不妊治療にかかる費用ってどれくらい?「特定不妊治療助成制度」の適用範囲は?【不妊治療の現実】

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不妊治療にかかる費用ってどれくらい?「特定不妊治療助成制度」の適用範囲は?【不妊治療の現実】

妊娠や不妊について学んだ記憶はありますか? この連載では、不妊体験者を支援するNPO法人Fineスタッフ、また妊活ヨガセラピストとして活動するわたなべまさよさんが、妊娠を望んでいる人が知っておきたいこと、また不妊治療の現状を連載形式で綴っていきます。いつかお母さんになりたい人はきちんと知ってこれからのライフステージをデザインしてゆきましょう。

不妊当事者に重くのしかかる「治療費」の問題

できることなら自然に。でもなかなか授からないとき不妊治療した方がいいのかな?と思うものの何だか高そう…一体どれくらいかかるの?

不妊治療の中で体外受精と顕微授精(高度生殖医療)はイメージ通り高額です!その割に出産率は高くないので、1回で終了せず何回も繰り返すパターンが多く、お金の悩みはとてもとても大きくて、若い人ほど治療を断念したり先延ばしにする傾向があります。

関心がなかった人でも、最近は不妊治療関連の話題を目にする機会が増えているのではないでしょうか。Twitterをはじめ多くの不妊当事者が高額な治療費の現状を訴えています。それに応えるように国は今急ピッチで動いているので、これからに注目です。

特定不妊治療助成制度

特定不妊助成制度 は指定された医療機関で高度生殖医療を受けたときに、治療費の一部や全額を国や自治体が負担してくれる制度。自治体によっては助成金が上乗せになるケースもありますので、治療前にお住まいの自治体から出ている情報を確認しましょう。

現在保険適用となっている不妊治療

  1.  不妊原因を調べる検査
  2. タイミング法(超音波や血液検査で排卵日を医師が推測し、指定された日にセックスする)

現在保険適用外となっている不妊治療

  1. 人工授精(採取した精子を濃縮し子宮に入れる)平均費用:1万円~5万円
  2. 体外受精・顕微授精(精子・卵子を体外で受精させた後、子宮に移植する)平均費用(1周期あたり):30万円~100万円

なぜこんなに開きがあるかというと、患者ひとりひとり状況が異なるため、治療内容は一律ではなく、施設ごとに治療方針、検査や薬の種類、設備にかけるお金などに差があるため、同じ治療でも大きく違ってくるのです。

高額化している不妊治療費

この高度性生殖医療にかかる治療費が年々高騰していることがNPO法人Fineの「不妊治療と経済的負担に関するアンケート 2018」(※)によって明らかになっています。

2010年と2018年で比較すると、 1周期の平均治療費が「50万円以上」と回答した人は、体外受精で約 2.5 倍顕微授精で約 2 倍 という回答結果となりました。

治療費のトータルは「100 万~200 万円未満」が最も多いのは変わりませんでしたが、「300 万円以上」という高額な治療費を支払っている人が増えていて、不妊治療はどんどん高くなっていることが分かります。

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不妊治療費の総額

治療費以外にもいろいろなお金がかかります。遠方の施設に通う場合は交通費もばかになりません。他にも体を整えるための漢方薬、サプリメント、食品など。自分でできることは何でもトライしたいと考える人も多く、貯金を切り崩したり趣味や旅行をがまんしたり、何とかして赤ちゃんを授かるためにがんばっています。

それでも先が不透明な不妊治療。お金が続かないからお休みし、貯まったから再びチャレンジしようとしたときには年齢が高くなり、妊娠・出産が難しくなるため更に時間とお金、精神的な負担がのしかかる・・・というスパイラルに陥いる人も少なくありません。

今後の課題

治療費は安ければいいというわけではないのがむずかしいところです。災害時に凍結保存されている受精卵を守るためには高額な設備投資が必要になりますし、医師はもちろん、培養士の技術の差は結果を左右しますので、スタッフへの教育を含め、質を上げるために人件費もかかります。質が上がれば治療費も上がる。でも患者側はどう見極めていいのか分かりません。口コミなどに翻弄されて病院を転々としてしまうのです。

国はお金の負担と同時に施設の基準を定めるところにも着手してもらいたい。医療も費用も安心して、赤ちゃんを望んだときに妊娠・出産できる社会になるよう祈るばかりです。

NPO法人Fine~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~「不妊治療と経済的負担に関するアンケート 2018」

ライター/わたなべまさよ
妊活ヨガセラピスト(不妊ピアカウンセラー・ヨガ講師)不妊体験者を支援するNPO法人Fineスタッフ。妊活コンシェルジュファミワンアドバイザー。長期の不妊治療で心と体のバランスを崩したところ、毎日実践したヨガで回復。その後妊活をサポートする側にシフトし、自治体、病院などで講演やヨガとカウンセリングを併用した妊活ヨガセラピーを行っている。「おやすみ前のリラックスヨガ」22時から20分間オンライン(Zoom)で土曜日をのぞく毎日開催。LINE登録で1ヶ月体験無料。詳しくはホームページまで。

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