「股関節の使い方」迷子になってない?【股関節中心の感覚を掴めない…たった1つの理由】

 股関節
©photoAC
杉山匡人
杉山匡人
2022-04-01

腸腰筋を上手に使うにはたった一つの感覚を修正するだけでいい。その感覚がずれたままではどんなにエクササイズをしても意味がありません。その感覚について、学んでいきましょう。

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ヨガやピラティスをはじめとする様々なエクササイズや健康法、脚痩せボディメイクの解説のキーワードとして常に上位に挙がってくる【股関節】と【腸腰筋】。

「腸腰筋を使いましょう‼」と言われるけど、「どう使ったらいいのかわからない」「使えているのかどうかわからない」「前ももや外ももばかりに力が入る」といった人も多いのでは?

腸腰筋がうまく使えない人は「股関節中心」の感覚が迷子になっています。前から見た時のあなたの股関節の中心はどこでしょうか? 人差し指で指してみてください。股関節中心の位置は厳密にはX線写真を撮らなければわかりませんが、大まかな位置は鼠径部の真ん中あたりです。

股関節中心
©イラストAC

もう少し細かく股関節中心の位置を特定してみましょう。

上前腸骨棘という腰骨の前の出っ張りの少し内側に、膝を伸ばしながら股関節を屈曲すると腱が浮き上がってくるところがあります。これは大腿直筋という太ももの前にある筋の腱です。股関節の中心はこの腱のやや内側にあります。あなたが思っていたよりも内側にありませんか? 腸腰筋がうまく使えない人は股関節中心のイメージを外に持っていて、大腿筋膜張筋や大腿直筋が過剰に働いています。

腸腰筋はこの股関節中心の真前を通ります。そのため自分の股関節の中心がどの辺りにあるかイメージできて、股関節中心を折り曲げる感覚で動作をすると、急激に動作が改善することがあります。腸腰筋はそのほとんどが深部にある筋なので、使っている感覚があまりありません。

股関節を動かして最初から腸腰筋を使っている感覚がある人は、相当感覚が鋭い人か、実は別の筋肉を使ってしまっている人です。どちらかというと、どこにも力が入らずに脚が軽く動かせるような感覚の方が正解です。エクササイズの回数を重ねると、少しずつ使っている感覚や熱くなる感覚が出てきます。

ミクリッツ線を意識しよう

股関節中心と足関節中心を結んだ線のことをミクリッツ線といいます。

ミクリッツ線
©イラストAC

膝関節の中心もこのミクリッツ線上にあることが理想的な脚の角度と言われていますが、良い姿勢を保持したり動作を行うときも、このミクリッツ線をイメージしてもらうとうまくいきやすくなります。単体の筋肉に意識を持っていくと、逆に動きがぎこちなくなってエラーの動作をしてしまうことがあります。関節や骨の位置にフォーカスをしてみましょう。

ミクリッツ線を感じながら腸腰筋を使えるようにするエクササイズを紹介します。

テーブルトップオンローラー

①フォームローラー(ストレッチポール)を2本準備します。

 準備できない人は1本あるいはフォームローラー無しでマットで行っても大丈夫です。

②フォームローラーをTの字に置いて縦のローラーに背中を乗せ、横のローラーに足を乗せます。

テーブルトップオンローラー①
©PHI Pilates Japan

 膝の角度は90°に保ちます。

 1本だけの場合は背中の下に置きます。

③前ならえのように天井に向けて手を上げます。

テーブルトップオンローラー②
©PHI Pilates Japan

④右脚の股関節を90°屈曲してすねが天井と平行になるようにします。

テーブルトップオンローラー③
©PHI Pilates Japan

⑤ローラーに右足を戻します。

⑥左脚の股関節を90°屈曲してすねが天井と平行になるようにします。

テーブルトップオンローラー④
©PHI Pilates Japan

⑦交互に10回ずつ繰り返します。

力まずに体幹を安定させましょう。難しい場合は手を床に降ろしたり、ローラーを外してマットの上で行いましょう。ミクリッツ線をイメージしながら行ってみましょう。最初より足が軽く上がったり、太ももの前や外の力みが無くなればOKです。

動画で動きを確認したい方はこちら

 

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Model by Masato Sugiyama

AUTHOR

杉山匡人

杉山匡人

高校時代の度重なるケガをきっかけに、ケガをしない体を作る方法を学ぶため早稲田大学に入学。卒業後、フィットネスクラブインストラクター、接骨院スタッフ、プロ野球選手のパーソナルトレーナーなどを経験する。 より多くの人を体の悩みから解放するために後進を育てることを決意し、専門学校のアスレティックトレーナーコース長として9年間勤務。解剖学、アスレティックリハビリテーション、ボディワークなどの講義を行う傍ら、あらゆる種目のスポーツ現場でアスレティックトレーナーとして活躍する。 現在、のべ2,500名以上のインストラクターを養成している日本最大級のピラティス団体「PHIピラティスジャパン」「YOGA MOVE」の本部スタジオ「EXECUTIVE7」において日本代表プロ野球選手、元スペイン代表Jリーガーなどのトップアスリートから、モデル、高齢者まで動作指導をする一方で、ピラティス・ヨガインストラクター養成講師をつとめ、多数のトレーナー養成専門学校において非常勤講師として活動。 資格:PHIピラティスマスタートレーナー、YOGA MOVEマスタートレーナー、鍼灸師、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、日本赤十字社救急法救急員、栄養コンシェルジュ二つ星 他 講師歴:履正社医療スポーツ専門学校、三幸学園リゾート&スポーツ専門学校、東洋医療専門学校、YMCメディカルトレーナーズスクール 他 メディア:関西電力発行マガジン『withはぴe』「毎日続ける からだメンテナンス」連載 他



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ミクリッツ線
テーブルトップオンローラー①
テーブルトップオンローラー②
テーブルトップオンローラー③
テーブルトップオンローラー④
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