「年末年始の帰省や親戚の集まりが憂うつ…」乗り切る方法とは?臨床心理士が解説
年末年始の帰省。帰省先での家族や親戚との集まりが億劫…。そんな時の心のモヤモヤを対処する方法をお伝えします。
家族や親戚に会うのがしんどい…
コロナ禍の外出制限もだいぶ落ち着き、今年は地元に帰省しようと考えている人も多いのではないでしょうか。自分の故郷に帰ることを楽しみにしているという声も聞く一方で、『帰省を考えるこの時期がしんどくなる』といった声もよく聞かれます。SNSでは数年前に【#帰省ブルー】というワードがトレンドに入っていたくらい、実は帰省に対して憂うつに感じている人が多いということが分かります。実家に帰省するのがしんどい理由としては様々ですが、例えば、
・距離を置いているからうまくいっているのに、何日も一緒にいるとケンカになりそう
・親や親戚に、結婚や子供のタイミングのことを指摘されるとつらい
・子育てについて色々口を挟まれるのがイライラするが、義理の両親なので文句も言えない
・働き方など、将来のことに口出しされるのがうっとうしい
・長期休暇は休みたいのに、義理の実家にいったら色々と動かなければいけない
・酔うとハラスメント的な発言をする親や親戚が嫌
といったようなことが挙げられます。どれもなかなかしんどそうな理由。こんなことがあるかもしれないと思うと、帰ることが億劫になってしまいますよね。
帰省の憂うつ、どう乗り切る?
帰ることを避けられれば良いけれど、それが難しいという方も多いと思います。『帰省を乗り切る』という前提で、憂うつさを乗り切る方法をいくつかお伝えします。
パートナーと事前に話しておく
例えば、義理の実家に行った時にしんどくなりそうなシチュエーションを事前にパートナーに伝えたり、『こういう場面ではこうして欲しい』と伝えておくことで、嫌な思いをすることを回避できるかもしれません。また、『これは伝えるけど、これは伝えない』など線引きしておくことで、お互いにストレスを感じる場面を減らすこともできます。
言われて不快なことはアサーティブに返す
自分の将来のことなど、言われたくないことや耳が痛いことを言われてしまうことがあるかもしれません。『そんなこと言わないで!』と怒ると関係にヒビが入りそうですし、反論することなく受け止めっぱなしだと、自分自身が疲れてしまいます。そんな時はアサーティブに自分の気持ちを伝えることをオススメします。アサーティブとは、相手の意見も大切にしつつ、自分の考え方や気持ちを伝えるコミュニケーションのこと。例えば、『心配してくれてありがとう。でも私なりのやり方でやってみるので見守っていてね』といったような感じです。
ネガティブな気持ちに否定をしない
家族や親戚とはいえ、様々なタイプの人がいます。その中に苦手な人がいるのはおかしいことではありません。『家族や親戚なのに好きになれないのはいけないことだ』とか『苦手だと思ってはいけない』といったように自分の中にわき起こるネガティブな気持ちを否定しないようにしましょう。『この人のことが苦手なんだ。』という気持ちをジャッジすることなく受け入れてあげると、それだけでも少し気持ちが軽くなったり、『苦手なのに同じ空間にいるだけで、私頑張ってるじゃない!』と自分に労いの言葉をかけてあげることができるかもしれません。
帰省について考え直すのもアリかも
年末年始=家族で集まるという価値観は昔からありますが、今は家族のあり方も自由になってきていますし、複数の選択肢があっても良いのかもしれませんね。よくメディアでも話題になっていますが、『父子(夫と子どものみ)帰省』や『母子(妻と子どものみ)帰省』といった方法も注目されているので、ご家族がいる方はパートナーの方と一度話してみても良いかもしれませんし、実家に帰るのが億劫な方は泊まらずに日帰りで会うといった方法も考えられます。親や親戚との付き合いは長いもの。うまくバランスをとっていくためにも、帰省についての価値観を一度考え直してみるのも良いかもしれませんね。
AUTHOR
南 舞
公認心理師 / 臨床心理士 / ヨガ講師 中学生の時に心理カウンセラーを志す。大学、大学院でカウンセリングを学び、2018年には国家資格「公認心理師」を取得。現在は学校や企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとの出会いは学生時代。カラダが自由になっていく感覚への心地よさ、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じヨガの道へ。専門である臨床心理学(心理カウンセリング )・ヨガ・ウェルネスの3つの軸から、ウェルビーイング(幸福感)高めたり、もともと心の中に備わっているリソース(強み・できていること)を引き出していくお手伝いをしていきたいと日々活動中。
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