【理学療法士が解説】姿勢が良くなる!ヨガが上達する「腸腰筋の効果的な鍛え方」
姿勢を保つ大事な筋肉であり、ポーズを安定させるうえでも欠かせない「腸腰筋」。この腸腰筋について改めて学びながら、効果的に鍛えるトレーニングを実践しましょう。
腸腰筋にアプローチするなら、トレーニング・トレーニング・トレーニング!
「現代人は腸腰筋が弱い!」と中村先生。ストレッチより、しっかり使うために鍛えておくことのほうが大切なのだそう。そこで、右の筋肉の3つの収縮法を利用したトレーニングを紹介。異なるアプローチで腸腰筋を総合的に鍛えることで、ヨガポーズの上達はもちろん、骨盤が起きて姿勢が整うため、日常動作も快適に行うことができるようになります。
人が立つための3本柱のうち、2本は腸腰筋
腸腰筋は、脊柱の腰椎から始まり、お腹の前を通って脚の付け根につく長い筋肉。脊柱の両側にあって、太さは腰椎と同じくら い。つまり、左右の腸腰筋(大腰筋)と脊柱の3本の柱で腰や骨盤を支えているのです。
「こんなに長い筋肉です!」
腸腰筋=“ヒト筋”です
「腸腰筋はホモサピエンスにとって最も大事な筋肉」と中村先生。腸腰筋が働くことで腰椎の前弯ができ、直立姿勢が可能に。だから弱くなることはとても危険。腰が丸まった前屈み姿勢は、直立以前の進化の後戻り...!?
「こんなふうに退化しちゃうかも!?」
腸腰筋の長さを変えずに鍛える
目的:姿勢保持力を高める
背骨が真っすぐ伸びた直立姿勢、これを保持する筋力を養います。筋肉の長さが変わらない等尺性収縮なので、腸腰筋を使う感覚があまりないかもしれませんが、首が伸びる、頭頂が引き上がる感覚があればOKです。
このポーズと同じ使い方
※腸腰筋の使い方が同じヨガポーズ。これらを繰り返し練習しても鍛えられます。
つま先立ちのターダーサナ
・ターダーサナ
・ヴルクシャーサナ
首の牽引
首を牽引すると、背骨が伸びて骨盤が真っすぐ起きてきます。この骨盤が起きている状態を保つのが腸腰筋の力です。姿勢のキープを続けて腸腰筋の姿勢保持力を養いましょう。
HOW TO
耳の後ろに指3本を(第2指〜第4指)あて、頭蓋を下から上に引き上げて背骨を伸ばす。
乳様突起(耳の裏の頭蓋骨の突起部分)に指をあて、斜め上を見る。
頭頂プッシュ
頭頂で壁を押すことで背骨が伸び、腸腰筋が活性化します。床と水平になるように背骨のラインを保って押し続けましょう。ヘッドスタンドを保持できる筋力が身に付きます。
HOW TO
壁の前で四つん這いになり、壁と頭頂の間にブロックを挟む。頭頂で壁を押して背骨を伸ばす。
POINT
背骨を床と平行にし、その背骨の延長上に頭頂がくるようにする。
できる人は
両手を床から離すと、より強く腸腰筋が刺激できる。首に不安があるときは行わない。
プッシュアップ
上の2つのワーク同様、背骨を伸ばして腸腰筋の姿勢保持力を高めます。床を押すことで肩が下がり、背骨が伸長して頭頂が引き上がります。腸腰筋の力でそこを保ちましょう。
HOW TO
①ブロックを2個重ねて体の横に置く。胡座になり、両手をブロックの上にのせる。
②ブロックを真下に押しながらお尻を浮かせる。足は床につけたまま。頭頂の伸びを感じる。
横から見ると
体が前傾したり反ったりしないように、床を垂直に押せる位置にブロックを置き、プッシュしてお尻を床から浮かせる。
教えてくれたのは...中村尚人先生
理学療法士、ヨガインストラクター。TAKT EIGHT主宰。理学療法士としての知識と経験を活かした指導で人気。医療とボディワークの融合、予防医学の確立を目指し、指導者育成、執筆活動、講演等幅広く活動。
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