ヨーグルトと相性の良い食べ物は?管理栄養士が勧めたい【忙しい日の時短栄養おやつ】
ヨーグルトは体によい、というイメージを持っていませんか?ヨーグルトにある食材を組み合わせると、健康寿命をさらに伸ばせるかもしれません。この記事では、ヨーグルトの栄養について解説し、不足している栄養素を補える食材を紹介します。おすすめの食べ方も紹介するので、健康を作る食事の参考にしてください。
ヨーグルトの栄養価
乳製品、そして発酵食品でもあるヨーグルト。健康への効果を期待して、日常的に食べている人も多いのではないでしょうか。
ヨーグルトには、原料である牛乳由来の栄養素が豊富に含まれています。たんぱく質は、そのひとつにあげられる栄養素です。特にヨーグルトに含まれるたんぱく質の一部は、発酵によって分解されるため、消化吸収しやすくなっています。
ヨーグルトは、ヒトの骨や歯のもとになるカルシウムも豊富です。ヨーグルトを発酵させる乳酸菌は、ヨーグルトに含まれる乳糖を使って乳酸を作り出しています。この乳酸とカルシウムが結びついた乳酸カルシウムは、体に吸収されやすいといわれています。
ほかにもビタミンAやビタミンB1、ビタミンB2などの栄養素を含むヨーグルトは、健康づくりに役立つ食品といえるでしょう。しかしヨーグルトには、ほとんど含まれていない栄養素がいくつかあります。
ヨーグルトに不足している栄養素を補う食材として、おすすめしたいのがアボカドです。
ヨーグルト+アボカドで効率よく骨を丈夫に
ヨーグルトはカルシウムが豊富な食品ですが、カルシウムが骨に沈着するのをサポートするビタミンKはほとんど含まれていません。カルシウムやリンとともに骨をつくるミネラル、マグネシウムもごく少量です。
アボカドには、ビタミンKとマグネシウムがしっかり含まれています。ヨーグルトとアボカドを一緒に食べると、体の中でカルシウムが効率よく利用されるようになるため、骨を丈夫にする効果が期待できます。
さらにヨーグルトにほとんど含まれていないビタミンB6が、アボカドには含まれることにも注目してください。ビタミンB6は、体の中でたんぱく質の分解や合成を助けます。ヨーグルトのたんぱく質を効率よく筋肉作りに利用するために必要な栄養素が、ビタミンB6なのです。
近年関心を集めているのが、高齢者のロコモティブシンドロームやサルコペニアの問題です。通称「ロコモ」と呼ばれるロコモティブシンドロームは、高齢になることでかかりやすくなる変形性関節症や骨粗しょう症などの疾病により、立ったり歩いたりするための身体能力が低下した状態を指します。さらに高齢になることで筋肉が萎縮したり、筋力が低下することをサルコペニアというのです。
ロコモやサルコペニアは、単に身体機能がおとろえるだけではなく、要介護や寝たきりになり健康寿命が短くなる点が懸念されています。ロコモやサルコペニアを防ぐために、健康なうちから丈夫な骨や筋肉を作っておきましょう。
ヨーグルトとアボカドを使ったおすすめの食べ方
ヨーグルトとアボカドは、あまりなじみのない組み合わせかもしれません。しかし調理方法次第で、これらの食材の相性を高めることは可能です。ここでは、おすすめの食べ方をふたつ紹介します。
ひとつめは、ヨーグルトとアボカドのサラダです。適当な大きさにカットしたアボカドを、塩・こしょう・オリーブオイルを混ぜ合わせたヨーグルトで和えてください。ヨーグルトをドレッシングのように使った一品です。
ヨーグルトとアボカドのディップソースもおすすめです。熟してやわらかくなったアボカドをつぶし、ヨーグルトを混ぜ合わせて塩・こしょうで味付けしましょう。ヨーグルトの酸味が効いたさわやかなソースは、トーストに塗って朝ご飯に。おろしにんにくを加えれば、お酒によく合うおつまみにもなります。
ヨーグルトとアボカドを一緒に摂り、骨や筋肉を強くして健康寿命を伸ばしましょう。
【参考文献】
一般社団法人日本乳業協会 乳と乳製品のQ&A
厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」
厚生労働省 e-ヘルスネット「ロコモ度テスト」
文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く