いちじくはどうやって食べるのが正解?おすすめの食べ方と健康へのメリットを管理栄養士が解説

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いちじくは秋に旬を迎える果物のひとつです。スーパーでも見かけることが増えていますが、食べる機会は意外と少ないのではないでしょうか?なかには「食べ方がわからない」という方もいるでしょう。そこで、この記事では管理栄養士おすすめのいちじくの食べ方を紹介します。熟したいちじくの見分け方も解説するので、秋の味覚であるいちじくをぜひ味わってくださいね。

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いちじくの栄養と健康効果

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いちじくは、とろりとした食感と上品な甘み、種のプチプチとした食感が楽しめる果物です。8〜11月が旬とされており、今がまさにいちじくのおいしい季節といえます。

まずはいちじくの栄養と健康効果について知りましょう。いちじく100gあたりに含まれるエネルギーは57kcal、糖質は12.4gです。いちじくは1個60〜100g程度なので、1個あたりのエネルギーは30〜60kcal、糖質は7〜12g程度であると考えられます。

健康効果が期待できるいちじくの成分は、次のとおりです。

・食物繊維
・カリウム
・アントシアニン
・フィシン

いちじくの特長は水溶性食物繊維が多いこと。水溶性食物繊維は、糖質の吸収を緩やかにして血糖値の上昇を抑える作用があり、糖尿病や肥満の予防に効果が期待できます。また、余分なコレステロールを吸着して排出させるため、コレステロール値の改善にも有効です。

ミネラルの一種であるカリウムには、体内の余分な塩分を排出する作用があります。そのため、体のむくみの解消に役立ちます。

アントシアニンは、ブルーベリーやブドウにも含まれる色素成分です。ポリフェノールの一種であるため、抗酸化作用によるアンチエイジング効果が期待できます。そのほか、目の健康にも効果があるとされており、眼精疲労の軽減や視力の回復をサポートするでしょう。

フィシンは、たんぱく質の分解を助ける酵素です。したがって、生のいちじくをデザートに食べると、たんぱく質の消化が促進されて胃もたれを防ぐ効果が期待できます。ただし、フィシンが原因で手がかゆくなったり口が腫れたりすることがあるため、アレルギー体質の方は注意してください。

いちじくの適量は1日2〜3個

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いちじくの適量は1日2〜3個までです。

厚生労働省と農林水産省が策定した「食事バランスガイド」では、果物の摂取量について1日200gを目安としています。したがって、いちじくを食べるときは小さめなら3個程度、大きいものは2個までにしておきましょう。

なお、ドライいちじくは1日の適量が異なります。乾燥により重量が減る一方で、エネルギーや栄養成分が凝縮されるためです。「食事バランスガイド」の間食の目安を参考にして1日200kcalまで、つまり1個20gのドライいちじくであれば3〜4個までにするのがよいでしょう。

いちじくは皮ごと食べるのがおすすめ

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熟したいちじくは、果肉だけでなく皮もやわらかくなっています。そのため、よく洗ってヘタを除けば皮ごと食べられます。皮をむく手間が省けるうえ、皮に含まれる食物繊維やアントシアニンなどの成分も摂取できるので、皮ごと食べるのがおすすめです。

とくに、アントシアニンは青や紫といった鮮やかな色のもとになる色素成分です。いちじくの皮が濃い色をしているのは、アントシアニンが豊富に含まれるから。いちじくの健康効果を最大限に得るなら、熟したいちじくを皮ごと食べましょう。

熟したいちじくの見分け方のポイントは、色、香り、底の割れ具合です。いちじくは熟すと果実全体が赤や紫に色づき、果実の底部分(ヘタの反対側)が割れて甘い香りが漂います。傷みやすいので、熟したら早めに食べましょう。

皮が固い場合は、皮をむいて食べてもかまいません。ヘタから下へ向かって、ゆっくりと皮を引っ張るときれいにむけます。皮をむいたいちじくは、くし型にカットすると食べやすくなります。

いちじくは、旬の季節以外に出回ることが少ない果物です。熟したものは皮をむくことなく手軽に食べられるので、ぜひ季節限定の味わいを楽しんでください。

【参考文献】
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
農林水産省「『食事バランスガイド』について」
中野区医師会「口腔アレルギー症候群」
ヴィアトリス製薬株式会社 アナフィラキシーってなあに.jp「原因別アナフィラキシー|食物アレルギー 果物」
白鳥早奈英. 坂木利隆. もっとからだにおいしい野菜の便利帳.高橋書店.2011.
中村督. 食品でひく 機能性成分の事典. 女子栄養大学出版部. 2022.

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AUTHOR

いしもとめぐみ 管理栄養士

いしもとめぐみ

管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。



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