土用と大暑を乗り切る夏にぴったりの体思いごはん|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。
みなさん、おはようございます。雨が降り続いたり強すぎる湿気にやられそうになりますが、海開きを終え、ようやくセミも勢いよく鳴き始めました。二十四節気はちょうど「大暑」を迎えます。5月の立夏から始まった暦の上での夏は、大暑をもって最後となります。その次にはもう秋が待ち構えていますね。四季の巡りの早さを実感させられます。さて大暑ですが、読んで字の如く一年のうちでいちばん暑い時期です。ここのところは異常気象で読めない天候がつづきますが、大暑では真夏日がもっとも多くなり、熱帯夜も増えていきます。いかに過ごしやすく、心身共に爽やかにこの時期を乗り越えるかが、やがてくる秋や冬の養生にも繋がっていきます。
大暑は7月20日から8月6日までつづく土用とも重なっています。土用は年に4度あり、いずれも季節の変わり目のことをいいます。春土用は立夏を迎える直前、夏土用(今回です)は立秋の直前・・・というふうに、次の季節へと移ろいゆくための準備をする時間が土用なのです。そういえば、うなぎをいただいて夏を乗り越えるための精をつける土用の丑の日ももうすぐですね。
季節の変わり目に起こりやすいことでいちばん挙げられるのが、体調のゆらぎです。自然界が次のステージへと移ろいゆこうとするときですので、自然界の一部である私たち人間の体にも同じように変化が訪れるのです。それはごく自然なことともいえます。ふだんあまりにも自然とかけ離れた生活をしていると、この変化にうまく添うことができず、ゆらぎが大きくつらいものになります。今日は夏土用の今ぜひ食べたい食材をご紹介。
春は緑、夏は赤、秋は白、冬は黒。みなさん、なんのことだか分かりますか?陰陽五行の理論には五行色体表というものがあります。自然界を五つの要素から捉え、それぞれの季節に応じて相当する(フォーカスされる)内臓、体の器官、感情、色、味覚などが割り当てられているとても興味深い表です。先ほど季節に応じた色について触れましたが、五つ目の要素である土用にあたるのは黄色とされています。この時期に自然な黄色いものをいただくことが、季節の養生に繋がるという考え方です。
夏の代表的な黄色い食べ物といえば、とうもろこしがあげられますね。主食のごはんに混ぜたり、副菜として彩りと食感を与えたり、またおやつとしても重宝するとうもろこしは、自然でほのかな甘みでお腹も気持ちも満たしてくれるこの季節一番の野菜ともいえるでしょう。土用は五臓の中でも脾臓が弱りやすく、その場合甘いものを異様に欲することがあります。そんなときに人工的な甘味料や白砂糖を摂取すると体はしんどくなりますが、とうもろこしなどの自然でやわらかい甘みを適量摂取すれば、今度は反対に季節の養生になるのです。黄色い食べ物としてはカボチャもありますが、こちらも自然な甘さを楽しめるうってつけの野菜といえます。そこで今日は、とうもろこしとカボチャの夏おかずを作ってみます。どちらの野菜も自然の甘みがしっかりある夏の恵みですので、シンプルなのに美味しいおかずになります。
作り方は至って簡単!かぼちゃを食べやすいサイズにカットし、とうもろこしは丁寧にこそげ落とすように包丁を入れます。ぱらぱらしても、かたまりでもOK。火を通すのはフライパンでもグリルでもいいです。こんがり焼き色がついてきたら、自然塩をぱらぱらとふりかけてさらに火を入れていきます。植物性の美味しいチーズも沢山ありますので、こってり味が好みの方はちらしてみるのもいいですね。しばらくようすを見て、できあがり。ビタミンカラーの元気な見た目からもエネルギーをもらえる夏の養生食。ぜひ一度作ってみてくださいね。
AUTHOR
関根愛
俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。
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