世の中に変化を起こしたいならまずは自分を変化させる|タイの農家が語る"真のオーガニックライフ"
サステナブルやエコに関心を持つ人が増えてくる中で、多くの人が意識的に”オーガニック”と書かれてある製品を選ぶようになっています。世の中にはたくさんのオーガニック製品が溢れていますが「オーガニックとパッケージに書いてあるからといって全てが良いわけではない」と語るのはタイの田舎でオーガニック農園『Happy Earth』を営んでいるピノさん。その真意は?
濫立するオーガニック製品に抱く、ある疑問
お風呂に入るということは多くの人にとって毎日の習慣の一つではないでしょうか。そして、お風呂の中でおそらく皆さんがしているのが「髪の毛や体を洗う」ということでしょう。毎日何気なく使っている、シャンプーやボディーウォッシュ。どういった基準で選んでいますか?
こうしたボディケア製品は、選ぶものによっては自然環境に良い影響を与えないということもあり、それはサステナブルな暮らしに興味のある方の間では一般常識化しつつあります。
だから、店頭には今”オーガニック”と謳った商品がたくさんあります。その量はあまりに多く、わたしは消費者として正直疑問を感じることがよくあります。例えば、泡立ちや香りの持続性など”オーガニック(と書かれている)”製品のそれぞれの特徴はよく分かります。製品紹介を見ても、「香りに力を入れている」「泡立ちが良い」「きしまない」といった、その製品の特徴はよく分かります。
「けれど、自然素材だけを使って作った製品に香りの持続性や泡立ちがあるものなのだろうか?」「この製品を選ぶことが、本当に自然環境にとって良いものなのか」などといった疑問をずっと抱えてきました。
そこで今回は、海外で注目されているタイのオーガニックムーブメントの中でも"こだわりの強い"実例の一つとして、昔ながらの農地の知恵を取り戻し、伝統的な方法をボディケア製品を作るタイのオーガニック農園「Happy Earth」を訪ねました。
タイの田舎町にある小さなオーガニック農園『Happy Earth』
——『Happy Earth』について教えて下さい。
『Happy Earth』は、タイの田舎町にある小さなオーガニック認定農園です。2005年に始まりました。
農園のインスピレーションとなったのは娘の誕生です。娘が生まれて、わたしたち夫婦は10年間勤めた環境NGO団体での仕事を辞めました。そしてバンコクから車で4時間の田舎町ウタイターニにある家族の農園で働き始めることにしたのです。NGO団体で携わっていた仕事で化学薬品がどれだけ恐ろしいものということも知り、娘をできるだけ自然な環境で育てていきたいという思いからこの決断に至りました。バンコクのような大都市ではなく、田舎の自然溢れる場所がもともと好きでしたし。
最初の内は、自分たちに必要なだけの作物を育てたりボディーケア製品を作り、もし必要以上のものができたらマーケットなどで売るようにしていました。
16年経った今、私たちの農園は小さいながらも農作業と昔の農地の知恵を取り入れたボディケア製品作り、オーガニックでサステナブルなライフスタイルを広めるための学習拠点として成長しています。
AUTHOR
桑子麻衣子
1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。
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