私たちの体内にある神経の中で、内臓の働きなどを調整するのが「自律神経」です。自律神経は、私たちの意思とは関係なく24時間働き、身体や気分を活発にさせる役割の「交感神経」と、リラックスさせる役割の「副交感神経」の2種類に分けられます。交感神経が強く働くと心と体が興奮し、副交感神経が強く働くと心と体がリラックスしやすい状態になるのですが、自律神経のバランスによって私たちの身体と心の調子は変わると考えられます。
基本的に交感神経は昼に活発になり、副交感神経は夜に活発になります。しかし、梅雨の時期は天気の変動が激しく、涼しい日もあれば蒸し暑い日もあります。このような激しい寒暖差や湿度の差が知らず知らずにうちに心身にストレスを与えているのです。
私たちはストレスを受けると体を活発にする交感神経が強く働くようになり、リラックス状態にさせる副交感神経のスイッチが入りづらくなることから、梅雨の時期は疲労が抜けきらず体調も崩しやすくなるといわれます。
現代社会では交感神経の方が副交感神経より過剰に働いている場合が多いと言われています。心身を落ち着かせる働きをする副交感神経を優位にするために、「呼吸を意識して行うこと」も一つの手段です。
おすすめは「腹式呼吸」。日常から腹式呼吸を意識して、吸う息も吐く息もゆっくりと丁寧に繰り返すようにしましょう。
忙しい1日の最後に、布団に寝たままできるストレッチを紹介します。呼吸に合わせて体を動かすことで、心地よい疲労感が味わえ入眠しやすくなり、呼吸動作で使われる胸の筋肉を伸ばすことでより呼吸を深めることができます。
(1)ヨガブロックや硬めの枕、バスタオルを巻いたものを頭の下に置き、横向きに寝る。両膝は軽く曲げてそろえ、背筋は真っ直ぐに伸ばす。
(2) 下になっている腕を前に伸ばし、上になっている腕をその腕に重ねる。
(3) 息を吸いながら上の腕を持ち上げ半円を描き、背中側に持っていく。胸の伸びを感じながら2〜3回深呼吸する。
(4) 息を吐きながら、再び手を元の状態に戻す。ゆっくりとしたペースで10回繰り返す。
※腕を後ろに回す時も戻す時も反動をつけないでゆっくり動かしましょう。
※動きの中で背中が丸まらないよう、お腹の奥に少し力を入れましょう。
※腕を背中側に下ろす際、ストレッチ具合が強い・肩に違和感があるという場合は、腕を下ろす範囲を小さくして実践しましょう。
動きの詳細は以下動画からも確認できます。