うっかりやってしまいがち。腸が汚れてしまう習慣とは?管理栄養士が解説
健康のためにと最近話題の「腸活」ですが、普段の習慣が腸を汚し、体に不調を招いている可能性もあります。本記事では、腸が汚れる生活習慣について詳しく解説します。
腸が汚れるとは
腸が汚れるとは、腸内に存在する善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスが崩れ、悪玉菌が増えることで腸内環境が悪化することです。
腸には、約1,000種類、100兆個の細菌が存在します。細菌は善玉菌:悪玉菌:日和見菌のバランスが2:1:7で存在するのが理想的といわれています。
善玉菌は、腸内で発酵活動を行い、腸内を弱酸性に保つ働きをしています。それにより、腸内環境が良好に維持されています。一方、悪玉菌は腐敗活動を行い、腐敗によって有害物質を産生します。この有害物質が増えると人の体にはさまざまな不調が現れてきます。
腸が汚れることで生じる不調
腸内環境が悪化すると、悪玉菌が優位に立ち、腸内はアルカリ性に傾きます。これは、悪玉菌が有害物質を産生するためで、この有害物質によって体はさまざまな悪影響を受けます。便秘、下痢は最もわかりやすい症状です。それに加え、肌荒れや頭痛、アレルギー、うつなども腸の汚れによって生じる場合もあるといわれています。
腸が汚れる習慣
腸を汚す原因はさまざまですが、好ましくない生活習慣を続けていることです。ここでは、腸を汚す生活習慣について詳しく解説します。
食生活の乱れ
食事は腸によって消化吸収されるため、食生活の乱れは、腸内環境を乱す大きな原因となります。特に気をつけたい食習慣は、以下の通りです。
①高たんぱく質、高脂肪食の頻度が高い
②人工甘味料、砂糖の摂り過ぎ
③質の悪い油脂の摂取
④カフェインの摂り過ぎ
これらは善玉菌を減らし、悪玉菌を増やす食事です。腸を汚し、腸内環境を悪化させるため、できる限り避けるようにしましょう。
運動不足
運動には腸のぜん動運動を促す作用があります。さらに、運動をすることで血流がよくなると腸の血行も促進され、代謝も良くなります。そのため、運動不足によって腸の働きは鈍くなり、腸内環境を悪化させる原因となるのです。
睡眠不足
睡眠不足が健康に与える影響はさまざまですが、腸内環境も悪化させるといわれています。睡眠不足によって腸内の免疫に関わる細菌が減り、腸内細菌のバランスが崩れることで、体に不調が現れます。不調を感じた時には睡眠時間がしっかり確保できているか、定期的に振り返ることも大切です。
腸をきれいにする習慣
悪化した腸内環境は生活習慣を見直し、腸をきれいにすることで改善されます。ここでは、腸をきれいにするおすすめの習慣を紹介します。
腸に良い菌を摂る
腸内環境を改善するためには、善玉菌を増やすことが効果的です。食事から善玉菌を取り入れる方法もその一つで、発酵食品がおすすめです。ヨーグルトや納豆、発酵させた漬物(ぬか漬け、キムチ、しば漬けなど)には、善玉菌である乳酸菌が含まれています。これらの食品を毎日の食事に取り入れることで、腸内環境の改善が期待できます。
水溶性食物繊維を摂る
水溶性食物繊維は、ぜん動運動を促し便秘予防に効果的です。さらに腸内では、善玉菌を増やして腸内環境を整える働きもするなど、腸をきれいに保つために効果的な栄養素です。食事には、野菜や海藻類、果物などの水溶性食物繊維を多く含む食べ物を取り入れるようにしましょう。
水分をしっかり摂る
水分をしっかり摂ると、腸の動きも良くなります。逆に、水分が不足すると便が固くなり便秘の原因になり、腸内環境を悪化させることに繋がります。水分は積極的にとりましょう。
適度な運動
運動をすることで、腸のぜん動運動を促します。胃腸の調子も良くなるので、適度な運動習慣を身につけましょう。
規則正しい生活リズム
生活リズムが乱れると、体の中の体内時計も乱れるため、腸にとっても好ましくありません。生活リズムの中には、食事の時間、睡眠時間なども含まれます。腸内環境を良好に保つためにも、規則正しい生活リズムを心がけましょう。」
まとめ
普段の生活の中で、何気ない習慣が腸を汚していることもあります。腸内環境を良好に保つ習慣を心がけ、健康を維持しましょう。
参考:
・健康長寿ネット 「生活習慣で乱れた腸内環境を整える方法」・e-ヘルスネット 「腸内細菌と健康」
AUTHOR
古山有紀
大学卒業後、管理栄養士として病院に勤務し、患者様の栄養管理及び栄養指導に従事。 出産を機に独立し、ダイエットサポートや健康維持のための食事カウンセリングを行う。また、食事と健康、美容、ダイエットに関する記事を中心にライターとしても活動中。
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