未来の長寿社会をどう生きるか?FIRE時代のウェルビーイングな生き方を考える
最近、ビジネス関連の書籍やメディアで見聞きする「FIRE」ムーブメント。FIRE後のウェルビーイングな生き方と未来の長寿社会についてご紹介します。
なぜ「FIRE」が注目されるのか?
アメリカでムーブメントになったFIREは40歳前後のアーリーリタイアを意味し、「Financial Independence, Retire Early(経済的自立と早期リタイア)」の略となります。
リタイア後は投資など不労所得で生活し、労働から解放される生き方をいいます。本業をなくし、労働を「副業」感覚にして好きなところに住む人もいます。労働しながらQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を保つことは困難です。パンデミックにより人生を見つめ直す人も多く、物質的な豊かさよりも質素な生活でも自分の興味関心を追求することが見直されたのかもしれません。
デメリットとしては経済のネガティブな変動や、病気や介護など急なライフステージの変化に弱いという面があります。
人類初の長寿社会
人口の高齢化率が世界一となる日本では、人類初の高齢者の構成比が高い社会を経験することになります。
1800年代半ば以降、人間の平均寿命は1年あたり約3カ月延びているという研究結果がありますが、医療の進化の結果、老化を遅らせ高齢者の死亡率の低下はさらに進んでいます。
「老い」への考え方も変容し、2020年に俳優ジュディ・デンチが86歳でVogue Magazineの表紙を飾ったことは、エイジズム(年齢差別)が終焉し、年配の人々の活躍がポジティブに捉えられるように社会が変化してきていることを示しています。
高齢化社会は、社会保険費の増加や労働人口の減少や家族のケアの負担の増加など様々な課題がありますが、反面、人類が進化によって獲得した平穏な長寿社会は大きな価値があります。FIREムーブメントの背景には、長い人生を人間らしく豊かに謳歌したいという根源的欲求の現れかもしれません。
AUTHOR
中間じゅん
イベントプロデュースや映像制作を経て、ITベンチャーに。新規事業のコンセプト策定から担当。テクノロジーとクリエイティブをかけ合わせた多様なプロジェクトの設計に参画。社会課題やジェンダーの執筆活動を行う。
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