カウンセリングの神様に学ぶ「結婚とは」|健やかなパートナー関係のあるべき姿とは?臨床心理士が解説


夫婦の関係については、あらゆる人間関係の中でも特に悩む人が多いテーマではないでしょうか。今回の記事では、心理学的な立場から『結婚とは何か』についてお話ししていきます。そのヒントとなるのが、カウンセリング界の神様、カール・ロジャーズの結婚・恋愛論にありました。
心理学の視点から、豊かな結婚生活を送るために必要なこと
カウンセリング界に大きな革命をもたらしたと言われている、カール・ロジャーズ。彼は【来談者中心療法】というセラピーを提唱し、その中で用いられる共感的理解や傾聴といったスキルは、カウンセリングをする上での基礎に止まらず、スムーズな人間関係を築く上でも注目されている概念となっています。ロジャーズは自身の著書【ビカミング・パートナーズ】の中で、豊かな結婚生活を送るために必要な3つの視点を掲げています。
その1:関係性は常に変わるものであると理解する
ロジャーズは自身の著書の中で『結婚は固く動かない建物ではなく、流れる川である』という言葉を残しています。これは、結婚という契約を交わしたから終わりなのではなく、継続していくものであり、継続するということは、時間の流れやその時に置かれる環境によって変わる可能性があるということ。その時に大切なのは、その変化を受け入れていくこと、そして自分1人が頑張るのではなく、2人で変化に対応していくことが必要なのだそうです。
その2:自分の中に生まれた感情を相手と話し、分かち合うこと
変化の方向へ向かうためには、自分の中に生まれた感情を相手と話しあい、理解しようとする姿勢が必要です、肯定的なことだけではなく、中には相手を傷つけてしまうかもしれない否定的な感情もあるかもしれません。しかし、それをパートナーに伝えることと、それに対するパートナーの反応がどんなものであったとしても理解しようとする姿勢が大切であるとロジャーズは話しています。
その3:それぞれが独立した自分自身でいること
豊かなパートナーシップを築くには、それぞれがお互いに独立していて、尊重し合う関係であることが必要です。ロジャーズによると、そのためには自分自身が1人の人として自立している必要があるそうです。
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