梅雨に食べたい、黄色くて甘みのある食材を使った炊き込みご飯|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん

 梅雨に食べたい、黄色くて甘みのある食材を使った炊き込みご飯|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
Megumi Sekine
関根愛 
関根愛
2022-06-25

SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。

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みなさん、おはようございます。梅雨の真っ只中で感じにくいですが、陽のエネルギーがもっとも頂点に達する夏至を迎えました。ここからは十二月の冬至へ向かってエネルギーは陽から陰へとゆるやかに転じていきます。少し意識しておくだけでも、この流れを感じやすくなり、自然に寄り添う形で生活できるかもしれません。西暦でみても、今年もそろそろ半ばまでやってきたところ。こちらも次の流れへと移ろっていく時な気がします。体のほうは、梅雨の影響でだるかったり、むくみやすかったり、頭もぼんやりしてはっきりしないなどの症状が出る時。そんな時は暮らしの中で少しだけ「デトックス」を意識します。何かを足さなくてはと躍起になったり、焦って何かを補おうとしてみたりするよりも、ひと呼吸し、いらないものを手放すイメージを持って生活します。そうして食べ過ぎや飲み過ぎ、考え過ぎややり過ぎなどの過分を防いだり、また今の自分には不要と感じたものを処分したり次の人へ手渡したりすることにより、梅雨の雲間がすーっと晴れていくように体の内と外がすっきりしていくような行動を心がけます。

梅雨のこの時期、五臓は「脾」が該当する季節です。「脾」は六腑の胃とセットになって働きますが、気温の急激な変化や湿気に弱いもの。じめじめ暑かったかと思えば急に冷え込んだり、この時期の体調管理のむずかしさと「脾(胃)」の健康状態は深く繋がっています。この「脾」が弱ると、消化吸収能力が落ちるといわれています。私たちの脳はきちんと消化吸収ができるまで食べつづけなさいというサインを出すため満腹感を得られるまでつい食べつづけてしまい、結果としてふだんより食べ過ぎてしまうことが増えます。これを防ぐためには、いつもより少食気味におさえておくよう意識することもひとつの手です。

五臓それぞれに与えられた色と味を「五色」「五味」といいます。「脾」に該当するのは黄色、そして甘味。黄色く甘みのある食材を取り入れていくことが「脾」の働きを助けるひとつの鍵となります。注意したいのは、甘いものならなんでもよいというわけでは決してないこと。この甘みというのは、白砂糖や人工甘味料を含むものではなく、自然が作り出した甘みをさします。この時期に食べたい自然の甘みがある黄色い食材といえば、さつまいもやかぼちゃ、大豆、そしてとうもろこしなどが代表的なもの。消化を促し水分代謝にもよいものばかりなので、体内の水分量の調節が上手くいかなくなることの多いこの時期にはむくみ取りにも効果的です。これらの食材を日頃から取り入れることで、梅雨の時期を健やかに乗り越えられる体を作っていきます。

私が今回おすすめするのは、毎日食べるお米にこれらの食材を加え、混ぜごはんや炊き込みごはんにすること。おかずを一品用意する余裕がないときでも、豆ごはんやさつまいもごはんなどにして取り入れることで季節に沿った養生を意識した食生活を送ることができます。中でも、手軽で夏らしいとうもろこしの炊き込みご飯は梅雨明けが待たれる食卓を爽やかに彩ります。とうもろこしの甘みをシンプルに味わうために出汁や調味料は入れず、小さじ1程度の塩だけで炊いていきます。胃は充分な塩気がないとうまく働かないとされますので、適切に塩を加えることが大切です。作り方はとても楽なもの。炊飯準備のととのったお米に塩を混ぜ溶かし、ほぐした実を広げていきます。その上に旨味を加えてくれる芯をのせ、いつものように炊いていきます。炊き上がったら全体をさっくり混ぜ合わせ、できあがり。とうもろこしを買ってきてほぐす余裕がなければコーン缶を使ったって構いません。夏らしい炊き込みごはんで脾と胃の養生をしながら体調をととのえていきましょう。

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関根愛 

関根愛

俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。



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