コロナ禍でDVが深刻化|DVにまつわる4つの誤解と「これってDV?」と感じた時にすべきこと

 コロナ禍でDVが深刻化|DVにまつわる4つの誤解と「これってDV?」と感じた時にすべきこと
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南 舞
南 舞
2020-12-02

今や社会問題として広く知れ渡るようになったパートナー間での暴力、DV(ドメスティック・バイオレンス)。コロナでの自粛生活により、生活への不安やストレスからDVが増加・深刻化しています。そこで、DVについて普段よく聞かれる質問や、誤解されがちなことを臨床心理士である筆者が解説します。

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DVにまつわる様々な誤解

優しい時もあるから大丈夫なのでは?

ドメスティック・バイオレンス(以下,DV)の研究者であるレノア・E・ウォーカーは、DVには【緊張形成期】で加害者のストレスが溜まり、【爆発期】で被害者に暴力を行う、【ハネムーン期】では加害者が被害者に謝罪して優しく接するという3つの段階があり、それを周期的に繰り返すと定義しています。厄介なのが【ハネムーン期】であり、いわゆるアメとムチ状態。暴力をふるわれていたところに優しい言葉をかけられたり、弱味を見せられると『やっぱりこの人はいい人』『そばにいてあげなきゃ』と思い、依存的な関係が出来上がっていきます。

殴っていなければDVじゃない?

DVと聞くと、『叩く・殴る・蹴る』などの身体的な暴力が浮かぶと思いますが、それだけではありません。人格を否定したり、無視してくるなどの【心理的・精神的暴力】、生活に十分なお金を渡してくれない【経済的暴力】、家族や友人など人間関係の持ち方を制限したり、メールやSNSなどを監視する【社会的隔離】、嫌がっているのに性行為を強要したり、避妊に協力しないなど【性的暴力】など様々。これらの暴力は単独で起きることもありますが、複数の暴力が重なって起こっていることがほとんどです。最近ではDVに対する認知度が高まっている事もあり、身体的暴力は減ってきているように思いますが、その分心理的・精神的暴力が増えているような印象を筆者は受けています。

どんな人が加害者になる?

特にこれといったタイプはなく、年齢・学歴・職種・収入なども関係ないと言われています。加害者の中には普段から誰にでも暴力的な人もいますが、意外と「人当たりがいい」「社会的信用が高い」など、他者には良い印象に見えるのに、実は加害者であるというパターンも。DVが起こる背景として、加害者の価値観に「男性はこうあるべき、女性はこうあるべき」といったジェンダーバイアスが残されていることが多いと言われています。

嫌なら逃げればいいのでは?

被害者の心の中には、相手から逃げたら何かされるのでは?という恐怖感や、助けてくれる人は誰もいないという無力感、離れたいと思いつつも、いつか変わってくれるのではないかといった複雑な心理が絡みあっています。その他にも、経済的な理由や、失うものの大きさ、お子さんがいればお子さんのことなど、物理的な問題から踏み切れないという場合も多いのです。ですから「出ていけばいい」「別れたら済むこと」といったアドバイスは有効でなく、むしろ被害者を傷つけることにもなりかねないので気を付けたいものです。

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