【漢方薬剤師が伝授】未病にも有効!?コロナ禍のストレス対策に役立つ「漢方薬」とセルフケア
――無自覚にストレスを溜め込んでいる場合、自分で確認できる症状などはありますか?
久保田さん:そうですね。例えば、
・深呼吸ができない
・イライラする
・頭が重いスッキリしない
・疲れやすい疲労感が強い
・やる気が起きない
・眠っても疲れが取れない
・人と会うのが億劫
・喉に違和感を感じる
・夢を見ることが多い
・暴飲暴食をしてしまう
・目が疲れる
・肩や背中が頻繁にこる
上述をチェックして半分以上当てはまるという人は、かなりストレスを溜め込んでいる可能性が高いです。意識してストレスケアをしていく必要があります。体質にあった漢方薬やリラックスできる漢方茶を取り入れることもオススメです。
――ストレスケアには、どんな種類の漢方薬や漢方茶が有効でしょうか? また新型コロナ感染にも用いられる漢方薬は、ありますか?
久保田さん:気持ちが落ち込み、から咳や喉の違和感などがあれば《半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)》を処方します。その逆で神経の高ぶりやイライラし落ち着かないときには《抑肝散(よくかんさん)》を処方します。
また気の巡りや流れが滞って、体力が低下したり、食欲がなくなったり、疲労感があるときは《補中益気湯(ほちゅうえっきとう)》を用います。これらの処方は気を調えストレスを回避できる可能性があります。また免疫を上げる効果も期待できます。
もし新型コロナに罹患したときには《藿香正気散(かっこうしょうきさん)》をすぐに飲んで欲しいと私は伝えています。夏風邪の薬ではありますが、体がだるい・体の中に熱がこもっている時、なんとなくだるいなと思ったらすぐに飲んで欲しい処方なので、常備して欲しいですね。
漢方茶では、ストレスフリーに心浸茶(しんしんちゃ)肺の潤いに緩管茶(くわんかんちゃ)、共になつめやおから茶などが入っていて、とても飲みやすく美味しいです。食のルーティンの中に入れてもらえると良いです。
――漢方薬も、知識をもって常備することが大切ですね。
寒気がするときに葛根湯をさっと手に取れるかどうかはすごく大きいことです。また処方の最後に“湯”と書いてある葛根湯は、ちょっと熱めのお湯でやけどしない程度に飲むというのが最高の飲み方であるという事も知っていてほしいです。実はこのような知識がある人は、邪を体に入れずに済むことができます。漢方医学では病気になる前の『未病』の段階から、漢方薬などで対処をしていくことが可能ですし、昔から医学書には『是故聖人不治巳病、治未病』「名医は病気になってからの患者を治すのではなくて未だ病気になっていない人を治す。」と書かれています。漢方薬や漢方茶のセルフケアで未病のうちに対処出来たら良いですね。
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ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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