緊急性が高い病気が潜んでいる可能性も?危険なめまいとめまいを起こしやすい人の特徴は|医師が解説

 緊急性が高い病気が潜んでいる可能性も?危険なめまいとめまいを起こしやすい人の特徴は|医師が解説
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甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2025-01-26

めまいに他の症状も伴う場合は、脳が原因でめまいを起こしていることがあります。医師が解説します。

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めまいとは?

そもそもめまいとは、複数の感覚器からの情報が統合できずに違和感を覚える状態を指しています。

目・耳・関節・筋肉・皮膚などから体の位置を感じることができますが、この体の位置にずれが生じるのがめまいです。

そして、位置のずれは体が動いていないのに動いているかのような感覚に陥り、これがめまいとして、不快な感じを与えているのです。

めまいにはいくつか種類がありますが、その中でも浮動性めまいは、回転性めまいよりも症状が比較的軽症であることが多く、ゆっくりであれば歩行も可能で、ふらつきも軽くしか出ません。

浮動性めまいの場合には、「雲の上を歩いている感じ」、「頭がぼーっとしてふわふわする」という感覚がします。

浮動性めまいは他人から見ても特に変化がないように捉えられることが多いため、めまいの症状で日頃から悩んでいる人は理解を得られにくく辛い思いをしているでしょう。

めまいは一時的なものであれば特に大きな問題はありませんが、場合によっては緊急性が高い病気が潜んでいる可能性もあるので注意が必要です。

浮動性めまい

体がふわふわと宙に浮いているような感覚・姿勢保持が困難・直進できないという症状が急に出現するか、もしくは徐々に強く出てくるのが特徴です。

浮動性めまいはふわふわした感覚だけであれば特に大きな問題がない場合が多いですが、浮動性めまいの症状だけでなく、以下の症状が出た場合は要注意です。

  • 激しい頭痛
  • 嘔吐
  • 手足の痺れ
  • 麻痺
  • 歩行困難
  • 意識障害

浮動性めまいを生じた際には、脳腫瘍や脳梗塞など、脳が原因で発症することがあるため、専門医師に診てもらった方が良いでしょう。

めまいを起こしやすい人の特徴は

めまいのなかでも、特に浮動性めまいを発症する原因は、種類によって異なります。

中枢性の浮動性めまいは脳梗塞や脳出血によって小脳や脳幹など、脳に障害が出ることで発症し、この場合は、迅速に治療を始めないと後遺症が残る危険があるので、注意が必要です。

全身性の場合には、自律神経が乱れる自律神経失調症のように、体全体の問題によって浮動性めまいが出ますし、貧血や発熱によってめまい症状が認められることもあります。

また、薬を内服していて浮動性めまいを感じる人は、薬の副作用かもしれません。

抗生物質・降圧剤・抗精神薬などで症状が出やすいですが、場合によっては市販薬でも発症することがありますので、薬を内服してから症状が出たという人は医師もしくは薬剤師に相談しましょう。

これら以外の要因として、耳・脳など体に異常が見つからない場合は、心因性と診断がつく場合があります。

心因性は自律神経の乱れだけでなく精神的なストレスなどが原因で、耳や脳の機能に悪影響を及ぼしていることによって発症しますので、心因性の浮動性めまいに対する治療ではなるべくストレスを取り除くことが重要です。

浮動性めまいを発症しやすい人は、ストレスが溜まっている・不規則な生活を送っている・大きな環境の変化があった・更年期に伴うホルモンバランスが乱れているなどの特徴が挙げられます。

めまいは男性よりも女性が発症することが多いです。

一般的に、月経の出血量が多いだけでなく、経口避妊薬や女性ホルモン補充療法を行っている人はめまいが生じやすいでしょう。

また、更年期の時期においては、卵巣から分泌されるエストロゲンの量が減少することで血流障害が起きて、めまい症状を自覚しやすくなるといわれています。

まとめ

浮動性めまいはそれ自体が病気なのではなく、脳・耳・全身などの異常が起因して、浮動性めまいを引き起こしていると考えられます。

まずは、どの病気によって浮動性めまいが発症しているのかを突き止めることが大事です。

そのためにはめまいが出た時にどのようなめまいだったのか、ほかに症状がなかったのかという情報が診断するうえで必要になりますので、自分の状態を専門医師にしっかり伝えてください。

また浮動性めまいは、ある程度予防することもできますので、普段から規則正しい生活を送り、ストレスを溜め込まないように常日頃から意識すると良いでしょう。

浮動性めまいは、しっかりと治療を行えば完治します

自律神経障害や精神的なものが浮動性めまいの原因になっている場合は、医療機関の受診も必要ですが、自分でストレスにならないようなセルフケアや環境づくりも大事な要点となります。

浮動性めまいが出ている時は無理せず、日常生活に支障が出ている場合は早めに専門医療機関を受診して、相談しましょう。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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