怒りの感情に飲み込まれないために|今日からできる8つのこと

 怒りの感情に飲み込まれないために|今日からできる8つのこと
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石上友梨
石上友梨
2022-03-06

怒りの感情に悩んでいる人はとても多いです。怒りは対人関係に影響を与えるほか、ものすごいエネルギーを使い、自分自身の心身にも影響を与えます。怒りは瞬間的にわき、コントロールできないものと感じていませんか?はじめは少し大変ですが、怒りは上手に付き合うことができるものです。そして、怒りは「悪者」ではありません。怒りに悩んでいる人は今回の記事を参考にしてください。

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怒りの感情に気づく

自分は今、どのような感情を感じているのかしっかりと気づけるようになりましょう。なかなか感情に気づけない人は、呼吸や身体の感覚がヒントになります。例えば、怒りを感じている時は、呼吸を止めていたり、筋肉に力が入り、身体が熱くなっていることがあります。不安な時は、呼吸は浅く、胸のあたりが詰まった感覚を感じるかもしれません。反対に、リラックスしている時は、ゆっくりとした呼吸になり、筋肉の力は緩みます。自分の呼吸や身体の感覚に注目して、今の気持ちに気づく練習をしましょう。

怒りの感情と戦わない

怒りや不安などの感情を受け入れるのは簡単ではありません。しかし、すべての感情は私たちに必要なもので、「いらない物」ではありません。そして、耐えられないものでも、恐ろしいものでもありません。感情は私たちに必要だから存在するもので、その時の私たちの状態やこれから何をすべきかを教えてくれます。感情と上手に付き合うコツは、感情と戦わずに受け入れることです。悲しい気持ちの時は、一緒に悲しみ、怒りの気持ちの時は、怒っている自分を受け入れて優しく接しましょう。親友が悲しみや怒りを感じているときに横で共感するようなイメージで自分自身に寄り添いましょう。

グラウディングをする

感情が強過ぎて圧倒されそうな時は、グラウディングをしましょう。グラウディングとは、地に足をつけることです。グラウディングは、地面に支えられている感覚を感じやすく、「今」の身体の感覚に注意を向けることで気持ちの落ち着きやすくなります。ゆっくりと立ち上がり、足の裏が地面と接する感覚に注意を向けましょう。足の裏に意識が向けづらい時は、その場で足踏みをすることで、より感じやすくなるでしょう。

怒りの背後にある感情に目を向ける

怒りの背後には別の感情が隠れていることがあります。例えば、あなたが強い怒りを感じたとき、その背後に「不満」「不安」「悲しみ」「劣等感」「恐怖」など別の感情が潜んでいるかもしれません。どのような感情が怒りを呼んだのか、心の奥に目を向けてみましょう。

怒りを我慢しない

怒りが溜まりに溜まってしまうと、コントロールできずに怒りのまま行動してしまうかもしれません。怒りは人間関係を壊す行動につながりやすいものです。怒りが溜まりきる前に、少しずつ抜けるようになりましょう。怒りのガス抜き方法をリスト化しておき、こまめに気分転換をしましょう。

怒りの感情と行動を分ける

感情と行動は全く別のものです。怒りの感情を感じているからといって、それを行動で示す必要はありません。怒りを行動で示さないと、あなたの感情が癒されないわけではないですし、あなたの怒りを感情が蔑ろにされるわけでも、認められない訳でもありません。どのような感情を感じようともあなたの自由です。しかし、それを行動で示すか示さないかは、あなたが選択すべきことです。行動で示した結果どのような未来が待っているのかを踏まえて選択するようにしましょう。もし選択する余裕がなくなっているのなら、怒りを我慢しすぎて貯めてしまっているのか、1人では対処できないほど、いっぱいいっぱいになっているのかもしれませんね。その時は信頼できる人、もしくは専門家に相談しましょう。

毎日の習慣を作る

毎日、同じことを繰り返すことで、自分の心の状態を確認できます。例えば、マインドフルネス瞑想、ヨガやストレッチ、日記を書くなどです。自分の内側に目を向けて、いつもとの違いに注目しましょう。変化に気づくことで、ストレスの溜まり具合にも気づき、早めに対処することができます。そして、その習慣はなるべく心地よいものを選ぶと、1日の終わりに心を鎮めてリラックスできるのでオススメです。

自分を大切にする行動をとる

怒りを感じたりストレスが溜まってつらい時ほど、自分を大切にする行動をとりましょう。心の奥に不満があって怒りを感じている自分を大切にするとしたら、何ができるでしょうか。ヨシヨシと自分を慰めることですか?それとも頑張ったご褒美スイーツを買うことでしょうか。まずは、他人を巻き込むのではなく、自分で自分を大切にできる行動を考えてみましょう。
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石上友梨

石上友梨

大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。



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