老化の元凶は酸化と糖化!老化を止めるために今すぐできることは【糖尿病専門医が解説】
もし、老化を止めることができたなら……これは多くの人が願う望みであり、叶わない夢でした。でも、科学が発達した現代では、その老化の原因がついに判明したのです!
『20万人を診た老化物質「AGE」の専門医が教える 老化を止める本』(フォレスト出版)の著者であり、老化について研究している牧田善二医師に、老化を止める方法について、教えていただきました。
知っておきたい、老化のメカニズム
今まで、老化の原因は体の中のサビ=酸化が原因とされてきました。わかりやすく説明すると、カットした果物や野菜を放置しておくと、断面が徐々に茶色に変化していきます。それと同じようなことが、体内で起こっているということ。
「大気中には20%の酸素が含まれており、さまざまな外部からの刺激で、体内に活性酸素(※)が発生します」(牧田医師)
その活性酸素を増やす行為として、強い紫外線や大気汚染物質、タバコ、酸化した物質の摂取、過度な運動、ストレスなどが挙げられます。
今までは、この「酸化」が人間の老化の原因だと考えられてきました。しかし、最近の研究で酸化以上に、深く老化に関わっている「あること」がわかってきたのです!
※活性酸素…活性酸素とは、我々が呼吸している待機中の酸素よりも活性化された酸素およびその関連分子の総称で、不安定でいろいろな物質と反応しやすい性質をもっている。
「糖化」によって生まれるAGEとは?
酸化以上に、深く人間の老化に関わっているのが「糖化」です。酸化が「肌のサビ」なら、糖化は「肌のコゲ」。この2つは同時に進むことが多く、「糖化酸化反応」と呼ぶことが提唱されています。
「糖化とは、糖質やタンパク質が脂肪やブドウ糖と結合する反応です。この反応により、老化の元凶となる『AGE』が大量発生するのです」(牧田医師)
AGEは「終末糖化産物」と訳され、タンパク質に悪い影響を与えます。そんな私たちの体は、水分と脂肪を除けば、ほとんどがタンパク質。血も骨も皮膚もAGEの影響を受けるため、老化だけなく、がん、心筋梗塞、脳卒中など命に直結する疾患の原因にもなっています。
では、どうやったら「AGE」を発生させずにすむのでしょうか?
糖化を防ぐポイントは4つ
・高温調理した肉や魚をできるだけ避ける
・糖質、炭水化物をできるだけ食べない
・タバコを吸わない
・紫外線を避ける
AGEは体内で生まれるだけでなく、「揚げる」「直火など高温で焼く」ことで、食材自体にも大量発生。生の状態に比べると、10倍以上にAGEが増加することがわかっています。
AGEは、KU(キロユニット)という単位で表すことができ、老化を防ぐためなら、1日の上限は7,000~10,000KU。少なくとも、これを超えないように食べることが大切です!
一見、簡単に実行できそうですが、鶏肉を例に挙げると……
このように、揚げたり、高温調理されていると、1食であっという間に1日の摂取量を簡単に超えてしまいます。そのため、老化防止のために選ぶべき料理法は「煮る」または「蒸す」!
ちなみに、同じ鶏肉も刺身で食べるなら、692KU/90g! 老化を防ぎたいなら、これからは調理法にもこだわった食事が必要です。
さらに、AGE発生を防ぐには何をすればいいのでしょうか?
「若返りたければ、糖質を制限しなさい」
「AGEは、タンパク質と糖質の異常な組み合わせから生じます。しかし、体を構成するタンパク質を減らすわけにはいきません。減らすべきは『糖質』です」(牧田医師)
実は糖質は3種類あり、1番に減らすべきはブドウ糖や砂糖などの甘い、単純糖質。これらは血糖値を急激に上げ、AGEを作り出します。
食事を変えることによって、私たちは「老化の原因を作らない」体を手に入れることができるのです。
教えてくれたのは……牧田善二先生
医学博士。糖尿病などの生活習慣病を扱う専門クリニック「AGE牧田クリニック」院長。世界アンチエイジング学会に所属し、エイジングケアやダイエットの分野でも活躍。これまでに、延べ20万人以上の患者を診察。著書に『20万人を診た老化物質「AGE」の専門医が教える 老化を止める本』(フォレスト出版)がある。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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