我慢の連続で心が疲弊…繊細さんが取り入れたい『しないことを探す思考』
やりたくないことを無理して続ける、不要なものをいつまでも置いておくなど、本当は自分にとってマイナスになると分かっていても続けているとどのような思考に陥るか。 HSP気質の筆者が考える、「しないこと」を探す思考についてお伝えします。
最も重要な決定とは、何をするかではなく何をしないかを決めることだ。
この言葉、もともとはAppleの創業者であるスティーブ・ジョブズの言葉です。
何をするか?
何をするべきか?
何をしなければいけないか?
これって、考え出すと無限に出てきて結局できずに終わったり、『しなきゃいけない』という気持ちに追われてだんだん心が辛くなって来ます。
それに対して、『しないこと、したくないこと』は、わりと自分の中でハッキリしてることが多いように思います。
自分軸でできないことはしない
HSPさんは特に、自分の意と反する事を連続でしなければならない状況を苦痛に感じやすいです。
例えば仕事だと、時にはやりたくないことをやらなくてはならない場面も出てきますが、それはあくまでも"自分が辛くない環境に置かれている上で"ということが大前提。
自分の中での得意、不得意を明確にして、苦痛を感じるほどの不得意なことを強いられるようなら、別の業務や部署などに移らせてもらう、または転職することも時には必要です。
私自身のお話を少しさせていただくと、私は約20年接客業に携わっていました。
ひと言に接客業と言ってもさまざまな業種がありますが、私がしていたものはいわゆる"全国チェーンのお店の接客販売"と言われるもので、予測不能、不特定多数の人々に対して常に平等に対応し、イレギュラーな状況にも臨機応変な対応が求められるものでした。
その環境が自分の中では苦痛でしかなくなり、いつしか『私は表立って接客するよりも、裏方でのサポート的役割の方が向いている』ということに気づくように。以降、表立って人と接する職には就かないようにしています。
しかしこういった接客業が得意なHSPさんもいます。HSPさんの特徴として、相手の表情や話し方、声のトーンから、相手が求めていることや感じていることを察知する能力に長けていて、気配りのできる対応がしやすかったりするからです。
得意不得意という話に関わらず、『仕事というのは辛くても辛抱してこそ結果と報酬がついてくるものだ』という考えの方も中にはいるかもしれません。
ですが、それは、本当にそうでしょうか?
やりたくないことを無理してやって、身体も心もボロボロになって大切なものをたくさん犠牲にするそんな場面を、何度となく目の当たりにしました。
彫刻のように削って見えてくるものもある
例えば彫刻を作る時、最初は大きな木や石の塊で、そこから不要な部分を削って削って、そして最後にひとつの作品として形になります。
やりたくないこと、やらないこと
これらを排除していって最終的に残ったものが、自分が本当にやりたいことではないでしょうか。
私がこの考えになったのはごく最近のことですが、それまでは当たり前のように「やりたいこと」ばかりを探していました。そしてその結果いつもうまくいかずに失敗。そうすると心がどんどん疲弊していき、悪循環に陥っていました。やりたいことよりも、やりたくないことをどんどん削っていくことで見えてくるものがあるのです。
片付けも彫刻の理論と同じ
そしてこの考え方は、片付けでも言えることだと思うのです。
片付けの基本は、整理することから始まります。「整理」というのは、すべてのものから不要なものを取り除いて、必要なものを残す、という作業。たくさんあるモノの中から、とっておくものだけを拾い上げるのは大変な作業です。ですが、ひとつひとつのものと向き合い、不要なものにフォーカスを当てることで、本当に必要なものが見えてきます。
部屋も心も、要らないものを置いておく必要はないのです。
何をしたいか?
何をするべきか?
何を残すのか?
迷ったら逆の発想で
何をしないか?
何をしたくないか?
何が不要なのか?
『やりたい』よりも『やらない』こと
これを優先して考えた時に、答えが見えるかもしれません。
AUTHOR
miyaco
HSP系整理収納アドバイザー(整理収納アドバイザー1級保有)。片付けと出会ったことで、数年に及ぶ"汚部屋"生活から卒業。「部屋と向き合うことは自分と向き合うこと」ということに気づき、整理収納アドバイザーに。自身がHSP気質であることから、HSP向けの整理収納アドバイスを行うほか、SNSでも発信。
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