【卵】の「赤玉」と「白玉」栄養価が高いのはどっち?管理栄養士が解説
スーパーのたまご売り場に行くと殻が赤いたまごと白いたまごの2種類あります。一般的に赤いたまごの方が値段が高く売られていますが、栄養価の違いはあるのでしょうか?殻の色の違いとその理由を管理栄養士が解説します。
赤玉と白玉で栄養価に違いはある?
結論から申し上げますと赤玉も白玉も栄養価に差はありません。殻の色はたまごを産むにわとりの色素によって変わると言われています。
なぜたまごの殻の色が違うのか?
卵の殻の色の違いはにわとりの種類により変わります。羽毛が褐色や黒っぽいにわとりは褐色の色素を分泌するため赤玉を、白いにわとりは白いたまごを産む傾向があり、栄養価に差があるわけではありません。一般的に赤玉の方が値段が高く設定されていますが、これは産卵数が少ないことが主な理由で栄養価に差があるわけではありません。
卵黄の色の違いで栄養価は変わる?
卵黄の色も白、黄色、オレンジなど色の違いがありますが、卵黄の色と栄養価に直接的な違いはないと言われています。卵黄の色はにわとりが食べているえさの色に由来します。黄色っぽい草やとうもろこしを食べると黄色く、お米や白っぽいえさを食べると白く、パプリカやかにの甲羅の色素をえさに混ぜると赤色が強くなる傾向があります。
卵の鮮度を長持ちさせる保存方法!
卵には賞味期限が表記されていますが、これは生食できる期限を示したものになります。現在は21日(家庭の冷蔵庫で7日間保管することを含む)が最長期間です。賞味期限を過ぎても割った時に卵の状態に問題がなく、70℃以上加熱すれば食べることができますが、鮮度の落ちたたまごは風味も劣ります。少しでも鮮度を長持ちさせる方法を2つ紹介します。
尖った方を下に向けて冷蔵庫に保存する
卵の殻は炭酸カルシウムという成分でできており、目には見えませんが小さな穴がたくさん開いています。この小さな穴は卵がヒヨコになる時に必要な酸素を取り入れ、炭酸ガスを吐き出すために必要な穴です。尖った部分の方が空気の穴が多く、空気と共に細菌が入り込む可能性が高くなります。こちらを下にすることで空気との接触を防いで細菌が入り込むのを防ぎ鮮度を長持ちさせます。また尖った部分の方が殻が厚くて強度が高いため割れにくいという特徴もあります。
水洗いしない
たまごの殻の汚れが気になるからと水洗いされる方もいらっしゃるかもしれませんが、卵は出荷されるときに洗卵してから出荷されるため、基本的に水洗いする必要はありません。水洗いすると雑菌が水と一緒に殻の気功から入り込み卵の中に入る可能性があります。汚れが殻の表面に残っていることもありますが、気になる汚れは洗い流すよりもふき取った方が鮮度を保てます。褐色のたまごの殻には斑点がつくこともありますが、産卵時に分泌する色素に由来するものなので汚れではありません。
たまごの冷凍保存は可能?
殻付きのたまごをそのまま冷凍すると中身が膨張して殻が割れます。卵白は一度冷凍しても解凍すると水っぽくはなるものの元の状態に戻りますが、卵黄は一度冷凍すると固まったまま、元の状態には戻りません。加熱すれば問題なく食べられますが生食には不向きです。殻付き卵を割って解きほぐして冷凍することは可能ですが、細菌が繁殖しやすいためあまりおすすめではありません。割った卵はすぐに使い切るか、加熱してから冷凍した方が衛生的です。
〈参考文献〉
AUTHOR
田中ひろか
管理栄養士。 保育園栄養士、ダイエットインストラクターとして食事指導とレシピ提供の経験を経て渡豪。 バイロンベイでのヨガリトリート中ベジタリアンの食生活を経験したことから、幅広い野菜の食べ方を知る。 食を楽しみながら健康的なライフスタイルを築くため、’’野菜をおいしく手軽に食べる方法’’を研究中。 現在はメルボルンに在住し、オンラインの食事指導とカフェのヴィーガン、ベジタリアンメニューの提案に携る。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く