甘い味の朝食しか受け付けない意外な理由は?アスリート専属管理栄養士が教えるダイエット朝ごはん
コロナ禍で、もうくたくた…私も同じです。今こそ、頑張らない食トレを始めてみませんか? 私は幼い頃から朝ごはんが大好きでした。味噌汁をすすった時のホッとゆるむ感覚は誰もが経験したことがあるものではないでしょうか。トントンと野菜を切る音や、トーストが焼ける香ばしいにおい、元気色の彩りフルーツ…朝ごはんは1日の始まりを五感で感じられる幸せな食事です。「ゆるく豊かな朝時間 × ずるい栄養学」で始まる「キレイが目覚める朝ごはん」の連載です。
甘いものを欲するのは、意志の弱さではなく胃腸の弱さ?
毎朝ドーナツを食べている人に「甘いものはやめましょう」と言ってもなかなか行動に移せません。これは意志の弱さでなく胃腸の弱さが原因かもしれません。甘いものは手っ取り早くエネルギーになりますが、同時に血糖値を急上昇させて副腎疲労を加速させ、ストレスや血糖値を上手にコントロールできなくなってしまいます。結果、太りやすく痩せにくい体質になります。
このタイプにおすすめしたい朝食が、フルーツやはちみつをトッピングした「オーバーナイトオーツ」です。甘い朝食でも、食べたものをしっかりエネルギーに変えていくことができれば、自然と甘いものへの欲求も薄れていきます。
オーバーナイトオーツとは?
寝る前に、オートミールとヨーグルトとミルクを合わせて一晩置いておくと、翌朝にはふやけてもっちりした「オーバーナイトオーツ」ができます。食べる前にフルーツやナッツ、はちみつをトッピングすれば、甘いものが欲しい方にも嬉しいお手軽朝食です。
材料を見ていきましょう。
オートミール
オートミールには玄米の3倍もの食物繊維が含まれています。豊富な食物繊維は、食後の血糖値急上昇を緩やかにしてくれる一方で、消化に時間がかかってしまいます。胃腸の弱い人はたくさんの量を食べすぎないのも、美味しく続けるポイントです。
また、オートミールには押麦状のロールドオーツと、カットして調理時間を短くしたクイックオーツがありますが、オーバーナイトオーツは時短の必要がないので、粒感がしっかりして食べ応えのあるロールドオーツを使い、食べる時にはよく噛んで食べるようにしましょう。
ヨーグルト
発酵食品は微生物があらかじめ食品中の栄養素を消化しやすいように分解してくれているため、胃腸の負担は減らしつつ、しっかり栄養補給できます。ヨーグルトは砂糖不使用のものを選びましょう。
ミルク
牛乳、豆乳、アーモンドミルク、ミルクココア、プロテイン…と選択肢は様々ですが、私のおすすめは甘酒です。甘酒には「酒粕甘酒(酒粕を水で溶き、砂糖で甘くしたもの)」と「麹甘酒(米を発酵分解して甘くしたもの)」の2種類ありますが、麹甘酒はアルコールを含まないため、妊婦や子供も安心して毎日飲めます。消化がいいので、胃腸への負担が少なく必要な栄養補給ができます。20種のアミノ酸やビタミンB群は代謝アップにも働きます。
トッピング
おすすめトッピングはゆで小豆です。小豆ポリフェノールには血糖値の急上昇を防ぐ効果があります。その他、燃焼系ビタミン、デトックス効果のある食物繊維やサポニン、むくみ太りに効くカリウムなども豊富で、ダイエットには効果的です。
小豆や甘酒、バナナやドライフルーツ、さつまいも、シナモン、ココナッツのような自然な甘さや香りを活用すれば、砂糖やはちみつのような甘味料もいりません。
今回の結論です!
朝、甘いものしか食べられない方は無理に食事を変えるのではなく、少しずつできることから始めてみましょう。選択肢の一つとしてオーバーナイトオートミールはいかがでしょうか?
AUTHOR
石松佑梨
サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。
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