【旬のいちじく】不老長寿の果物!アンチエイジングが期待できる食べ方と注意点とは?管理栄養士が解説
秋になるとスーパーでも目にすることが増える旬の果物のひとつがいちじくです。「食べ方がいまいち分からない」という人も多く、食べたことがないという人も多いかもしれません。そこで、今回はアンチエイジングの味方にもなってくれる栄養素を豊富に含むいちじくの秘密についてご紹介します。
いちじくのアンチエイジングに嬉しい6大栄養素
いちじくは、不老長寿の果物と呼ばれることもあるほど、女性にとっては欠かせないアンチエイジングをサポートしてくれる栄養素の宝庫です。
食物繊維
食物繊維は水溶性と不溶性の2種類に分類されますが、いちじくには水溶性食物繊維の一種であるペクチンが豊富に含まれています。体にとって不要なものをネバネバで包んで排出したり、糖質の消化吸収スピードを緩やかにすることで血糖値の急上昇を抑えたり、腸内の膜を守ることで善玉菌を増やしたりさまざまな働きを期待できます。
ポリフェノール
アンチエイジングの敵は、細胞の酸化です。この酸化を促す活性酸素の除去をする抗酸化作用が強いポリフェノールを豊富に含んでいます。ただし、一度にたくさん摂取しても貯蔵されることがない栄養素であるため、少しずつ取り入れてあげることがおすすめです。
カリウム
ミネラルの一種であるカリウムは、体のバランスを整える働きをします。その中でも特にナトリウムとは反対の働きをするため、ナトリウムの過剰摂取で高血圧などのトラブルが起きないように、増えすぎた場合には排出を促してくれます。そのため、むくみ予防や改善にも良いでしょう。
カルシウム
現代人が不足しがちであり、骨や歯の材料だけでなく、心臓や筋肉の収縮を保ったり、酵素を活性化させたりと重要な働きをしているカルシウムも豊富に含んでいます。ただし、吸収率が低い栄養素としても有名なため、吸収率を高めてくれるビタミンD・Kと一緒の摂取がおすすめです。加えて、吸収を阻害する加工食品や清涼飲料水に多く含まれているリンの過剰摂取には注意が必要です。
鉄分・葉酸
特に、女性に多い貧血の原因のひとつが、鉄分・葉酸不足です。血液には欠かせない赤血球を作るのに欠かせない栄養素でもあります。基本的には体に入ったものはほとんど排出されないのですが、毎月の月経で血液を排出する女性にとっては、鉄分・葉酸を豊富に含むいちじくはおすすめです。いちじくには吸収率の低い非ヘム鉄なため、吸収力を高めてくれるビタミンCと一緒に摂取したり、ヘム鉄を豊富に含む肉や魚と一緒に摂取するのもよいでしょう。
いちじくのおすすめの食べ方は?
スーパーでは目にするけど食べ方が分からないという人も多いと思うため、アンチエイジング効果も期待できるおすすめの食べ方をご紹介します。ぜひ、試してみてくださいね。
生で食べる
いちじくには、たんぱく質分解酵素であるフィシンが含まれています。そのため、たんぱく質の消化の負担を減らすことで、胃腸にかかる負担が減り、胃もたれや二日酔いなどを予防してくれるでしょう。フィシンは熱に弱いという特徴があるため、生で食べるのがおすすめです。皮を剥いて食べる人が多いですが、いちじくの皮は柔らかくて、食物繊維も含まれているため、よく洗ってそのまま食べるのも良いでしょう。
乾燥したものを食べる
生は日持ちがしにくいというのも加えて、乾燥させて水分を飛ばすことで、1年中食べることができるだけでなく、栄養素が凝縮されるドライいちじくもおすすめです。特に、鉄分と食物繊維が豊富に含まれているため、貧血や便秘が気になる人には、小腹が空いた時の間食にも良いでしょう。
いちじくを食べる時に気をつけたい2つのこと
アレルギーに要注意!
秋の果物で美味しいいちじくですが、植物のゴムノキから抽出されるラテックス(天然ゴム)にアレルギーを持っている人には、注意してもらいたいです。ラテックスに含まれているたんぱく質の構造といちじくのたんぱく質の構造が似ていることから、稀にアナフィラキシーの引き金になってしまうことがあります。気をつけましょう。
食べ過ぎには要注意!
いくら栄養素が豊富に含まれているとはいえ、食べ過ぎには注意が必要です。食物繊維が豊富に含まれているため、食べ過ぎてしまうと、逆に下痢を引き起こしてしまう可能性もあります。また、ドライいちじくで食べる場合には、つい食べ過ぎてしまうことも多いです。自然な糖分ではありますが、特に、糖尿病で血糖値の調整などをしている人は、食べ過ぎには気をつけましょう。
いちじくは1日どれくらい食べるのがおすすめ?
農林水産省がすすめる「毎日くだもの200グラム運動」や1日の間食は200kcal以内を目安にすることを考慮すると、生の場合、1日200gで考えると、大きめなものだと2個、小さめのものでも3個くらいを目安にするとよいでしょう。また、ドライの場合は200gで考えるとカロリー大幅オーバーになってしまうため、200kcal以内を目安に考えるのがおすすめです。1個が20gと考えると3〜4個にしましょう。
いちじくを食べて健康美を手に入れよう
生のいちじくは食べられる時期が限られています。とても短いので、ぜひ、見つけた時に手に取って美味しく食べて腸の中からキレイになってみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
文部科学省 | 日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年
一般財団法人日本健康文化振興会|健康サポート通信|Vol.4いちじく
ヴィアトリス製薬株式会社 |アナフィラキシーってなあに.jp|原因別アナフィラキシー|食物アレルギー|果物
ライター/管理栄養士 亀崎智子
管理栄養士×セラピスト(野菜ソムリエ・中級食品診断士 )。食に関する講演や記事執筆・監修、体の本来の機能を取り戻すお手伝いをする整体のセラピストとして、家族丸ごと体の内と外にゆとりをつくるサポートを行っている。また、満月の日に、乾物と塩で作るふりかけと即席スープの素の製造販売も行っています。インスタグラム:kamegohan0528
AUTHOR
NS Labo(栄養サポート研究所)
全国の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やダイエット、美容関連の 商品開発や監修、講演やコラム執筆、メディア出演などウェルネス分野を中心に幅広く事 業を行っている。 また、2020年に「ウェルネスライフコーチ協会」を立ち上げコミュニティを通して健康貢 献活動を行っている。
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