収納プロのローリングストック失敗経験から得た、非常食の備蓄。「何を?どれだけ?」
非常食は2年、3年、5年など賞味期限がバラバラ。つい先日、うちにある非常食のほとんどが期限切れ(もしくは残り数ヶ月)という、片付けプロとしてはお恥ずかしい事実が判明しました。非常食のチェックは毎年9月。今年一斉に切れると数年前からわかっていたのに…。うっかりしてたら9月でした(トホホ)ローリングストック、難しいですね。そこであらためて、失敗しにくいローリングストックを考えてみました。何を、どれだけ準備したらいいのか、一つでも参考になると報われます。
「自分だけは大丈夫」と思いがち。だけど現実問題として、日本は自然災害が多い。もしもの時、支援が始まるまでの最低限として3日分、できれば1週間分以上の備えが推奨されています。
ふだんの生活で使いながら、使った分を買い足すというローリングストック。非常食の賞味期限切れを防ぐための方法ですが、管理しやすい仕組みづくりが不可欠です。在庫数と賞味期限を把握しやすい、先にあるものから使いやすい収納の工夫、期限切れの定期的なチェックなど大事です。かといって、しっかり備えたいからと闇雲にストック量を増やすと、在庫管理が大変になるだけ。賞味期限切れの山、作りたくないですよね。では、何を、どれだけ準備すればいいのか?
自宅にある食材で1週間、持ちこたえられそうですか?
ふだんメニュー表を立ててから買い物される方もいらっしゃるかもしれませんが、私は献立も決めずに買い物に行くタイプです。メニュー表なんて、考えたことすらありませんでした。防災備蓄収納を学んだことをきっかけに、人生初となる災害時1週間分のメニュー表を作りました。作ってみると【何をどれだけ用意したらいいか】がはっきりわかります。冷蔵庫にある物から食べ、冷凍庫にある分も食べていく。作り置きや残り物おかず、海苔や梅干し、ふりかけなども合わせると、数日分のおかずはありそうです。ふだん食べている缶詰やカップ麺、レトルト食材(カレー、お粥、フリーズドライ味噌汁)などのストックも組み合わせて、メニュー表を作ります。家族の人数、食べる量、好みなども考慮しましょうね。
参考までに、うちの場合はこんな感じです。
▼大人2人の災害時メニュー表(抜粋)
初日
・朝:パン缶(缶から出すだけで食べられる)×2個
・昼:アルファ米(炊かなくても、お湯や水で食べられるご飯)、おかず(冷蔵庫)
・夕:アルファ米、缶詰
2日目
・朝:レトルトお粥、パックご飯(湯煎でOK)、缶詰、おかず(冷蔵庫)
・昼:アルファ米、おかず(冷蔵庫、冷凍庫)
・夕:パックご飯×2個、おかず(冷蔵庫、冷凍庫)
3日目
・朝:パン缶×2個、野菜スープ
・昼:アルファ米、レトルトカレー
・夕:レトルトお粥×2個
災害時メニュー表で、必要なストック量を出す
防災備蓄収納を学んで、一番最初に作ったメニュー表は、いわゆる非常食(長期保存食品)ばかりでした。長期保存食品は、種類も豊富で、備えると安心です。美味しいものもあります。ただ、賞味期限が近づいて、家で防災訓練がてら食べるのですが、正直、感謝の気持ちで頑張って食べると言う感じ。自分たちが美味しいと思うものを厳選したのに、です。このネガティブな気持ちが、今回の大量賞味期限切れを招いたことは否定できません。たとえ保存期間が短くなり、管理する手間が増えても、ふだんの食材で備えたい気持ちがより強くなりました。
あとは、収納ボックスに賞味期限を書いていましたが、棚の最上段に置いてあり、文字が小さくて見にくかった。収納場所は今のままなので、もっと大きく書かないといけません。
また、今年から夫の弁当を作るようになり、前はほとんどなかった作り置きや、冷凍食品のストックが増えました。今回、ローリングストックが苦手なこと(棚の最上段は目が届きにくい)を痛感したことも踏まえて、長期保存食品を減らしてもいいと思えるようになりました。ふだん食べている物の方が、まだ管理しやすい。種類を絞り、ストックを少し増やしていきます。
被災された方の「非常時の食事は、命をつなぐだけじゃない。心の安心、栄養になる」と言う言葉が印象的で、非常食はできるだけ味にもこだわりたいと思っています。家族会議でも、できるだけふだん食べている物でまかなおう。足りない分を長期保存食品で補うことにしました。
余談ですが、前にした失敗の一つで、アルファ米(炊かなくても、お湯や水で食べられるご飯)は、仕上がりが約260gです。一般的に2膳分。うちだと2人がご飯を食べる場合にちょうどいい量です。この仕上がり量と内容量(100g)を勘違いして、大量発注したことがあります。仕上がり量と内容量、ご注意くださいね。
メニュー表にはないけど、備蓄しておくといい物
甘い物もあるといいとよく聞きます。あんこ(ぜんざい)、ゼリー、チョコレート、ドライフルーツ、ナッツなど。まさに、心の栄養にもなります。また野菜不足になりがちなので、乾燥野菜ミックスの常備もオススメです。
さて、1週間分のメニュー表で「何を、どれだけ準備するか?」イメージできそうですか?
非常食とふだんのストックをどんな風に備蓄するかは、たったひとつの正解があるわけではありません。ご家族で話しあって、実際に試して、ローリングストックをしながら、自分たちに合った方法を見つけていきましょう。収納プロのローリングストック失敗談が、ご家族で防災について話し合う一助になれば幸いです。
AUTHOR
黒山みちよ
片づけたい!変わりたい!を応援する整理収納アドバイザー。整理収納アドバイザー2級講座は毎月開催(オンライン、大阪)。心理学を活かした手放し方や、自分と向き合うワークショップ・個人セッションも人気。収納スペースも、心も、余白があるとラクになる!余白づくりの大切さを、stand.fmでほぼ毎日配信中。 ◆心理カウンセラー/米国NLP協会:トレードマーク:認定NLPマスタープラクティショナー
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