身体が硬い人と柔らかい人の違いとは?【理学療法士が解説】身体に作用する正しいストレッチ方法
「ストレッチを続けていてもなかなか身体が柔らかくならない」と悩む人も多いのではないでしょうか。身体が硬い人と柔らかい人の違いはズバリ「正しいストレッチ方法を知っているかどうか」です。今回は身体が硬くなる原因と正しいストレッチ方法について解説していきます。
身体が硬くなる原因3つ
「身体が硬い=関節の可動域が制限されている」ということです。身体が硬くなる原因は人それぞれです。
骨の形状や関節の構造など、遺伝的な要因で可動域が狭い人はいますが、多くの場合は運動不足や日頃の姿勢・習慣の影響によって筋肉・筋膜・骨・靭帯など関節周囲の組織に問題が生じることによって身体が硬くなってしまっています。
原因①怪我や病気の影響
骨や靭帯などが怪我や病気によって損傷されてしまうと、炎症による痛みが生じて関節を動かすことができなくなってしまったり、その周囲の筋肉の緊張が局所的に強くなってしまうことがあります。怪我や病気が治った後でも動かさなかった期間に固まった筋肉を放っておくと、関節が動きにくくなってしまいます。
原因②姿勢の影響
体にとって負担のかかる姿勢を取り続けると血流が悪くなり、筋肉が低酸素状態となります。すると、筋肉が変性してしまい硬く、短くなってしまいます。
原因③運動不足
筋肉は収縮(縮まる)と弛緩(緩める)を繰り返すことでポンプのような働きを持ち、血液の循環を良くし、柔らかさを保っています。運動不足だと筋肉を使わなくなるので、この収縮と弛緩の頻度が減ってしまうため、筋肉が硬くなってしまいます。
正しいストレッチ方法
時間
ストレッチは 1回あたり、20~30秒行うと、効果的です。
ある研究では30秒間行うのと、60秒間行うのとではストレッチの効果が変わらなかったということがわかっています。
頻度
1回あたりの秒数を増やすより、ストレッチを行う頻度を増やしましょう。
1日2−3回を目安に朝・昼・晩、行えるととても良いです。
呼吸
息を吸うと筋肉は収縮し、息を吐くと筋肉は弛緩する性質を持っています。
ゆったりと呼吸をしながら、吐く息でストレッチを深めるようなイメージで行いましょう。
注意すること
ストレッチは痛みを感じるまでは伸ばさないようにしてください。筋肉には「防御性収縮」という機能があります。筋肉は痛みを感じるほど伸ばされると、反対に縮むように指令を送るという働きがあります。そのため、「心地の良い範囲」でストレッチを行うことが大切です。
全身ストレッチ
動画付きで解説していますので、こちらをご覧ください。
ストレッチ①
【伸ばされる場所】
背中、脇腹
【方法】
①足は腰幅に開き、両手を椅子の背もたれやテーブルの上につきます。
②体を前に倒して、視線は斜め前を見ます。
③両膝を軽く曲げてもいいので、背中をまっすぐに保ちます。
ストレッチ②
【伸ばされる場所】
脇腹、腰の横側、太ももの外側
【方法】
①右手を椅子の背もたれやテーブルの上につきます。
②左の足を前に出し、交叉させます。
③左手を頭上にあげて、ゆっくりと右に倒します。
④手が前に倒れて背中が丸くならないように指先までしっかりと伸ばします。
ストレッチは正しい方法で行うことがとても大切です。身体が硬くなってしまっている原因を知り、その原因にアプローチしていくことで身体に着実に変化が現れてきます。継続が大事なので、毎日5分でもストレッチをする習慣を身につけてみてくださいね。
AUTHOR
Ayaka
医療系大学卒業後、理学療法士としてリハビリテーション専門病院で4年間勤務。病気や怪我をされた方を病院で待つよりも、病気や怪我を未然に防ぐことはできないかと予防医学に興味を持つ。ヨガインストラクターの資格を取得するためにハワイに留学。そこでピラティスにも興味を持ち、日本でピラティスインストラクターの資格も取得。現在はフリーのインストラクターとして解剖学・生理学の知識をもとにした姿勢改善・体質改善のレッスンや情報発信を行なっている。
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