「我が子が可愛く思えない…」の背景にあるものとは?臨床心理士が解説する【ボンディング障害】
ボンディング障害の対処法は?
ボンディング障害への対処を考える上で大切なのは「お母さんへのケア」という視点。まずは子を育てるお母さんが必要な場所とつながり、早期にケアを受けること。例えば、うつなどの精神症状が見られる場合は、医療機関での治療を早期に受けることでその分改善も早くなります。そこまでいかないとしても、地域の助産師・保健師の訪問の際に話をする、家庭の支援を行う地域のセンターを活用することで、お母さんが「一人ではない」という心理的な安心を感じることができます。
出産前後は揺れ動く時期
妊娠や出産など、いわゆる周産期は生活環境や人間関係が大きく変わり、『親になる』という役割を担うことになります。こうした今までに体験したことがない状況に出会うと、誰でも心理的に戸惑いや不安を感じるもの。そういった心理状況が子どもへの接し方や見方を変えてしまうというのは、誰にでも起きうることだと思います。だから、『自分の子どもがかわいく思えないなんて、ダメだ』と自分を責めることなく、勇気を出して話を聞いてくれそうな周りの人に話してみてください。身近にいない場合は、近所の家庭支援センターなど公的な機関でカウンセリングを行っていたりしますので、そういったところを活用してみてくださいね。
ライター/南 舞
臨床心理士。岩手県出身。多感な思春期時代に臨床心理学の存在を知り、カウンセラーになることを決意。大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」を取得。学生時代に趣味で始めたヨガだったが、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングと近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。現在は臨床心理士としてカウンセリングをする傍ら、ヨガ講師としても活動している。
Instagram: @maiminami831
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