30代から考える「卵子凍結」という選択|将来のために今できること【医師監修】

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30代から考える「卵子凍結」という選択|将来のために今できること【医師監修】

伊藤香奈
伊藤香奈
2021-11-11

30代~40代の女性で、将来「子供が欲しい」という方は、結婚している・していないに関わらず「卵子凍結」という選択肢について知っておくべきだと思います。決して他人事ではない、あなたの将来の話です。

卵子凍結とは?

卵子凍結とは、将来の妊娠に備えて卵子を凍結し保存しておくことを言います。卵子は年齢を重ねるとともに、個数が減ったり、卵子自体が老化し質が低下して、妊娠の確率が下がります。そのため、若いうちに卵子を保存しておくという選択肢が、卵子凍結です。その凍結した卵子は、妊娠を望むタイミングで、体外受精という形で妊娠・出産につなげていきます。若いときに卵子凍結を知り、検討することは質と量という2つの観点からメリットがあります。

卵子の質:年齢を重ねると卵子も同じく年を重ね老化し、質が下がります。卵子の質は、受精しづらくなる、成長しづらくなるなど妊娠の確率に大きく関わるため、若いうちに元気な卵子を保存しておくということは、身体が老化しても妊娠を望む女性にとって大きな味方になる可能性があります。

卵子の数:女性の体は、一生を通じて卵子を作り出せるわけではありません。お母さんの体の中で卵子の元となる細胞が約500万個あると言われていますが、生まれてきた時にはすでに100万個(5分の1)に減り、さらに年を重ねるとともに数は減り続け、月経が開始される頃には10万個(10分の1)にまで減っていると言われています。さらに年齢を重ねるとともに減り続け、妊娠を望む年齢になるころにはさらに数が少なくなっています。もし、将来的に不妊治療を行ったり体外受精による出産を望む際、1回、1個の卵子摘出で成功するとは限りません。卵子の数が必要になるのです。(体外受精による出産成功率は、約12%と言われています)卵子の数が多い若いうちに多くの卵子を残すという選択をすることは、将来の不妊治療の際にご自身を助けてくれる可能性が高いのです。

日本が世界一?体外受精ってなに?

2018年の日本産科婦人科学会の発表によると、日本は体外受精件数が45万件。この数は、世界一です(世界第2位のアメリカは28万件)。体外受精とは、不妊治療の1つであることは知ってる方も多いと思いますが、実はタイミング法や排卵誘発、人工授精などを行っても妊娠できなかった方におすすめすることが多い方法。つまり45万件の体外受精を行う前に、様々な不妊治療が数えきれないほど行われているというのも事実なのです。さらに体外受精による出産成功率は、12%。8~9回の体外受精を経て、やっと1人の出産を望めるという確率です(そのため、上述したように卵子の質や数が大切になってきます)。

不妊治療離婚や不妊治療離職といった言葉もあるように、不妊治療は多くの時間とお金、そして精神的負担も大きいということを知っておくことも将来のためになるかもしれません。

卵子凍結という選択肢を知ろう

日本では、女性の社会進出と共に初婚の年齢や初産の年齢の平均は上昇の一途をたどっています。高齢による出産と聞くと、出産時の合併症のリスク等をよく聞きますが、一番最初に直面する問題は、「妊娠・出産したくてもできない」ということです。この課題を解決するための選択肢の1つが、卵子凍結です。将来子供を持ちたいと思っているすべての女性は、30代から卵子凍結について知り、検討していくことをお勧めします。どのように卵子凍結について知り、選択し、実施していくか、簡単な流れと費用感をご紹介します。

1.まずは自分自身の卵子の状態を知る

卵子凍結という選択肢を考えるべきかの緊急性を医師に相談しましょう。具体的には不妊治療を行っている婦人科に行き、AMH等の検査を受け、現在の卵子の数や質を確認します。自由診療のため、初診料と併せて一般的に1万~3万円程度かかります。

2.卵子凍結を行っている病院や機関を探す

卵子凍結を具体的に検討する場合は、ネットの検索や友人の口コミなどを元に、ご自身で納得のいく病院や施設を探しましょう。事前の検査などで複数回通う必要があるため、通いやすいというのもポイントの1つになりますが、金額もかなりの幅があるので事前に比較することをお勧めします。

3.採卵~凍結まで

1回の採卵で多くの卵子を取り出せるように、採卵を行うまえに排卵誘発を行うなど、採卵の前にも行うべきことがあります。その後、生理周期等を加味し採卵日が決定します。採卵は、病院によって方法が異なりますが、部分麻酔・または全身麻酔により行われます。1回の採卵で取り出す卵子の数にもよりますが、一般的には10~50万円の費用がかかると言われています。採卵された卵子は、凍結されて専用施設(病院内・病院外なども施設により異なる)に保管されますが、凍結料・輸送料・保管料など、様々な費用が追加されます。

4.体外受精を行う

妊娠を望むタイミングになったら、かかりつけの婦人科と連携し、凍結された卵子を輸送・融解を行い体外受精をおこないます。前述した通り、体外受精による出産確率は約12%と言われています。卵子凍結する卵子の個数は20~30個ほど必要であるといわれることもあります。

あなたの人生に、ひとつでも多くの選択肢を

卵子凍結は、決して安いものではありません。しかし、体外受精での出産を試みる場合、若いころから準備しておく方が妊娠確率が高まるだけでなく、費用面でも安く済む可能性があります。それは、年を重ねると1回で採卵できる数が減ることにより採卵回数が増えたり、卵子の質の低下により体外受精が成功せず何度も体外受精を行うなど、費用がかさむ可能性があるためです。

まずは、友人と卵子凍結について話し合ってみたり、ネットで調べてみたり。興味を持つところから始めてみましょう!今日、この瞬間が、残りの人生の中で1番若い日なのですから。

合わせて読みたい記事:【30代から知っておきたい子宮のこと】卵子の数を調べるAMH検査とは?

医師監修/一倉絵莉子先生
産婦人科医(六本木ヒルズクリニック)日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会会員。日本大学医学部卒業。川口市立医療センター、北里大学メディカルセンター産婦人科等に勤務。

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伊藤香奈

伊藤香奈

股関節ヨガインストラクター。会社員歴20年の長年の座り仕事&長時間通勤で、股関節と腰の痛みに悩まされる。解剖学とヨガ・ストレッチ・筋膜リリース・骨格調整などを学び自らの痛みを克服した経験をもとに、オリジナルメソッド「股関節ヨガ」を考案。「立つ・歩く・家事をする・仕事をする」といった日常の動きが楽になるほか、股関節が整うことで、美脚・美尻・むくみ解消・ボディメイクの効果や便秘解消といった女性に嬉しい効果もあると人気が広まっている。

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