでも相手のストレスを下げるためのフォローをするのが、せめてもの償いかもしれませんね。

フキハラ
『フキハラの正体 なぜ、あの人の不機嫌に振り回されるのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

この本の著者/満倉靖恵(みつくら・やすえ)
慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科教授/慶應義塾大学医学部精神神経科学教室兼担教授/電通サイエンスジャム取締役CTO/株式会社イーライフ取締役CTO/博士(工学)/博士(医学)生体信号処理、脳波解析などをキーワードに、脳神経メカニズム・感情・睡眠・うつ病・認知症などに関する研究に従事。特に医工連携型研究に注力。電通サイエンスジャムと共同で、世界初の脳波によるリアルタイム感情認識ツール「感性アナライザ」を開発。リサーチ、商品開発など世界中で活用されている。心拍のみを用いた自律神経の動きに注目した睡眠の5段階解析、非侵襲ホルモン解析などの専門家。

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ヨガジャーナルオンライン編集部

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ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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