【便秘に効く朝ごはん】冬に便秘になりやすい理由は?アーユルヴェーダで解消「スパイスバナナ」レシピ
寒くなってくると、気づいたらいつもより便秘の日が増えている…そんなことはないでしょうか?実は、冬は便秘になりやすい季節です。会食などで食が乱れるこの季節、便秘の日が続くのは苦しいですよね。今回は、便秘の原因と、腸内環境と消化力を整えるレシピをご紹介します!
アーユルヴェーダから見た冬の便秘の原因
アーユルヴェーダは、5000年以上の歴史を持つ伝統医学であり、現代でも病気の治療や健康増進法、美容法として使われるホリスティック医学です(ホリスティック医学とは、体だけではなく、心やスピリチュアルなど目に見えない部分も含めた全体的な視点から健康を考える医学です)。
アーユルヴェーダでは「私たち人間は自然の一部」と考え、自然のリズムに逆らわずに、季節や天候の変化に合わせた生活をすることで、自分の体内にある「知性」が目覚め、自然治癒力が引き出されると考えます。
人間は自然の一部である、とはどういうことでしょうか?私たちの体は五大元素である空・風・火・水・土要素からできています。そして、その五代要素が組み合わさって、体内では風のエネルギー「ワータ」、火のエネルギー「ピッタ」、水と土のエネルギー「カパ」が働いています。
冬は、冷たい乾燥した風が吹く季節なので、風のエネルギー「ワータ」の影響を体が受けやすい季節です。そのため、この時期は、体が乾燥し、冷えて、ワータが悪化した時に起こる不調である「便秘」になりやすいです。
冬に便秘になるとどうなる?
風のエネルギー「ワータ」とは、運動エネルギーです(風が吹くと葉っぱが飛んでいったり、洗濯物が揺れたりと、物が動きます)。この運動エネルギーは、体内では血液を動かしたり、老廃物を外に排泄したりと、「運搬」という働きを担っています。その運動エネルギーが、冷えた乾燥した空気によって悪化し、体内の運動エネルギーが鈍ると、排泄で押し流す力が弱まり便が長く腸内に留まったり、乾燥した便になったり、と、便が出てきづらくなります。また、腸内でガスが発生し、お腹が張ってきたりします。さらに、腸内環境の乱れは、腸で作られる神経伝達物質がうまく作られないことにもつながるので、便秘はイライラや不安感などの精神的な乱れにもつながります。
便秘になる原因は下記のようなものがあります。
① 水分が足りない
② 乾燥した風に長い時間あたっている
③ ストレスがあったり、忙しい
④ 運動不足、筋力低下
⑤ 油分が足りない
⑥ 食事量が足りない
⑦ 便意や尿意を我慢してしまう
そのため、運動をしたり、十分な休息をとることも便秘改善には必須ですが、今回は食事面でのアドバイスをご紹介します。お通じをスムーズにするのに、食事で重要な点は「潤い」と「かさ」です。便はある程度の水分と油分がないと、乾燥して非常に硬くなります。そうすると、腸内で滑らないので排泄しにくくなります。また、便を形成するために、ある程度の食事の量=「かさ」が必要です。そこで、便秘を改善するには、小食でいるよりは、バランスよい食事をしっかりするのがオススメです。
便秘改善に役立つフルーツ、バナナ
薬に頼らずに健康的な便秘改善を促すのであれば、バナナがオススメです。
バナナは、粘り気と重みのある性質があるので、腸に滞りがちな便をつるんと外に出してくれます。また、「かさ」もあるので便を形成するのに役立ちます。「最近お通じの調子が悪い…」と思ったら、食後のデザートや、朝ごはんとして是非、バナナを食べてみてください。
さらに、一手間加えてアップグレードするならば、スパイスを使った「スパイスバナナ」も良いです。バナナは冷性のフルーツなので体を冷やすのですが、温性のスパイスと組み合わせることで冷性が中和されます。またスパイスには消化促進効果もあります。岩塩には、ワータのエネルギーを正常な流れに直す働きがあるので、滞った循環エネルギーが流れていきます。
スパイスバナナ
材料:
バナナ1本、カットレモン1つ、クミン小さじ1/2、岩塩 適量(小さじ1/4くらい)、パクチー(彩りのため)
① バナナを食べやすい大きさに切る(1cmスライスくらい)
② クミンと岩塩を全体にまぶす
③ ②にレモンを絞って、全体をよく混ぜる
④ 器に盛って、彩りでパクチーを添える
切って、混ぜるだけの簡単メニューです。朝にフルーツを食べる習慣がある人は、朝に食べるのがオススメです。普通にフルーツを食べるより、スパイスの温め効果で体が冷えません。酸味と塩味がバナナの甘さを引き立てます。もし、コリアンダーがなければ省いてしまっても良いですし、スパイスをシナモンやカルダモンなどのスパイスに変えてみても美味しいです。難しく考えず、簡単なアレンジメニューとして気軽にお試しください。
AUTHOR
アカリ・リッピ―
アーユルヴェーダ著者・セラピスト。本場スリランカでアーユルヴェーダ医師のもと修行。帰国後、1万人の体質改善コンサルをしながら講座で実践的なアーユルヴェーダを指導。著書「アーユルヴェーダが教える、せかいいち心地よいこころとからだの磨き方」 (三笠書房)5刷。都内でサロン経営。大手企業の営業マンだった時の経験を活かし、「忙しい人でも無理なくできる」現代的なアーユルヴェーダを発信。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く