50代・60代が飲むべき「体のサビ(酸化)を予防する飲み物」3選|管理栄養士が解説
近年、体のサビや細胞の老化といった言葉を見聞きする機会が増えています。「体のサビ」とは、体内で増え過ぎた活性酸素が細胞にダメージを与えることを、鉄の酸化=錆(サビ)に例えた表現です。本記事では、そんな細胞の酸化ダメージを抑える成分「抗酸化物質」を含む飲み物を紹介します。エイジングケアや美容のためにも、ぜひ食生活に取り入れてみてください。
体のサビを防ぐ飲み物の共通点
体のサビを防ぐキーワードは「抗酸化」です。ヒトの身体には本来活性酸素を抑える酵素のはたらきがありますが、年齢とともにその酵素は減少します。よって食品から「抗酸化物質」を摂取する必要があります。食品の抗酸化物質の種類には、ビタミンA,C,Eやポリフェノールがあります。ポリフェノールは、植物が紫外線などから身を守るために作り出す成分の総称です。野菜や果物のきれいな色味やあく・苦味を呈しているのも、それぞれポリフェノールによるものです。
緑茶
緑茶にはカテキンという抗酸化物質が含まれます。カテキンはお茶の渋味成分で、ポリフェノールの一種です。カテキンの強い抗酸化作用により免疫力アップが期待できるだけでなく、緑茶に含まれるビタミンCも一緒に摂ることができます。一方で緑茶はカフェインも含むことから、寝る前に何杯も飲むのは控えるようにしましょう。
そば茶
そばにはルチンという抗酸化物質が含まれます。ルチンには血管を健康に保つはたらきがあります。また、抗酸化ビタミンの1つであるビタミンCと合わせて摂ることで、毛細血管を強くするといわれています。穀物でルチンを含むのはそばのみで、ほかの食べ物ではいちじくやトマトにも含まれます。そば茶を淹れた後の茶殻も食べて、ぜひそばの栄養を丸ごと摂ってみてください。そば茶はノンカフェインのため、お休み前のリラックスティーとしてもおすすめです。
黒豆茶
黒豆の色はポリフェノールの一種、アントシアニンによるものです。アントシアニンは強い抗酸化作用をもつため、若々しさをサポートするといわれています。黒豆はほかにもコレステロールの蓄積を抑えるサポニンや、女性ホルモンに似た作用をもつ大豆イソフラボンなどの機能性成分を含みます。黒豆茶の茶殻に栄養が残っているため、茶殻を甘く煮て煮豆にしたり、ご飯に入れて炊き込んだりしてもおいしくいただけます。また、黒ごま入りのブレンド茶であれば、コレステロールのバランスを整えたり、肝臓の負担をやわらげるセサミンというポリフェノールも一緒に摂ることができます。
まとめ
本記事では、体のサビを防ぐ抗酸化物質を含む飲み物を紹介しました。酸化によるストレスから身を守るためには、抗酸化物質を意識した食事のほか、生活リズムを整えることも重要です。適度な運動や良質な睡眠を心がけ、活性酸素のダメージから身を守っていきましょう。
〈参考文献〉
・農林水産省|そばの栄養の特徴(とくちょう)について教えてください。
・正しい知識で健康をつくる あたらしい栄養学|吉田企世子,松田早苗|高橋書店
・栄養素図鑑と食べ方テク|中村丁次|朝日新聞出版
AUTHOR
栗城智子
大学卒業後、食品メーカーにて商品開発や品質保証の業務に従事し、管理栄養士を取得。特定保健指導やドラッグストア勤務において、人々の食事や健康、サプリメントに関する悩みに寄り添う。上記資格のほかフードスペシャリスト、離乳食・妊産婦食アドバイザー、日本化粧品検定1級、アロマテラピーアドバイザーなどの資格を保有。食と健康について学びを続けている。現在は子育てをしながら管理栄養士ライターとして執筆や商品監修に携わる。
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