マングローブ奇跡の生体から生きるヒントを学ぶ【石垣島ヨガ便り♯7】
自由が丘、たまプラーザ、そして石垣島で展開する人気スタジオ「クシャナヨガ」。主宰の長島千比呂先生が過ごす、石垣島でのヨガのある暮らしとは? 憧れの島暮らしの様子を連載形式でお届けします。今回は、石垣島と同じ時間が流れる屋久島のマングローブについて。
石垣島に生息するマングローブ
石垣島にお越しの際に訪れてもらいたい一つがマングローブ。マングローブと言うと木の名前と思っている方も多いと思いますが、実は熱帯・亜熱帯地域の湿地帯に生息する特別な植物たちの総称なのです。日本では、沖縄県と鹿児島の屋久島にのみ自生のマングローブ林があるそうです。
もちろん、ここ石垣島にも豊かなマングローブの森が拡がっています。マングローブが生育するのは、汽水域という特別な場所。そこは海水と淡水が混じり合う場所です。つまり、海と森とを繋げている地。その調和に力を発揮しているのがマングローブです。
汽水域は河口付近に拡がる湿地帯にあり、森から流れ込む豊富な栄養分を含む土から成ります。けれどその土は水を多く含む粘土状で、一般的な植物では根を張ることすらままなりません。また、粘土のような土壌では酸素量が少なく生育できないそうです。その点、マングローブは独自の根、自ら呼吸する「呼吸根」を持つことによって、その土地に根付くこと、立つことができるようになりました。
そして、もう一つ厄介なのが塩分です。海水が流れ込む汽水域において、どう塩分を輩出するかが重要です。種によって様々だそうですが、根で塩分をろ過する種、葉に塩分を蓄積し落葉させる種など、マングローブたちは独自のメカニズムによって、中に入った塩分を輩出しています。豊富な栄養素はあるけれど塩分濃度が高く刺激物が多い場所。そんな環境の中で、マングローブは必要なものを享受し、害となるものを手放すことを、命の営みの中で身につけました。
それは、もしかしたら私たち現代人にも生き抜く術として大切なことなのかもしれません。飽食の時代、モノや情報が溢れる時代、全てが飽和する中で、呼吸をするように自然に必要なものだけが自分の中に入り、過剰なもの、刺激物はそのまま流れていく。人間特有の思考や感情というフィルターを通さずに、それができたらどんなによりナチュラルに生きられることでしょう。
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